EXHIBITION

 

門田光雅 個展  GAP


2017年12月15日(金)〜25日(月)  
11時〜18時30分
日曜日は休廊いたします。

師走の候、今年も残り少なくなってまいりましたが、
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

2017年最後の企画展、「門田光雅 個展」を開催いたします。
門田光雅の個展は、今回で3回目を迎えます。
門田光雅は1980年、静岡県に生まれました。2003年、東京造形大学研究科を修了し現在も活発な制作活動に従事しながら母校の後輩の指導にも携わってもいます。2008年「第23回 ホルベインスカラシップ奨学生」、さらに「VOCA展」への出品など、画家としての第一歩は早いうちからその制作ぶりは評価の対象にありました。何よりも、門田光雅の制作は、その「量」においても「質」においても、他を圧倒するエネルギーがあります。エネルギーとは、発熱するキャンバスに作家自らが絵画的価値と情熱の深さを刻印する仕事であり、その門田光雅には底知れぬ画才の鉱脈を持ち合わせているかに見えます。期待するところ、半世紀以上にならんとするアンフォルメルの新しい世代の旗手かもしれないと、ある評論家は述べました。カラーフィールドのアメリカンスタイルの影響もなければ、ゲルマンストロークの存在の意味を問いただす影響もなく、ただひたすら、日本の作家として「量」と「質」の豊穣さをキャンバスに注ぎ尽くしている。流行ったジャパンポップをアクリルに混合させた研磨石のカーボンランダム、塗り固められて土台にしてしまった気配すらあります。謙虚に、門田光雅は日本の文化的ジレンマ、外国の文化的ジレンマに絵画的抵抗を試みました。それは門田光雅自身の過去の作品―-現在の作品を通して再確認の意味での、今回のサブタイトル、「GAP」を抽象表現の形で再生いたしました。


皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2017年12月 吉日
 NICHE GALLERY

 


 

TIMBRHYTHM ティンブリズム 2017
九十九伸一 個展

2017年12月4日(月)〜12日(火)  11時〜18時30分
日曜日は休廊いたします。

冷たい冬の北風が頬をうつ昨今、
マフラーをぐるぐる巻きにして散策するのも冬の愉しみの一つであります。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

12月の企画展、「九十九伸一 個展」を開催いたします。
九十九伸一は1955年、福岡県行橋市に生まれました。1980年、九州産業大学大学院を修了の後、ミラノに住み、1986年からバルセローナに居住を移し現在に至っています。ニッチ・  ギャラリーでは、2004年以来二度目の個展開催になります。オーラに包まれた九十九伸一の制作人生は、トスカーナの無数の星に魅了された無限への空間意識と色彩力を永遠に色あせることなく制作は「TIMBRHYTHM ティンブリズム 2017」へと続いています。数々の作品群に見られる日常生活から由来するタイトルは永遠の少年のような眼差しの九十九伸一の詩情性が豊かに語られています。しかし一方、見方を変えれば、ロシア派の前衛芸術家の運動表現にも似て共通の構成力学が働いています。そして、リズミカルな音楽的要素に注視すれば、未来派の作家とも共通項を探しあてることができます。彼の言葉を借りれば、”自然に発した内なる声が、無限の空間に色となって染まっていく印象を、生命が宿った空間としてキャンバスに描いた“、とかつて述べたことが回想されました。壮大な天空の作家とも言えます。と同時に、近年の立体オブジェへの果敢な  挑戦は、体感するイマジネーションをより一層実像の現実世界に呼び戻したい多視的な九十九伸一の力量がいかんなく発揮されたものと考えられます。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2017年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

横井山 泰 個展

「晴るる夜に」



2017年11月24日(金)〜12月2日(土)11時〜18時30分
   

一段と寒くなりました昨今、北風が木の葉を舞い上げ、
いよいよ冬の到来と言ったところです。
皆様におかれましては、ご清栄のこことお慶び申し上げます。

2017年11月の企画展、横井山泰個展「晴るる夜に」を開催いたします。
横井山泰は1976年、静岡県に生まれました。多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻を修了しています。ここ10年に及ぶ作家活動は、多数の受賞歴を生み、文化庁からの留学と、若いアーティストの熱望する大半の成果を横井山泰は成し遂げてしまいました。今回のステイトメントは、横井山泰、自らの言葉をお伝えしたいと思います。

●作品の成り立ち
真っ白なキャンバスにピンクや黄色の絵具を出鱈目に塗り付けていきます。時には近所の子供に落書きをさせたりします。すると中有中陰を漂うような混沌の中に何かが出てくるのです。そうやって見えたものに従っていくと作品ができます。
2匹のプードルの作品の場合。お世話になっている方のワンちゃんが亡くなり悲しい気持ちで画面を見ていました。ちょっと困った表情が見えた後、大きな横顔が現れました。パリ時代の知人のワンちゃんです。同じ犬種の彼も数年前に亡くなっていて二人は今頃仲良くなっているのではないかしら?と観えたのです。
●犬と猫が大勢いる作品の場合動物の集会を奥から覗いている男女を瘤取り爺さんに見立てています。飼い犬の犬社会での意外な一面を垣間見ているのです。
●ゴールドのプードルが真っ黒いプードルと対峙している作品の場合
黒い方が閻魔です。転校生への儀式?新しい仲間になるためのイニシエイションのようにも見えます。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。


 

 

渡辺有葵 個展  
無重力と色の間にある地図に沿って


2017年11月13日(月)〜11月22日(水)
11時〜18時30分

晩秋の候、一段と寒さも厳しくなり襟を立てて歩く姿が目立ちます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

11月の企画展「渡辺有葵 個展」を開催いたします。
渡辺有葵は1981年、静岡県三島市に生まれました。2006年、日本大学大学院造形芸術専攻博士前期課程を修了しています。現在は母校、日本大学の高等部の美術の講師、また大学の非常勤講師として後進の指導にもあたっております。そして、新制作協会の「損保ジャパン美術財団賞」、「第79回新制作協会新作家賞」を受賞するなど目覚ましい活躍が近年続いております。前回のサブタイトル 「私の呼吸は音楽と共に」に引き続き、今回も「無重力と色の間にある地図に沿って」と言う若者らしい難解そうで無作為な興味深い展示であります。従来の日常風景からデフォルメされて紡ぎ出された(渡辺有葵特有の感性から少し離れて)、新たな絵画のファクターを求めるように、自己を失いかける位に無意識の衝動を利用して描きあげています。形象と色彩の無意識の構成力学を描き上げたと言えそうです。無重力的平面と言えます。渡辺自身は大まじめに無重力の模擬体験としてバンジージャンプをしました。或いは、作品の上下左右を逆転して構成の喪失感に翻弄されながら二次元の平面に不可視の可能性を希求しています。こういった若い時期にありがちな無作為で無謀な衝動は、無視されるものではなく未体験と未完成の時期を得て、新しい大輪の絵画につながっていくことはよく美術史の中で語られています。

 

皆様のご来廊とご支援を心よりお待ち申し上げます。

 

2017年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

今井麗 ULALA IMAI
サイレントトイ狂 (東京)
2017年10月30日(月)~11月8日(水) 11:00-18:30


会期中無休、日曜日も開廊いたします。


 

両岡健太 個展
「眠りと覚醒の分水嶺」


2017年10月23日(月)〜10月28日(土)11時〜18時30分


晩秋の候、秋の長雨の後の爽やかな晴天が待ち遠しい昨今でございます。
皆様におかれましては、いかがお過ごしでございましょうか。
お体を大切に、ご自愛のほどお願い申し上げます。


2017年、10月の企画展「両岡健太個展 −眠りと覚醒の分水嶺−」を開催いたします。
両岡健太は、1981年埼玉に生まれました。2005年、多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業し、現在は制作を中心に活動範囲を広げています。ニッチ・ギャラリーでの個展は今回で3回目です。2009年当時、両岡健太は、抽象形態の中に宗教的敬虔な空間を構築しようと試みていました。聖者とおぼしき人物像を構成したり、半ば両岡健太の理想図を絵画に見出したと言えます。例えば、ピエロ・デラ・フランチェスカの無垢な静謐な絵画に、永遠な憧れをもって描き続けていきたいとか。ジョットの夜空に自分自身を溶け込ませていきたいとか。影響は壮大な希求となりました。しかし昨今、ここ2013年の頃からその夢から覚めたように両岡健太は現実味を帯びた彼の心象絵画に移り変わります。そこには、以前とは違った異才の光が漂っていて、我を見て、我を知り、「シェル美術賞」、「上野の森絵画大賞展」への出品と世間への純粋な挑戦への第一歩が始まりました。コンクールへの出品の是非はともかく、両岡健太の着想は奇抜を超えています。背景に何故かしらゴッホの耳を切った自画像があり、登るべきはしごから落下する両岡健太らしき構図、遠景にベネチア派の港を配し、子供を抱えるティッイアーノの裸婦像の前で泪に濡れた両岡健太の「眠りと覚醒の分水嶺」が描かれました。泪は、不安と憧憬を描くまでもなく乾いていて、側に描写されたネズミさえ同情に値するクールな”熱い絵画”に仕上がっています。



皆様のご支援とご来廊をお待ち申し上げます。


2017年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

井上ゆかり個展



2017年10月16日(月)〜12日(土)  
11時〜18時30分


秋が深まりました昨今、肌に感じる風も冷たくなり
一段と夜のコオロギの声に寂しさが募る、この頃でございます。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。


10月の企画展、第3回目の「井上ゆかり個展」を開催いたします。
井上ゆかりは1979年、神奈川県川崎市に生まれました。2002年、東京家政大学家政学部服飾美術学科を卒業しました。専門的美術専攻ではなかったものの、子供の頃からの絵画の熱はなかなか普通ではなかったようです。ニッチ・ギャラリーとの付き合いは古く、画廊で企画したアートコンペティションで「スカラシップ賞」を受賞し、それ以来の5人の受賞作家の一人として現在も当画廊を中心に制作発表で続けております。「シェル美術賞展」の受賞作品や「FACE展」の出品作品に見られるような、何の変哲もない日常の風景の中から、井上ゆかりの目に映る日常の景色を切り取り、例えば河原にかかった橋の下の住居と思われるホームレスののんびりとした佇まいを描写したり、ある意味での非日常、言葉を換えれば、日常的生活圏の中のささやかな反社会圏を井上ゆかりは覗き見るようにモチーフを求めてきました。それは、彼女の言葉を借りれば、“私には個性など必要があるとは思いません。私は社会から影響を受けたい。人々から、動物から、植物からまでも全ての目に見える社会現象を通して影響を受けたい。”と断言します。今回展示の横長の3連作も彼女の発言をよく証明しています。自宅からそう遠くない代わり映えのしない海岸の風景。なのに突然、パトカーと警察官らしい数人が海に向かって立っているただならぬ「水鏡の中の景色」が現出します。平凡な風景が非凡な景色に変わる一瞬です。井上ゆかりはこの海岸風景に何を見たか、何を予感しているのか、まぎれもなく井上ゆかりの美意識の根底にある社会との深いつながりを、日常の中から、紡ぎ出すことに成功しています。


皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。


2017年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

今井陽子個展

2017年10月9日〜14日 11時〜18時30分


 

 

 

出射茂個展

「いつか見たしかしまだ見ぬ形」

2017年9月27日(水)〜10月7日(土) 11:00〜18:30
     日曜日は休廊いたします。

お彼岸の候、夜ともなれば、秋の気配がこおろぎの声に誘われて、
一段と寂しさが募る昨今でございます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

9月下旬の企画展、「出射茂個展」を開催いたします。
出射茂は1958年、広島県呉市に生まれました。1985年、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻を修了しました。出射茂の30代から40代にかけてのコンクールでの受賞歴は華々しく、ポストモダニズムの次世代の新しい実験絵画の旗手のようにも見えた時代でありました。とは言え当時、「平面」という言葉がもてはやされる一方で、1980年代、世界に巻き起こった具象回帰のニューペインティング、コンセプチュアルアート、インスタレーション、そしてアジアンポップとアートシーンの荒々しい高波が、ポストモダンの「平面」作品をもおいつくす勢いでした。小さな声で語れば、その飲み込まれたかに見えた高波からポッカリと浮かびだしたポストモダン系の作家の一人が出射茂と言えます。出射茂のその浮上は鮮烈で、新たに蘇った振幅力のある構築された作品、フラットな平面構成から飛び出しモダニズムを自認するかのような疑似距離感を作り出しました。こんにちの3Dを具現したかのような可視的作品群は、出射茂の画才を決定づけたと言えます。そして、キャンバス上にある絵具の物質感とそれを補う芸術意識のバランスが、あるいは、バランスと言うより“揺さぶり方”が途方もなく、昨今の作品を含めて実験的であり、かつ魅惑的な「いつか見たしかしまだ見ぬ形」となっています。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2017年9月 吉日 
NICHE GALLERY




     
松島佳世 個展

2017年9月13日(水)〜21日(木) 11時〜18時30分
(日曜日も開廊いたします)

初秋の候、やっとどこからとなく爽やかな秋風の気配が訪れています。
皆様に置かれましてはご清祥のことと、お慶び申し上げます。

9月の企画展、「松島佳世個展」を開催いたします。
松島佳世は大阪に生まれました。ニッチ・ギャラリーでの最初の個展であります。1985年、松島佳世は帝塚山学院大学美学美術史学科を卒業しました。専攻は、西洋美術史で、名画をもとにしたペンギンの作品群はただ単なるパロディ的絵画ではありません。西洋絵画史からの豊富な知識の裏付けと、何と言っても、家庭生活から発見した我が子のしぐさとペンギンの動作の愛くるしさが、ある意味共通な無垢な驚きと大きな感動となって今日の松島佳世の制作の原点を作ったと言えます。最初のペンギンさんの登場は、ヴァン・ゴッホの『耳を切った自画像』から始まりました。
かつて1970年代、社会は海外を含め地球上に革新という言葉と同時にパロディ化が横溢しました。しかし現在、地球軸は反転して地球上そのものが情報そのものになり、すべてがパロディ、イノヴェーションのショックに陥り、私たち個人一人一人がその良識、その美徳、その伝統を自己内対話の判断に余儀なくされてしまいました。その中に、松島佳世の創作作品はあって、世界の名画をペンギンで描いたら―、新しい解釈のペンギンパスティーシュが生まれました。芸術摸倣という意味での過去の巨匠へのオマージュ的挑戦でもあります。と同時に、名作と共に彼女の筆先から漏れるペンギンさんの曰く言い難い、新しい美術の動向と表現の可能性がここにあります。鑑賞する皆様の力量にも関わる、ユニークな画才溢れる松島佳世の絵画世界をお楽しみください。

皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げます。

☆なお、今回の展示作品の元となった名画の全ては、既に「著作権の保護期間」を終了しております。

2017年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

松田麗香 個展

2017年9月2日(土)〜9日(土) 11時〜18時30分
(日曜日も開廊いたします)


暦の上での立秋は過ぎ去ったとしても、なかなか夏のなごりが冷めやらぬ昨今です。
皆様に置かれましてはご清祥のことと、お慶び申し上げます。

9月の企画展、「松田麗香個展」を開催いたします。
松田麗香は1982年、兵庫県神戸市に生まれました。絵画への目覚めはとても早く“生まれながらにして・・”と言うにふさわしく、すでに関心の深さは幼少の頃からのようであります。2008年、女子美術大学大学院美術研究科美術専攻修士課程日本画を修了いたしました。  2015年「シェル美術賞本江邦夫審査員賞」、2016年「FACE展損保ジャパン日本興和  美術賞展優秀賞」と受賞を重ね、若いアーティスト群の発表につどう、ある意味での、檜舞台に躍り出てしまいました。
どちらかと言えば、社会に背を向けがちな内向きの繊細にして内省的な松田麗香が、一見コンペティションとは無縁な作風にも関わらず、他者との比較を通して自己を見つめ、絵画の社会的領域にメッセージを反映させた試みは、小さな驚きでもあります。
芸術家への啓示とは、才ある者は孤絶して一人で遠く光輝くのが常だから。と語られた先達の言葉が浮びます。松田麗香の作品はただ一つのタイトルしかありません。「そこにある それもまた」なのです。彼女が生まれるか生まれない時代の、ミニアリズムの新しい絵画の後継者のように、「そこにある それもまた」彼女への伝道なのか、と想像が膨らみます。平行線とグリッドを反復させる抽象表現主義的コアの部分が、臍の緒のように松田麗香の作品に付きまといます。連鎖は反復を呼び、反復はクールな色彩の波状効果となって、優美な生命感を湛えています。そこには、日本画の素材を十分に熟知した松田麗香の手法上のロゴスが静かに織り重ねられています。

 

皆様のご来廊を熱く希望いたします。
2017年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

仙谷裕美個展
会期8月21日(月)〜31日(木)

 


 

生井 巌 個展

2017年8月9日(水)〜14日(月) 11時〜18時30分
(日曜日も開廊いたします)

盛夏の候、うだる暑さと湿度に対抗しながら生活して行くのも
一興と考えて過ごすしかありません。
皆様に置かれましてはお身体を大切に涼しくしてお過ごし下さいますようお願い申し上げます。

2017年8月の企画展、「生井巌個展」を開催いたします。
生井巌は1941年、東京に生まれました。幼年時代から、絵画に対する興味と、眼力は途方もなく豊かでしたが、様々なる家庭的事情で数奇な運命に晒されながらも制作を続けてきました。よくぼんやりした子供を見て、たいていの大人が鈍頭の子と間違えるように、生井巌もその風貌にして、大人の昨今に至っても氏の画才を見抜ける人はそうありませんでした。あけすけに言ってしまえば、同時代の人は、美術の歴史的観点から考えてもほぼ名作は早世の芸術家か生前は無名か、天才は時代の流れと反比例していることはよく証明されています。
生井巌は1980年小松均先生に私淑、師事をいたしました。生井巌の作風にその陰影を見ることがあると言えばありますが、肉眼に写る影響と言うよりは、その画面に向かう小松均の「呼吸法」がある地点で合致しているように思えます。骨法用筆、気韻生動が伝授されたかもしれません。特に水墨、山水画にはその影響が強く見られ、豪放磊落に山岳を一口で飲み込み、繊細微妙な英知の線遠近法で風水木立をまるで口から骨を抜き取るような生井巌の独特の作風に組み立てられています。そしてまた、ホルスト・ヤンセン、ギュンター・グラスの作家とも共通したモノクロームの黒白の世界を人間的証明として、その時代を反映させるという意味で貴重な作品群となっています。

皆様のご来廊を熱く希望いたします。
2017年7月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

「しま」


藤田邦統 個展

2017年7月24日(月)〜8月3日(木) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

 


 

 


外は眩しすぎる
川合朋郎 個展

2017年7月12日(水)〜22日(土) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

湿度の高いこの季節、梅雨特有の重さを肌で感じます昨今です。
皆様に置かれましては健康にしてご清栄の事とお慶び申し上げます。

2017年7月の企画展、「川合朋郎個展」を開催いたします。
川合朋郎は2003年、東京藝術大学 大学院美術研究科 修士課程を最優秀で修了いたしました。祖父母の時代から受け継がれた屋敷の土蔵が、今も川合朋郎のうっそうとしたアトリエの一部と聞いております。氏と画廊との関係は、10年近くに及び数々あるエピソードの中でも、年にそう多くはない会話の中で、口重い川合朋郎の言葉の中に含まれる気魂と理想は時に画廊は励まされ、美術への希望を強く持つことに勇気をもらったりいたしました。今回の「外は眩しすぎる」はこれまでの静かな社会反省を促す謙虚な画風から少し積極的な、画家の使命感と混沌たる感性にやり場のない疑問に正面から答えなければならないという自らに挑んだ作風のように感じられます。
世相が多様に変化し、その変化を(情報)と言う、曰く言い難い便利の象徴が個人の所有となった今日、私たちは今までに経験したことがない多様な選択事項を突きつけられてきています。敏感な画家、苦悩する鬼才、時代を反映する川合朋郎の制作の軌跡を画面上に現出させています。『夜を抱え込む人』、『夕立ち』、『夜を吹き飛ばす人』に見られる人物表現の原初的人間の姿は東西を問わず神話と神秘の世界を行方なくさまよう画家、川合朋郎に他なりません。

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

2017年7月 吉日
NICHE GALLERY


 

渕上優子 個展

2017年6月26日(月)〜7月1日(土) 11時〜18時30分
          

梅雨の候とは言え、らしい雨もなく青空の中に湿度を帯びた空気が漂っています昨今、
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

6月最後の企画展、2014年に続き、第二回の「渕上優子個展」を開催いたします。
渕上優子は九州福岡に生まれました。前にも述べましたが、天然流の人柄と理数科系の頭脳を併せ持ったアーティストであります。国立九州大学理学部で生物学を学び卒業。そして、愛知県立芸術大学の油彩画に入学して、1991年にはアメリカ、ジョージア州のサバンナ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程を修了、奨学金まで受けました。にも拘わらず、これだけ多くの教育機関から学習した痕跡が作品のどこをどう見ても見当たらないという不思議なアーティストでもあります。天然自然の感性だけがそこに横たわっていて、ただただ制作する高揚感を、彼女だけに見える希望に向かって制作を続けているようにも見えます。今回は、人の顔に着目した作品が並びます。彼女は意識の中にあるか、無意識か、女性の顔面アップに魅了されて、その色彩と形に揺れながら果てるともなくいざなわれています。かつての貝殻シリーズから「女の顔」のシリーズへの移行の必然性が何なのか、そしてその顔面もいずこへともなく過ぎ去って行くものなのか、渕上優子の自覚の動機さえ解りません。解るという事実よりも、その意識の内側を筆致する渕上優子の眼力こそが彼女の真実だと考えられます。理解の不可視の彼方に光るよりどころこそ、画家の視界に反映する絵画的社会性と言えるかもしれません。

皆様のご批評とご支援を心からお待ち申し上げる次第でございます。

2017年6月 吉日
NICHE GALLERY


 

酒と薔薇の日々 
溢れだす光と影

熱田隆一 個展

 

2017年6月19日(月)〜6月24日(土) 11時〜18時半

日差しが日々強くなり帽子や日傘が必要な昨今でございます。
皆様にはご清祥のことと、お慶び申し上げます。

2017年6月の企画展、第一回目の熱田隆一、サブタイトル「溢れだす光と影」を開催いたします。熱田隆一は1940年、東京に生まれました。最初は、重工業、造船業の会社に勤務しましたが、36歳の時、発心したかのように画家の道を進みだしました。世の中で 言われるように、画家としての人生の選択は熱田隆一にとって、それ相応の決断と覚悟が 二重三重にあった事と推測できます。熱田隆一は人に恵まれました。若かりし時代、自由美術、主体美術、井上長三郎先生や森芳雄先生など師と呼ばないまでも小さな批評会などの「縁」が今日の原点を作っているように感じられます。とは言え、熱田隆一その人は遠目にも近くても、その風貌はさらさらとして画家の風格が漂っています。熱田隆一の絵画が「酒と薔薇の日々」と夢に馳せ想いを募らせて、一輪の花さえ物語性を炊き込める力量を持っています。突然に、熱田隆一は一言で言えば俵屋宗達の絵画こそ私の理想であり、その空間意識と創造性が私のすべての創作の源かもしれない”と述べました。風神、雷神の構成力、ヨーロッパ古典絵画への憧憬、そして、熱田隆一による新解釈の具象画の情熱は冷めることを知りません。
上野の森美術館大賞展賞候補、損保ジャパン「フェイス展」への出品と昨今の実績はその積み重ねられた制作の軌跡をよく物語った産物と言えます。

皆様のご批評を心からお待ち申し上げます。     

2017年 6月 吉日
NICHE GALLERY


 

聖なるもの (生命の根源)
廣田眞一 個展
2017年5月23日(火)〜5月28日(日) 11時〜18時半

 

青葉香る爽やかな昨今、深呼吸すれば新鮮な空気が体内に伝わる
素晴らしい季節でございます。
皆様にはご清祥のことと、お慶び申し上げます。

2015年の「在るの光景」から2年、5月の企画展、廣田眞一個展「聖なるもの(生命の根源)」を開催いたします。廣田眞一は1952年、京都に生まれました。若い頃から画家への情熱は人一倍強く、近年は自主運営の会社と同時進行で本格的な制作活動に入っています。仕事はもちろんのこと、何よりも誠実な人間力が廣田眞一の本質でもあり、やはりポール・セザンヌからの影響は計り知れないものがあると聞いています。今回のサブタイトル、「聖なるもの(生命の起源)」は、不器用にして山頂に挑戦する実直な登山家の心情を描き現しているような回帰的風景画が展開します。
“太古から人は様々なものに聖なるものを感じてきたように思います。それは必ずしも神仏に限らず、存在感ある山だったり、路傍の石だったり、また身近な家族だったり、努力だったりと。その感覚が失われていくと寂しいです。聖なるものはまた生命の根源でもあるように思います。”
と廣田眞一は断言しています。廣田眞一の絵画には、意思が固く閉ざされていて自我の喪失、憧憬、畏怖と言ったものが、混然一体となって画面上に声なき声を上げて浮遊しています。時々に見られる人物描写が自画像のような筆致で描かれており、画面全体を覆い尽くす象徴的人物のメタファーがことのほか印象的な作風となっていますす。
皆様の視界にどのように反映するか、興味を持ってご鑑賞頂きたく思います。

皆様のご批評を心からお待ち申し上げます。     

2017年 5月 吉日
NICHE GALLERY


 

Plethora and a Quiet World
豊穣と静かなる世界

ヤン・ヴァリック個展

 

 

2017年4月24日(月)〜4月29日(土) 11時〜18時30分
アーティストトーク  4月25日(火)17時〜

 

花香る昨今、暖かい空気と季節の移り変わりを実感できる毎日でございます。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。


4月の企画展、「ヤン・ヴァリック 個展 ―豊穣と静かなる世界―」を開催いたします。
ヤン・ヴァリックにとって当画廊での初の個展であります。ヤン・ヴァリックは1987年、
スロヴァキアの首都プラチスラヴァに生まれました。2007年、チェコのプラハ芸術アカデミーにて絵画や写真、インスタレーション、ビデオのメディアアートからパフォーマンスまで視覚表現の可能性を学びました。2012年同大学院修士課程を修了しました。
遠い異国の地に育まれた彼が何ゆえに日本に興味を持ったのでしょうか?日本への興味は、様々な日本の伝統文化や、若者らしい日本の古武道への関心から発露したと聞きました。その後滞在制作やワークショップ参加のために何度か来日し、実際に人や暮らしに関わる中で更にその気持ちを深めていったのではないかと思われます。
ヤン・ヴァリックの作品にみられるアンフォルメルの色彩と形は、遠くロシアンアブストラクションの伝統というよりもヨーロピアンアンフォルメル、そして日本的混沌の絵画空間の影響を強く受けているように思えます。大きくふるった大胆なストローク、小さな色彩による抒情性、全体的空気を読み切ろうとする山水画や水墨画の「間」の感覚。こう言った東洋的視点がヤン・ヴァリックの作品に天然自然流の爽快感を与えています。

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

 

2017年4月 吉日
NICHE GALLERY


 

Objects with undefined purpose
あいまいな目的の行方

 

ヴェンツィスラヴ・ディコヴ個展

2017年3月27日(月)〜4月1日(土) 11時〜18時30分
オープニング レセプション  3月27日(月)午後5時半〜午後7時

やっと春らしい花の香りがうっすらと漂う昨今
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

3月の企画展、「ヴェンツィスラヴ・ディコヴ個展 ―あいまいな目的の行方―」を開催いたします。ヴェンツィスラヴ・ディコヴはブルガリアに生まれました。独学で油絵を学びました。そのカテゴリーは多様で、具象的心象風景もあれば、抽象的構成主義のユニークな油彩もあります。また、粘土を使った彫刻も彼の多芸に秀でた一面を物語っています。過去15年の間に、ブルガリア、フランス、ドイツ、スペインをはじめ数多くの個展をヨーロッパを中心に活動の場を広げています。
ニッチ・ギャラリーでは初めての個展であります。ブルガリアの首都ソフィアや黒海に面した都市、ブルゴスとのご縁は深くアネリア女史の運営するIkar Galleryとは大変に親しい関係にあります。2008年芸術家の交流展を始めとして、文化的意味を深めながら何度も展覧会を実行してまいりました。今回の個展、ヴェンツィスラヴ・ディコヴの個展はそのアネリア女史の依頼による交流展の一つでもあります。ヴェンツィスラヴ・ディコヴはその風貌同様、ボヘミアン的雰囲気を漂わせ、スケールの大きな悠久とした雰囲気があります。とは言え、繊細な感情と作品に見られる、慈愛のあるフォルムとエスプリの効いた作品群は涙を見せながら微笑んで見てしまうような、幸福と悲哀の入り乱れた独特の芳香を放っています。

今回の来日を縁に皆様との暖かい交流とご批評を心からお待ち申し上げる次第でございます。

 

2017年3月 吉日
NICHE GALLERY


 


現代型進化論
KROUD個展

 

2017年3月20日(月)〜3月25日(土) 
11時〜18時30分

 

わずかながら薫風香る昨今、やっと寒さから解放されそうな毎日です。
皆様に置かれましては穏やかな日々をお過ごしの事かと推察申し上げます。

 

3月の企画展、「KROUD個展 −現代型進化論−」を開催いたします。KROUD、本名平野千明は1983年神奈川県横浜市に生まれました。今回はユニークな切り絵の展示で、当画廊ではKROUDは初めての個展であります。切り絵は、独特で白黒の紙を重ねて鋭利な刃物でKROUD特有の絵画空間を現出させます。独学とはいえ、2012年その制作から写実的疑問が生まれもう一度初心の出発点を見据えて新しい制作の活動に入りました。「現代型進化論」がその新しい切り絵のテーマであります。2012年、KROUDはニューヨークに移住しアートの活動を展開、同年Jadite Galleryにて個展を開催、ニューヨークタイムズから取材を得るなど高い評価を受けました。その「現代型進化論」の切り絵の理論武装の中でダーウィンの言葉をKROUDは引用しています。“いかなる原因で生じた変異であろうとも、その種の個体にとっていくらかでも利益になるものなら、他の静物や自然環境との微妙な綾の中でその個体の生存を助け、子孫に受け継がれることになる。いったん異変を生じ始めた生物は、一般に何世代にもわたって変異を生じ続ける。”とダーウィンの進化史とKROUDの制作との接点は、「紙による機械的表現・無機物と有機物との融合は現代社会に対する一種の教訓的表現です」。と断言しています。

 

このユニークな切り絵のKROUDを理解していていただき、皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2017年3月 吉日
NICHE GALLERY


 

憧憬の心に映る風景
柿崎覚 個展

2017年2月28日(火)〜3月10日(金) 
11時〜18時30分


春の嵐にも似た強い風が吹き荒れます昨今、三寒四温の春の訪れが待ち遠しい毎日です。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

3月の企画展、「柿崎覚個展 − 憧憬の心に映る風景−」を開催いたします。
柿崎覚は1981年東京に生まれました。2010年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し2012年同大、修士課程を修了いたしました。柿崎覚の風景画は、“単純に自宅近くの新宿御苑を テーマにした近代絵画の印象派のように見えます。うつろう光の陰影、空気に漂う匂い、耳を打つ  木立のそよぎ、五感に感得される印象を疑いもなく描くことに専念しています”と2015年に述べましたが、徐々に作品は変化を遂げ、進化しています。近年は、風景の中に水辺が現出したり、遠景に小さな建物が現れたりして、水面には空の反映が強調されています。柿崎覚自らの自然観照における  オアシス的存在のイリュージョンの描写のようです。建築物はある種の理想が描かれている気配で、若い柿崎覚の未来を予感させる理想が、未知の家庭に対する希求の気持ちも溢れているように見えます。しかし、直観を信じて言えば、彼の作品群には何のメタファーもないかもしれません。柿崎覚は抒情的画家でもなければ、叙事的な筆致に身を置いてるとは到底思えない。代表する影響下の画家を尋ねたら、セザンヌと言う言葉がぽんと出てきました。今流のアーティストから言えば、あきれて、 ダサイと思うかもしれない。しかし、柿崎覚のこのダサイ!こそが今流の具体的には述べませんが 理論的武装もなく、時流に翻弄される精神的軟弱な作品群と比べれば、志の高さは相当に違います。柿崎覚の作品をもって、新鮮な森林浴の至福を感じていただきたく思います。

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2017年2月 吉日
NICHE GALLERY


 

「娑羅双樹の花の色」
田村佳丈 個展

 

2017年1月23日(月)〜28日(土) 11時〜18時30分

 

初春のお慶びを申し上げます。今年も皆さまのご多幸とご健康を祝し、
今年もよろしくお願い申し上げます。


1月最初の企画展、「田村佳丈個展 −娑羅双樹の花の色−」を開催いたします。
田村佳丈の個展は今回で二回目であります。田村佳丈は1979年、山梨県富士吉田市に生れました。2012年武蔵野美術大学大学院造形研究科を修了し、現在は美術教諭のアシスタントをしながら、本格的な制作活動を行っています。中学時代に見た副読本の安田靫彦の叙事的歴史画にことのほか感銘を受けたことが画家への道に進む決定的理由と伺っています。そして、前回は子規の名歌を小林秀雄先生の「平家物語」の最初の一説として「先がけの勲功立てずば生きてあらじと誓へる心生食しるも」叙事的美しさがよく伝わりますと、述べられました。  私には本当のところ、ぼんやりた頭脳のせいもあって想像力に乏しく「誓へる心生食しるも」が理解できませんでした。しかし、田村佳丈の絵画、合戦図に照らし合わせればこの文章が隅々行き渡っていることがわかります。時代を超えた彼のコンテンポラリー歴史画の様相がここにあります。田村佳丈のたどたどしい筆致が、稚拙なお坊様の読経が、流暢よりもありがたい深淵の声に聞こえる如く、「娑羅双樹の花の色」のように田村佳丈の絵画はさらさらとして悲愴の感も薄らいでいます。迎春の企画展に相応しい日本の男の本懐と映る筆致に見える思いです。

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2017年1月 吉日
NICHE GALLERY


地球儀の燃料
上田暁子 個展


2016年12月19日(月)〜12月28日(水)11時〜18時30分

日曜日は休廊いたします。

師走の候、一段と冬の冷たい風が吹き始めました。
お身体を大切に、暖かくしてご無理のないようにお過ごしくださいませ。
今年も一年の間、大変お世話にな感謝申し上げます。

 

2016年、今年最後の企画展、「上田暁子個展 地球儀の燃料」を開催いたします。
上田暁子は京都に生まれ、長野県で育ちました。2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業しました。それから約9年、上田暁子の制作活動はVOCA展での「大原美術館賞」受賞を含め多数のコンクールでの受賞の実績を残しております。2013年Cite Internationale des Art (パリ/フランス)のアーティストレジデンスの体験も、彼女を飛躍させる一つのヒントを与えたようです。以前にも述べましたように、上田暁子のサブタイトルはどれを取ってもシンガーソングライターの爽快なリズムの歌詞によく似ていますが、その作品群は一層濃密になり社会性を伴ったメッセージの制作になっています。今回のサブタイトル、「地球儀の燃料」は、知人の言葉にヒントを得た発想のようですが、こうした、ほんの瞬時の感性が上田暁子特有の本能的美質とも言えます。「絵画」という領域で無機的な動かないものさえ、たとえば、地球儀を動かす力が芸術的引力に導かれる人間の力なのか、芸術的熱風が人間の背中を帆に見立てて押し上げてくれる力なのか、人間と絵画との関係を、上田暁子の作品群は一つ一つその例題を解析して見せているかのように思えます。幾多の画家が挑戦した新しい絵画のルートを、またここに、平面の可能性を信じて上田暁子のキャンバスへの登攀が始まりました。

皆様の御来廊と暖かいご支援をお待ち申し上げます。

2016年12月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

        
見つめる
仙洞田文彦 個展 

2016年12月5日(月)〜10月10日(土)11時〜18時30分

初冬の候、一段と寒さが増し木枯らしが吹く季節になりました。
お身体に注意されて楽しい一日をお過ごしくださいませ。
皆さまのご多幸とご健康をお祈り申し上げます。

12月の企画展、「仙洞田文彦 個展」を開催いたします。仙洞田文彦は1978年、東京に生まれました。2003年日本大学芸術学部美術科、大学院を修了しました。2005年から2009年まで中国の高名な中央美術学院研究院、崔暁東教授のもとで中国絵画の研鑽を重ねています。ニッチ・ギャラリーでは、2015年の個展に続き三回目の発表となります。今回、約30点の展示は、水墨画、水彩画、風景画と純粋、率直な若い作家らしいほのかなアイロニーを持った、感性をのぞかせています。仙洞田文彦は、東洋画の形式を取りながら意識は絶えず、墨という伝統的素材ですが現代的視点を失いません。彼の言葉では、“水墨画と言えば何かと古典的モチーフに偏りがちですが、自らの制作を現代という位置に置き換えた時、大きな要因として原発風景がモチーフになりました”と述べています。そして、また、彼の制作の領域の広さは、どこから来るのでしょうか?雄大な阿蘇の山、見慣れた家並み、そして、愛くるしい、ふくろう・ペンギン。仙洞田文彦の視界のモチーフは愛情に満ちています。
”5%のポップを忘れないように”自身の作品につぶやく仙洞田文彦の合言葉のようですが、若いアーティストのライフスタイルを見る思いがいたします。これを昨今の流行語で、ヤバイと言うのでありましょうか?

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

2016年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

稗田阿礼、かく語りき
矢澤健太郎 個展

 

 

2016年11月14日(月)〜19日(土) 11時〜18時30分
          

秋深まる中、背中を丸くしたいような風が、一段と冷たく感じる昨今
皆様におかれましてはご清栄のことと御慶び申し上げます。


11月の企画展「矢澤健太郎個展」を開催いたします。矢澤健太郎は1960年長野県に生まれました。1988年東京芸術大学大学院、油画技法材料研究室を修了し、現在は新制作協会会員としても活発な発表を続けています。


当画廊では二回目の個展であります。矢澤健太郎の作風は、一回目に引き続き、サブタイトル「稗田阿礼、かく語りき」と同じでありますが、以前にも述べました通り日本書紀と古事記の神話に題材を採り一遍一遍の物語を矢澤健太郎的解釈の中で描きあげています。とは言え、  その内容と考証は自己流に陥らずことのほか精密で、納得のいく説話理論を展開しています。西洋の画家がギリシア神話に求めるように日本的神話の世界を神妙をもって造形世界に作り替えました。しかし、時には、その主役の人物像が作者本人に成り替わる奇妙奇天烈な自己演出の楽しい画面空間も忘れなく創造しています。どちらにせよ矢澤健太郎の異才を放つ数々の 作品群が日本の黎明期を支えた最も古き時代のモチーフであることは間違いありません。どこから来るのか!!その真新しい発想と、ユニークな哄笑の表現力は矢澤健太郎の独壇場と言えます。

 

 

皆様の御来廊と暖かいご支援をお待ち申し上げます。

 

2016年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

幸福な選択


大川 心平 個展 
2016年10月25日(火)〜11月4日(金)
11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 


晩秋の候、くっきりと冴え冴えとしたお月様を見ることができました。
空気が澄み渡り素肌に心地よい昨今です。
皆様におかれましてはお清祥のこととお慶び申し上げます。

 


2016年10月最後の企画展、大川心平個展「幸福な選択」を開催いたします。
大川心平は1983年、東京に生まれました。2009年東京芸術大学美術学部大学院修士課程を優秀な成績で修了いたしました。大学入学以前から、そのたぐいまれな描写力と構成力は進化を遂げて、さまざまな制作の視点移動でとらえられています。2015年のサブタイトル「絵画風景」では一種バルビゾン派の技法を駆使したり、ネーデルランド風の空間処理が試みられたりして、不思議な絵画空間を提供してくれました。今回の「幸福な選択」は過去に回想を巡らす大川心平独特の愛苦しいアイロニーを伸びやかなタッチで描きました。その感情の動きを現実の瞬時に巻き戻す技術力は圧巻であり、逆説的メタファーをかけた新しい世代の具象的絵画と言えます。後姿として登場する子供の幾人かはきっと作家自身の投影でありましょう。大川心平はシャッタースピードをスローにして8ミリカメラに自分自身を映し出す様に描いています。若い作家に見られる二極化した技法の一方は、絵筆を持ちキャンバスに制作の情熱を傾け、今一方は、コンピュータ操作の中でバーチャリズムの現実を浮遊しながらイメージの焼き付けに翻弄しています。この二極化の今までにない極端な振幅がこれから先のアートシーンのターニングポイントの焦点のように思います。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2016年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

郊外にみる風景 
坂口竜太 個展

2016年10月12日(水)〜10月22日(土)11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

神無月とはいえ、一向に秋らしい気候になりませんが、
早く爽やかな天気が待ち遠しい昨今であります。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

10月の企画展「坂口竜太−郊外にみる風景」を開催いたします。
坂口竜太は1978年、岡山に生まれました。武蔵野美術大学油絵科を卒業し、07年シェル美術賞での受賞や、09年岡本太郎現代芸術賞のグループ展などを経て現在まで活動しています。今回の展覧会サブタイトルは「郊外にみる風景」になりました。日々の暮らしの中にある郊外のアトリエでふとした絵画的発想と疑問がモチーフの原点を支えました。数年前に比べれば、多少、作家としての実感と余裕ができたのかも知れません。また、彼の言葉を借りれば「創造の理念から言えば、絵画的イリュージョンと、空間的イリュージョンの二つを主軸と考えています。その二つの中庸の位置で見えてくる実像を、具象でも抽象でもなく描いてみたい」と述べました。絵画的イリュージョンとは、色彩を中心とした作家自身の視界解釈のことで、  空間的イリュージョンとは、美術史に裏付けられた画面構成を中心とした美的調和のことかと推測しております。なによりも、思考する画家であることは最も大事なことで、坂口竜太本人が実感を持って制作に挑戦する姿こそ頼もしいことと思う次第であります。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2016年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

 


肖像画的風景 その2
西村冨彌 個展

2016年10月3日(月)〜10月10日(月)

11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

 

神無月の候とはいえ、なかなかすっきりした月も見えなければ、晴天にもなりません。
早く秋晴れが見たいものでございます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

10月の企画展「西村冨彌個展−肖像画的風景 その2」を開催いたします。
8月の個展に会場の都合上並べきれなかった、特に水彩、ガッシュ、テンペラの作品を追加の形で今回の展覧会を企画いたしました。今回、その2も私が縁をいただいた方々の肖像画も含まれています。回想と現実を取り混ぜた時空を飛び越えた時間軸では計れない人から人の表現であります。外国の方も登場すれば、この世に存在しない人間も描きました。抽象的人間と言えるかもしれませんが、しかし、その原型は実在の私の知人の誰かでもあります。追憶意識と言うにはあまりにも現実的で、回帰意識と言うにはあまりにも今日的すぎる、 凡庸ながらも私の筆に乗せて、絵画の正体を解き明かしたく出品した次第であります。

 

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

 西村冨彌

2016年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

ほんとうのこと

遠崎高平 個展

2016年9月26日(月)〜10月1日(土)11時〜18時30分

    

 

皆さまのご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2016年9月 吉日
NICHE GALLERY

  


 

 

  
あさきゆめみし
中村咲子 個展

 

 

 

2016年9月19日(月)〜9月24日(土)11時〜18時30分

               

台風が矢継ぎ早に日本列島に襲来する昨今、
気候温暖化の深刻な問題を一人ひとりが熱心に考える時代になりました。
皆さまに置かれましては、ご清祥のほどとお慶び申し上げます。

 

9月の企画展「中村咲子 個展」を開催いたします。中村咲子の個展は初めてであります。
中村咲子は山形県南陽市に生まれました。旧家の実業の家系に生まれた彼女が、山形という風土性の強いこの地域での数々のアニミズムの体験は想像以上のものだったと思われます。幼年期の多感な彼女は神仏や民話のいろいろな言い伝えを聞いては「目に見えない何か」を実感しないことはなかったと述べています。2009年、多摩美術大学造形表現学部造形学科油画を卒業しました。その後、国内のコンクール、海外のアートフェアを中心に上海、香港、韓国、ロスアンゼルスと制作発表の領域がますます拡大しています。中村咲子の作風には、民話に題材を採った曰く言い難い古典的内容の記憶と感覚から来る語り部としての画家の態度がうかがえます。また、一方の豚シリーズの興味をそそる数多くの作品群は中村咲子独特の画家の視線に縁どられています。誰もがいつでも気楽に食する「豚」をフォーカスして、ある敬意と、憧憬と、食の感謝を含めた複雑な感情を真剣なるユーモアに仕立てあげて描きました。誰もが忘れかけている日々の食への感謝を、彼女は明確なる必然性をもって ユニークに描きました。ここに、中村咲子の異才の妙があります。

 

皆さまのご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2016年9月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

 

「暗くて長い廊下」

井元千香 個展

 


2016年9月12日(月)〜9月17日(土)11時〜18時30分
               

 

立秋がとうに過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続きます。
日本列島の上に立ち込める雨の雲がいつ鰯雲の秋晴れになるのでしょうか?
皆さまに置かれましては、ご清祥のほどとお慶び申し上げます。

 


9月の企画展「井元千香個展」を開催いたします。
井元千香は和歌山県に生まれました。ニッチ・ギャラリーでは第一回目の個展であります。2004年、多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業しました。上京して約10数年、美大生からの社会への出発は画家として認知されるまで幾つかの困難を乗り越えなくてはなりません。2015年損保ジャパン主催の「FACE展」に登場し、続いて2015、16年 「上野の森美術館大賞展」の出品と次々に能力を発揮しました。井元千香の感性にやっと磨きがかかり、小さな画才の種に社会の滋養水が注がれつつあります。青々とした葉が広がり、必ずや近い未来花を実らすことが想像できます。一体、どんな花であり、どんな実を結ぶのでありましょうか?井元千香の脳裏には絶えず郷里があり、和歌山の原風景は都会の様相とは全く異なる田舎と聞いています。幼いころ能面にいそしむ父親からの影響は大きく、美術の世界に踏み込む要因の一つでありました。日中の強い光のコントラストと夜の漆黒の闇は、幼い井元千香にとって歓喜と恐怖の世界を想像するのに十分な実家の原風景と考えられます。今回のサブタイトル、「暗くて長い廊下」は実家の廊下で彼女の画題を生むに十分な、そしてその延長上に今の作風が連なるかに見えます。こうした幼い淡い体験が井元千香の テーマなのか、 静寂な日常と非日常の狭間を井元千香特有の繊細な筆致で丁寧に描き重ねています。

 

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

 
2016年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

「1こ・1つ・1まい」
平林千明 個展

 


2016年9月5日(月)〜9月10日(土)11時〜18時30分
オープニングパーティ 初日9月5日 17:30〜19:30
               

 

立秋がとうに過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続きます。
つくつくほうしもことのほか喉がガラガラになって鳴いております。
皆さまに置かれましては、ご清祥のほどとお慶び申し上げます。

 

9月最初の企画展「平林千明 1こ・1つ・1まい」の個展を開催いたします。平林千明は1987年神奈川県鎌倉に生まれました。小学校2年から中学校1年までは長崎県の大島で育ちました。その後、東京での生活が始まりますが、2010年多摩美術大学絵画学科で油画を専攻し、卒業しました。ニッチ・ギャラリーでの個展は初めてであります。2010年、2012年のグループ展は緻密で彼女らしい独特の作風を発表し新人らしい息吹を感じさせました。2015年、2016年「シェル美術賞」、「上野の森美術館大賞展」、賞候補など目覚ましい制作活動が続いています。今回のサブタイトル「1こ・1つ・1まい」は大変ユニークで彼女の作風の原点をうまく表現しています。ものの持つ個体の原点を人間である我々がどのように名称づけるかを絵画的思索の中で彼女流の形態造形としてとらえています。美的解釈はもちろんのこと、そこには現代人の持つエコロジカルなしなやかな視点を感得することができます。

 

 

皆さまのご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

2016年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

うつろうさきのけしき
深澤健作 個展

 


2016年8月22日(月)〜8月27日(土)11時〜18時30分
     

          

暑中お見舞い申し上げます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。
連日酷暑が続きますので、お身体を大切にゆったりしたお気持ちで
お過ごしくださいますようお願い申し上げます。

 

 


8月の企画展「深澤健作個展−うつろうさきのけしき」を開催いたします。
深澤健作はニッチ・ギャラリーでは最初の個展であります。深澤健作は1978年東京に生まれました。2006年東京芸術大学大学院美術研究科を修了し、その後2007年から 2009年まで同大学の油画技法研究室で助手を務めました。
サブタイトル「うつろうさきのけしき」は日常的では「物」や「風景」を表面的な形態、あるいは名詞的な認識で捉えることが多いのではないでしょうか、と述懐しています。若い画家にありがちな原初的疑問は作品をして、抽象的な筆致で具象的なモチーフを形どりました。モチーフは単純な美しい硬質なクリスタルの描写であります。この作風に流れる全体的イメージは、深澤健作の子供の頃の体験や風土性に影響を受けた、透明な輝き、あるいは  ガラス細工の透き通る美しさの中に、自己投影を顧みるような思いがあったと回想しました。うつろうというその実態のない不確かな物体を、その周辺の風景と捉えるところに拡大微小の絵画的発想が垣間見られます。深澤健作の手法の一つに、音楽性を伴ったリズムの厳密な描写が、諧調を取りながら流れるようなタッチに変貌していく平面は、この上なく美しい美の領域をひろめました。絵画的視点をこの若さにして獲得しているという意味において、 画才に恵まれていると言わざるを得ません。深い奥行と美しさを秘めた硬質な光の反映が、具現的な空間造形となって表出しています。

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

 
2016年8月 吉日
NICHE GALLERY


 

肖像画的風景
西村冨彌 個展

 


2016年8月1日(月)〜8月13日(土)11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

暑中お見舞い申し上げます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

8月の企画展「西村冨彌個展−肖像画的風景画」を開催いたします。


美術の潮流は昨今のように混沌として濁流にもなれば、奔流のように激しく、社会を反映します。アメリカの抽象表現主義が日本にも取り込まれ40年以上、抽象と言う絵画が行き交う中、私はそれなりに新しい具象的絵画を制作しましたが、ちっとも相手にされませんでした。それでも、それとなく私を拾ってくれたギャラリストが“一周遅れのトップランナー”と称してニューペインティング、フィギュア、アジアンポップと具象的内容の波がアートシーンを圧巻している時には、もう私は若くはなく具象系絵画の大波を白髪頭にかぶる羽目になってしまいました。私個人の能力の問題とはいえ、置き忘れられながらも、一生描き続けていると案外美術の波の周期も、地球上の波の起こる原因とよく似ていることがわかります。今回は、私が縁を頂いた方々の肖像画を描きました。回想と現実を取り混ぜた時空を飛び越えた時間軸では計れない人から人へ、その昔の肖像画を辿って行くと、ある瞬間、ぽっかりと私自身のきのう・きょう・あすの作業場に到着するのです。回帰意識と言うにはあまりにも現実的で、予知意識と言うにはあまりにも真実過ぎる、絵画の正体を知る思いであります。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

西村冨彌
2016年7月 吉日
NICHE GALLERY



八木なぎさ 作品展


2016年7月19日(火)〜29日(金)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します


一段と日の光が肌身に強く感じられる昨今、夏の暑さと強さと怖さが身に沁みます。
身体を大切にいたわりながら、健康に留意してゆったりとした気持ちで日常を
過ごしたいと思います。

 

7月の企画展、「八木なぎさ作品展」を開催いたします。
八木なぎさは神奈川県横浜に生まれました。1985年女子美術大学芸術学部洋画専攻を卒業し、1987年多摩美術大学大学院美術研究科(版画)を修了しています。1989年から1990年まで小作青史先生の元で凹版の平版刷り技法を研修し、現在は女子美術大学短期大学部教授として後進の指導にあたっています。
いつものことながら、八木なぎさの作品の意識下にある形而上的モチーフは30年近くを経てなお進化を続けています。今回の作品も彼女特有の「黒」を中心としたリトグラフは言うまでもありませんが、その黒い空間に潜む新しい呼吸とも言えるイリュージョンに 不思議な人間的リアリティが付け加えられました。それは、哲学的発想はもとより、八木なぎさにとっての対社会的事情が黒の存在の中に、一つの吐息のように見え隠れしながら現出しています。「巡礼」の作品にみられる小さなゴマ粒のような人らしき影は何に向かう巡礼でありましょうか?「澱み」に見られる端正な円盤状のフォルムは何が、澱みと関係があるのでしょうか?そして、八木なぎさは、見る人々にその回答を求める代わりに、  静かに社会正義の問いかけを他者と作者の対話として表現しました。八木なぎさにとっての黒の色彩感覚は有彩色を否定したという意味において、色彩と形態を一瞬にして焼き切ってしまうほどの強靭さを感じます。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

2016年 7月 吉日
NICHE GALLERY


 

まだ見ぬ世界を知るために
川合朋郎 個展

 

 

2016年6月13日(月)〜23日(木)
 11時〜18時30分

(日曜日は休廊いたします)

初夏の候、一段と日の光が強くなり雨雲が梅雨の季節を呼んでいる昨今です。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

2015年個展「人々は議論に夢中で誰も自然の美しさに気づかない」から1年、今年は「まだ見ぬ世界を知るために」というサブタイトル、ニッチギャラリー7回目の個展であります。果敢で精力的な川合朋郎の制作の意欲がここにあります。前回“オルターモダンのアートシーンの中にあって、孤絶の態度を取りながらも私たちに静かな社会反省を促す謙虚な意見としての作品群”と述べましたが、今回はより一層進展した現在に限らず過去にさかのぼり、未来を見つめ、時空を超えたある永遠性をテーマに伸びやかな筆致が見られます。たとえば今年度のVOCA展に出品した大作“星夜”はただ単に天空の空に星が散りばめられて描かれてあります。前景のイエローオーカー系の色彩は地球上を連想させ、その彼方に星空が横たわっています。しかし、その点描された星座をその昔の海図のように繋ぎ合わせると、途方もない人間の顔らしき人物が浮かび上がります。地上を見つめる何光年と拡大された人間の顔と、地上から眺め、この気の遠くなる距離感を川合朋郎は、芸術家の「目」として描きました。社会性、時代性、現代性の問いかけはよく芸術の俎上に上りますが、宇宙に着目した絵画の空間解釈はそうたやすくは見つかりません。川合朋郎の非凡性がここにあります。

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2016年6月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

 

森 美恵 個展

2016年5月23日(月)〜5月28日(土) 
11時〜18時30分
           
桜の花から新緑の青葉のそよぐ季節に変わります。爽やかな風が心地よい昨今、
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

5月最後の企画展、「森美恵個展」の第二回展を開催いたします。

森美恵は東京、世田谷区に生まれました。国立千葉大学工学部工業意匠学科でデザインの 基礎を学びました。前回にも述べましたが、幼年の頃はお母様の物づくりの影響があって、図画工作が大好きで、少女時代は立体制作を展開する美術の大好きな子供のようでした。
今回の発表は多数が新作で、和紙を生かして素材の探究を動物や風景をモチーフにした具象的表現と、まったくシンプルな幾何学的フォルムの抽象的表現の対極にある二つの表現を発表しています。モチーフはともかくとして、ちぎり絵のちぎるという作業が筆を濡らしてちぎる、または剥す、その日本特有の和紙と言う伝統を繊細に受け入れ、またある時は対峙しながらちぎり絵の可能性に挑戦しています。森美恵は内省的作家で個性を主張する作家ではありません。和紙の柔らかさと、柔らかさの中にあるシャープな力強さをいち早く感得して、伝統性の中から彼女独自の静謐な感性を紡ぎ出しました。また、一方で、抽象性のある線から面、面から線と言った筆では描けない新しい現代的感覚のちぎり絵として思索を続けています。彼女の作品群の中に季節感が漂い、あるいは、時間の経過を如実に表現できる森美恵の人柄をしのばせる和紙との融合部分を垣間見る思いがいたします。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2016年5月 吉日
NICHE GALLERY


 

 


野花火 U
三村伸絵 個展

会期:2016年5月11日(水)〜5月20日(土) 11時〜18時30分
(日曜日も開廊いたします)

 

花薫る、爛漫の季節、空気が甘い香りを漂わせています。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

5月の企画展、「三村伸絵 −野花火U−」を開催いたします。
2005年のニッチ・ギャラリーの個展以来、当画廊では今回で5回目の個展になります。
三村伸絵は高校まで北九州で学び、長崎の伝統的な風土の中で教育を受けました。その後、  日本画の修業時代を東京で過ごし、制作活動は海外を含めて幅広く、東京を拠点に日々研鑽に努められています。


今回のサブタイトル、「野花火U」は一昨年の京王プラザホテルギャラリーの「野花火T」を引き継いだコンセプトの一つであります。作品内容は前回にも増してより華やかな「野花火U」となっています。全体に漂う数々の名もなき雑草と称する草花が、三村伸絵の手にかかると  たちどころに一つの人格を得た瑞々しい名花に変貌して、あるものは可憐な花、または清楚に、時にはゴージャスに多様な感受性があやとりのように組み合わされています。
一枚の画面に四季の花火の瞬間のような絵画世界を表出することに成功しています。一瞬を捉えたい衝動と、永遠に残しておきたい「間」の表現を“金雲”またあるところは“すやり霞”の草花で繊細な空間の解釈として成し遂げられました。そこには古典絵画から学んだ自然観照の祈りに近い日本人的感覚が見て取れます。

 

 

皆様のご来廊をお待ち申し上げております。

 

2016年5月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

 

2つ目の景色
井上ゆかり個展

2016年4月29日(金)〜5月5日(木) 
11時〜18時30分
(5月1日の日曜日は休廊いたします)

 

春風の候、ゴールデンウィークの休日が待ち遠しい昨今でございます。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

 

4月の企画展「井上ゆかり個展」の第二回展を開催いたします。
井上ゆかりは1979年、神奈川県川崎市に生まれました。2002年、東京家政大学家政学部服飾美術学科を卒業しました。現在は積極的に制作活動に情熱を注いでいます。2005年、Niche Gallery企画のアートコンペティションで「スカラシップ賞」を受賞し、それが一つの縁となって海外のアートフェアに参加するなど当画廊との関係が深くなっていきました。2011年から3回、上野の森大賞展賞候補となり、今年も出品を果たしています。2012年シェル美術賞奨励賞、2013年ホルベインスカラシップ奨励賞とやっと日頃の研鑽から新しい成果が生まれ、制作を持続する力がどれほど重要なのかを今更ながら認識します。
井上ゆかりの感性は当時からキラキラとしていたわけではありません。彼女自身の新しい発見と苦悩の繰り返しの中で彼女特有の感性が磨かれ鍛えられたと考えられます。昨今の作品群はかつての童話の名作からヒントを得たような甘さの残るモチーフとは違い、日常にのぞき見られるかすかな社会的問題、疑惑、歪み、それを井上ゆかりの画面上に濾過し小さな二重空間のメッセージに置き換えて、作家的責任を果たしています。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2016年4月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

 

 

2016年4月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

2016年4月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 


いくつもの空をつなぐ人たちの話
仙石裕美 個展

2016年3月23日(水)〜4月2日(土) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

春の気配が一段と濃くなりました昨今、
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

やっと襟元のマフラーが取れ、爽やかな風に身をゆだねることが出来そうです。
3月の企画展、「仙石裕美個展 −いくつもの空をつなぐ人たちの話−」を開催いたします。
仙石裕美は1982年埼玉に生まれました。武蔵野美術大学大学院中退後、パリ国立美術学校に3年間学びました。そのフランス留学の帰国後は「シェル美術賞」で受賞するなど積極的に美術界の若いアーティストとして活躍しています。今回のサブタイトル、「いくつもの空をつなぐ人たちの話」を仙石裕美は一つの文章として説明しています。一片を拾い上げれば『「空」は私にとって、外側に広がる物理的な世界・宇宙、であり、そしてまた内側に広がる精神的な小宇宙の象徴です。外側の世界・日常的な光景それらを描くことが翻って、ごく個人的な内省と響きあっていたり、ごく私的で小さな思索に思えたものが、集合的な世界の原理のようなもの(それを普遍性というかもしれませ)を引き出す、そんなことが画面の上で起こるのを待ちわびながら、絵を描いています』と、説明しました。
卒業して約10年、仙石裕美の創作の原点を垣間見る思です。そして、最後に『結局はそれは個人の一瞬や思考の集合だということです』と結びました。豊かな画才溢れる若きアーティストのこのような 理論武装が果たして見る方々にどのような反響とご批評を得ることができるでしょうか?楽しみにしております。

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

2016年3月 吉日
NICHE GALLERY


 

両岡健太 個展
「私の絵」

 

2016年2月22日(月)〜2月27日(土)
11時〜18時30分


如月の候、冷たい風の中にも時々春の気配を感じる昨今です。
まだまだ寒い毎日ですので、お体を大切に、ご自愛のほどお願い申し上げます。

 

2016年、2月の企画展「両岡健太個展 −私の絵−」を開催いたします。

両岡健太は、1981年埼玉に生まれました。2005年、多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業し、現在は制作を中心に活動範囲を広げています。
幼年時代の洗礼の体験もあってか、当然ながら聖書やギリシア神話に関心が深く、日本画の顔料を 用いながらフレスコ画のようなミックスメディアで宗教性のあるシンプルな作風から始まりました。その後、油彩画を用いるようになり、2014年「シェル美術賞」入選、2015年「上野の森美術館美術大賞展」賞候補など実績を重ね、両岡健太の特色が一段と色濃く反映されるようになりました。若者らしい、メタファーをかけた古典絵画の解釈や、宗教画のエピソードを多感な両岡健太はキャンバス一杯に表現しています。自分自身を揶揄する不安と憧憬を「絵画」つまり“私の絵”として巧みに表現しています。墜落する若者。部屋の壁にかかる巨匠の肖像画。密談するねずみたち。おののきと焦りと憧れの感覚がみずみずしい潤いとなってナイーヴな筆致を生み出しています。

 

皆様のご支援とご来廊をお待ち申し上げます。

 

2016年2月 吉日
NICHE GALLERY


 

明円 光 個展
「青い鳥」

 

 

 

会期:2015年12月14日(月)〜23日(水)
11時〜18時30分

日曜日は休廊いたします

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2015年12月 吉日
NICHE GALLERY


 

横井山 泰 作品展
「色香美味」

会期:2015年11月23日(月)〜28日(土)
11時〜18時30分
   

初冬の季節、吐く息もいくらか冷たい昨今、日々の暮らしの中に紅葉が降り注ぎます。
皆様におかれましては、ご清祥のこことお慶び申し上げます。

2015年11月の企画展、横井山泰作品展「色香美味」を開催いたします。
横井山泰は1976年、静岡県に生まれました。多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻を修了しています。2013年“10年たったのに”から丸2年。制作の成果を新しい新境地の作品群から見出すことができます。数多くの受賞そして留学を終え人生の一呼吸と言うところで横井山泰は休む暇もなく、情熱と精進を注ぎ込み日ごろの制作に余念がありません。今回のサブタイトル「色香美味」は法華経の中の一節で、横井山泰の解釈による宇宙観を彼特有のペーソスとユーモアを交えた現代絵画として発表しています。今回、犬に関する品が多いのは横井山泰が病弱な仔犬を健康な犬に育んだ小さな経験を通し命の尊さと、愛情ゆえの犬の表情から読み取れる世相観と芸術的着想を持って表情豊かに彼特有の画才を駆使して描きました。前にも述べたように、横井山泰の作風のルーツはその昔から、浮世草子、御伽草子の伝統を深く受け継ぐものとして現代美術にとっても貴重な存在と言えます。人間の解釈そのものが普遍的な日常観をテーマにしているところに「色香美味」の絵画として注目しなければなりません。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2015年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

今井陽子 個展
「えそらそうち」

2015年11月13日(金)〜11月21日(土) 11時〜18時30分
日曜日は休廊いたします


初冬の候、めっきり冷たい風に変化しました。 紅葉が目に刺さるような美しさです。
皆様におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

11月の企画展「今井陽子 個展」第二回展を開催いたします。
今井陽子は神奈川県横浜市に生まれました。1985年、東京藝術大学油画科を卒業しましたが、入学の希望動機に、「藝大に入学して、こんにゃく体操を習いたいという夢がありました」、と、なんだかよくわからない理由を述べてから、今回の展示まで過程はことのほか長い。混沌とした自己主張と自己欺瞞の葛藤の中からやっと彼女の描く蓮たちが端正な画風として誕生しました。それに伴い昨年から、発表の機会にも恵まれ「FACE展2015」、「第33回上野の森美術館大賞展」は大賞と賞を争うほどの優秀賞を獲得しました。今井陽子とて人の子、受賞して嫌な気持ちではないと思いますが、受賞よりももっぱら、彼女の最大の関心事は身体に伝わる絵画、頭脳ではなく体感を喚起する絵画の存在をどのように導き出すかに、躍起となっています。いかに静謐に、いかに自然の光の中から絵画の世界を発見するかに身を焦がしています。2013年のサブタイトル「えそらみつ」は彼女の造語で、「そらみつ」は大和の国の枕詞、「え」は絵空事の「え」と述べました。日本の文化や、芸能、自然の中にも神を見る宗教観に惹かれる気持ちをタイトルに表したかったと発言しました、「かるいそらおもいそら」、「時のめぐり水のめぐり」、今回のサブタイトル、「えそらそうち」は同様に絵画を体感する「そうちー装置」の形象に他なりません。今井陽子特有の画才が光り輝いています。

 

 

皆様のご来廊とご批評を心よりお待ち申し上げます。

 

2015年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

坂口 竜太 個展
「夜の灯りと鳥」

 

 

2015年10月26日(月)〜11月3日(火) 
11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

晩秋の候、少し秋の冷たい風が頬を伝わり、冬を迎える昨今でございます。
皆さまに置かれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

11月の企画展、「坂口竜太個展」を開催いたします。


坂口竜太は1978年岡山に生まれました。武蔵野美術大学油絵科を卒業し、数々の受賞を重ね、現在は制作と、母校の非常勤講師に加え「上野の森美術館」で美術の講座を担当しています。今回の展示、サブタイトルは、いつものユニークさに加え、「夜の灯りと鳥」であります。間接照明に映し出された壁紙の鳥がいかに、虚と実のリアル感を醸し出しているのか―――坂口竜太なりのロジックの展開がここにあります。少し詳しく述べれば、博物館にある古典的伝統絵画はストーリーがあって私たちにその観念の世界を提供しています。それに対して、現在制作している私たちの絵画は、自然模写が原点であるとは言え観念ではなくイメージのリアリティが主体であって、そこから発散する画家の感性の表現、と坂口竜太は断言しています。小さな絵は近づいて見れば、物質としての絵画の存在性を問い、大きな絵は離れてこそ、そのイマジネーションの実態が明瞭になるものとも述べています。彼の年齢で絵画の実態とその本質を解き明かそうとする努力は画才が無くては成し遂げられません。そして必死になって絵画の存在性を具現しようとする坂口竜太の試みが今回の展示であります。

 

皆様のご批評とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

2015年 10月 吉日
NICHE GALLERY


 

渡辺有葵 個展 

 私の呼吸は音楽と共に

 

 

 

 

2015年10月19日(月)〜10月24日(土) 
11時〜18時30分

神無月の候、すっかり秋らしい気配が漂っています。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 


10月の企画展「渡辺有葵個展」を開催いたします。
渡辺有葵は1981年、静岡県三島市に生まれました。2006年、日本大学大学院造形芸術専攻博士  前期課程を修了しています。現在は母校、日本大学の高等部の美術の講師、そして今年は大学の非常勤講師として後進の指導にもあたっております。ここ数年、渡辺有葵の身の周辺は様々な前進に見舞われ、新制作協会の「損保ジャパン美術財団賞」、「第79回新制作協会新作家賞」を受賞するなど目覚ましい活躍がありました。それは生来の彼の性格から来る真面目さと誠実な制作態度の結果とも言えます。

 

今回のサブタイトル“私の呼吸は音楽と共に”は、前にも述べましたが彼の思春期はパンクロックの音楽に憧れてその内容を絵画として大きく展開していきたいという彼個人の内部世界を今日まで持ち続けた詩的情緒性の絵画の具現とも考えられます。一貫したテーマは古い日記帳をめくるように、彼に言わせればハウスミュージック調のヨーロッパ、北欧のクラブで名もなく流行っている電子音楽調の絵画的表現をまるで彼自身DJの音楽家のように絵筆をとり続けたいと述べています。

 

渡辺有葵の作品のタイトルにまつわる長い題名は、こういった日記帳の一部かと思われます。昨年から 海外のアーティストレジデンスを彼は希望していますが、短い期間ドイツ各地の研修が彼の心を大きく  動かし新しい世界観を持って制作に挑む様子がうかがわれます。

 

 

皆様のご来廊とご支援を心よりお待ち申し上げます。

 

2015年10月 吉日
NICHE GALLERY


 


仙洞田文彦 個展

 

 

2015年10月12日(月)〜10月17日(土)
11時〜18時30分

 

中秋の候、昨日は珍しく美しいお月様を見ることができました。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

10月の企画展、「仙洞田文彦 個展」を開催いたします。仙洞田文彦は1978年、東京に生まれました。2003年日本大学芸術学部美術科、大学院を修了しました。2005年から2009年まで中国の高名な中央美術学院研究院、崔暁東教授のもとで中国絵画の研鑽を重ねました。ニッチ・ギャラリーでは今回で二回目の発表となります。仙洞田文彦はその風貌と同様、異色であります。とは言え、厳しく修練をしてきた者によく見られがちな研鑽の澱はなく、どこまでも純粋で率直な水墨画家と言えます。若い彼の持つしなやかな感性は時代の潮流は知りつつも、やはり東洋画の俯瞰的構成の水墨着彩画を制作しています。若者がコンテンポラリーアートとはやし立てる中で、無視もせずそれはそれとして彼独自の「水墨画、水墨着彩画」の道を探究する姿はひょっとして時代を射抜く大器の作家かもしれません。今回展示の不思議な小さな猛禽種に託した“ふくろう”は仙洞田文彦の自画像とも言えます。時代を遡り、駆け下りる、時空を飛び越えた仙洞田文彦の面目躍如たる一面を“ふくろう”に借りて表現したのでありましょうか?

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

 

 

2015年10月 吉日
NICHE GALLERY


 

出射茂 作品展
「永遠と一瞬」

 

 

2015年9月29日(火)〜10月10日(土) 11:00〜18:30
日曜日は休廊いたします。

 

 

夏が過ぎ去ったとはいえ、湿度が高く秋の気配が訪れない昨今でございます。
皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

 

10月の企画展、「出射茂作品展」を開催いたします。出射茂は1958年、広島県呉市に生まれました。1985年、東京芸術大学大学院を優秀な成績で修了いたしました。コンクールの受賞歴は数多く、当ニッチ・ギャラリーでは2000年の設立以来、発表を重ねていただいております。前回の“狼とエンジェル”、2013年“小さな冒険”から更なる発展があり、今回は“永遠と一瞬”という絵と写真を行き来する作品群の発表です。それは不可避のマチエールや壊れるかもしれない危ういタッチの絵画的二重構造の新しい試みと言えます。サブタイトル「永遠と一瞬」はその真意を打ち明ければ出射茂の私生活上の新しい出発。そしてもう一つは、一瞬の創作の力に宿る己の力量をもう一度確認したいと言う欲望の発表であります。芸術家によくありがちな、二律背反する感性と理論を出射茂流に練り合わせて腕力で描くというアナログ的発想と、ハイブリットアートのメガサイエンスの幻影に魅了されつつも、なおかつ、己に問いかけては問い返す今日の絵画を求める出射茂の姿がここにあります。

 

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

 

 

2015年9月 吉日 
NICHE GALLERY


 

 

小野有美子 個展
「街を流れる川」

 

image

2015年9月7日(月)〜9月12日(土) 
11時〜18時30分

 


残暑お見舞い申し上げます。立秋とは言え、なかなか秋の気配が訪れない昨今でございます。暑さの疲れが出ないようにどうぞ、ご自愛ください。

 


9月の企画展、「小野有美子 個展」を開催いたします。小野有美子は1987年、福島県に生まれました。2010年武蔵野美術大学を卒業し、2012年同大学院造形研究科を修了いたしました。校内での修了制作は、研究室賞、優秀賞と、来年2016年には「パリ賞」の留学を成し遂げるなど十分に実力を発揮いたしました。ニッチ・ギャラリーでは第一回の個展になります。若き女性アーティストの優秀さは今日では男性アーティストを圧倒している気配がありますが必ずしもそれが最後まで持続しているとは限りません。その事情は一言では言い切れませんが、女性にとって制作を続けることは大変な困難を伴うということは間違いなさそうです。

 

 

小野有美子は自然を描く画家であります。ありふれたどこにでもありそうな庭、手入れのあまり行き届かない木立、何の変哲のない大きな木のそばに浮かび上がる光の陰影、どこへともなくゆったりと流れ去る川、モチーフとして扱うにはあまりにもありふれていて興味を引きそうにありませんが、ただ彼女の手にかかれば一つの絵画空間をたちどころに具現してみせる画才には驚くほかありません。日常が小野有美子の瞳には絶えず新鮮な日常に写るからでありましょう。視界の底から来る光の再現をこともなげに絵画へと変貌させています。未来に向けての小野有美子の新しい出発の展示と考えております。

 

 

 

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

2015年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

金伽梵GA-BEOM KIM  個展

 

会期:2015年8月25日(火)〜9月3日(木) 11時〜18時30分

(日曜日は休廊いたします)


オープニングレセプション:初日午後5時半〜7時半

 


残暑お見舞い申し上げます。立秋とは言え、まだまだ暑い日が続きます。
どうぞ、皆様、お体を大切に暑さの疲れがでないようにゆったりとお過ごしください。

 

8月最後の企画展、「金伽梵 個展」を開催いたします。ニッチ・ギャラリーでは初めての個展であります。これまで様々な国籍のアーティストの発表を続けてきましたが、韓国のアーティストは国内在住の若きアーティスト、秦智美いらい、金伽梵が二人目の女流画家と言えます。
韓国は日本と異なって、韓国の国自体が現代美術に対して大いなる期待と支援を続けています。その甲斐あって、今日ではアジア美術の先端的役割を担い、国際アートに積極的な現代美術の紹介を行いました。2011年、金伽梵はインターナショナルアートフェアブースで個展を開き香港、ロスアンジェルス、ニューヨークと発表の場を世界的に広げています。自然回帰から生み出される彼女特有の形象が、あるときにはノスタルジックな作風を伴いながら、抽象空間の中に心象風景を現出しています。画面全体に覆うように広がる油彩のマチエールはファンタスティックで四季の香りによせて光を反映しています。


最後になりましたが、この展覧会の開催にあたりご尽力を頂きました「月刊ギャラリー」本多隆彦社長、およびコーディネイト頂いた、さくらコーポレーションの八木橋善雄氏に心からお礼の気持ちを申し述べたく思う次第でございます。

 

皆様のご来廊とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

 

2015年8月 吉日
NICHE GALLERY


 

image


「祇園精舎の鐘の声」
田村佳丈 個展

2015年8月17日(月)〜22日(土) 11時〜18時30分

 

連日暑い日が続きますが、お体を大切に涼しくしてお過ごしくださいませ。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

8月の企画展、「田村佳丈個展 −祇園精舎の鐘の声−」を開催いたします。


田村佳丈の個展は初めてであります。田村佳丈は1979年、山梨県富士吉田市に生れました。2012年武蔵野美術大学大学院造形研究科を修了し、現在、当大学で優秀な助手として勤務しております。人間の一生は不思議に満ちていて、何ゆえの作用なのか、あるいは啓示か、田村佳丈は中学時代に見た副読本の安田靭彦の叙事的歴史画にことのほか感銘を受けました。 その思いは今日まで続き「平家物語」という壮大なテーマを得て日々研鑽に余念がありません。彼の情熱と再現力が「平家物語」のワンカット、ワンシーンを饒舌に推し進めています。振り返れば、日本人の心のどこかに歴史画への郷愁があるのかもしれません。

 

「先がけの勲功立てずば生きてあらじと誓へる心生食しるも」。小林秀雄先生の「平家物語」の最初の一節に子規の歌としては名歌ではないかもしれないが叙事詩の美しさがよく伝わりますと叙述されています。同様に田村佳丈の盛衰記もあっぱれに見えたり美しく悲壮感が漂ったり、様々な視点の中で、むしろ無邪気に思えるほどの純粋性が田村佳丈の画才を唯一支えるものと考えられます。新しいアジア美術の先駆けを予感する絵画であります。

 

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

2015年8月 吉日
 NICHE GALLERY


 

細川文昌写真展

 

 


会期:2015年8月7日(金)〜15日(土) 
11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

 

暑中お見舞い申し上げます。
酷暑の折柄、皆様のご健康を心からお祈り申し上げます。

 



8月の企画展「細川文昌写真展」を開催いたします。
細川文昌は1963年、新潟に生まれました。1996年「EIGHT PHOTOGRAPHS」(PROMENADE GALLERY)、2010年NICHE GALLERY「LIGHT IMPRESSIONS」、そして今回はサブタイトルなしの、一貫した独特な写真の自主性を展開しています。


富岡多恵子は「写真の時代」の著書のはじめに、キカイの自主性として、わたしは押せば写るという小さなカメラを持っている、から始り――果たしてカメラは、なにかを表現し得るキカイなのだろうか。もしもカメラの周辺に表現者がいるとしたら、カメラを持っている方ではなくて、カメラの向こう側にいる生きものか、あるいはものや無限の立体空間ではないだろうか。それが、カメラというキカイによって一枚の限定された平面にされた時、そこに情緒を、モノや生きもののマチエールを、存在感覚を、時には人間の思想までも期待し、読み取ろうと考えるのは、絵画から切れていないと言うしかない。写真の出現は、絵画の表現を徹底してぶち壊したものではなかったか。と、述べています。そして、作品意識が一番感じられなかった写真に好感を寄せたと、言っています。


作品意識がない写真とは、一体何の評価だろうか。その疑問に細川文昌の写真は明快に答えました。細川文昌は、いかにレンズの対象物を意識しないで撮るかが難解で、結局はいかに何もしないかが決着だと、断言しています。稀有な写真家として細川文昌は、人間の「欲」を刺激することに興味のない写真を発見することに時間を費やしています。「欲」から解放されて見えてくるもの、その実態に何を写し、現出するのか、純文学的な純写真を希求するのか――今回の展示を楽しみにしていただきたく、思う次第でございます。

 

 

 

個展
2010 Light Impressions」 NICHE GALLERY 
2014「a copy room」 Photo Gallery MOMOZONO
2015 個展 NICHE GALLERY

受賞  
2002 フィリップモリスアートアワード大賞受賞

 

 

 

 

皆様のご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

2015年 盛夏

NICHE GALLERY

 


 

 

「貯留」
藤田邦統個展

 

 

2015年7月21日(火)〜8月1日(土) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

 

2015年 7月 吉日
NICHE GALLERY


 

東原薫 ・写真・作陶 展 

Made in Pittsburgh

2015年7月13日(月)〜7月18日(土)11時〜18時30分

image

 

 

皆様のご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

2015年 7月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

IMAGE

 

image

絵画風景
大川 心平 個展 

2015年6月22日(月)〜7月3日(土)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

 

初夏の候、梅雨空の空気に一杯の湿度を含んだ風が渡っています。
皆様におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。

2015年6月の企画展、大川心平個展「絵画風景」を開催いたします。

 

 

大川心平は1983年、東京に生まれました。2009年東京芸術大学美術学部大学院修士課程を優秀な成績で修了いたしました。大学入学以前から、そのたぐいまれな描写力と構成力は伝説的で、回りの画学生に小さな波紋を与えたことは前にも述べました。今回の発表、サブタイトル「絵画風景」は、2013年「拾った日記の続きを描く」の展覧会から更に発展した非凡な着想力が心豊かに広がっています。風景と作家の周辺の風物を大川心平は巧みに紡ぎ出し日常的風景とその風景に宿る諸々の事物、様相、例えば古ぼけた建物、その前の看板、道を歩く子供、しもた屋の窓、その前の植木、ちょこんと置かれたおもちゃ、などすべての関心事を画面上にクールな感覚描写として壮大な構成力で駆使していきました。あの1000号の大作は大川心平ワンダーランドの力作と言えます。


そして今回は、大川心平の画才を持って、敢えて今日のアートシーンとは逆向きの「絵画風景」が展開されています。彼はバルビゾン派の流儀に叶った幾つかの視点と筆致で流暢、かつ愛苦しく構成と色彩を追求しました。そこにはネーテルランド、フランドル派に見られる人間の点描観察と洞察力が大川心平の眼力を育てたのかも知れません。純粋ゆえの観念の表現なのか、一歩また一歩と進化する若い作家の抜け殻に透明に映し出された制作の残滓と迫真的描写の息遣いを感得することができます。2015年3月韓国の画廊、6月ニッチ・ギャラリー、秋中国、アートシードギャラリーと次々と希望と発表の場が拡大されています。

 

皆様のご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

2015年6月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

 

 


人々は議論に夢中で誰も自然の美しさに気づかない
川合朋郎 個展

2015年6月3日(水)〜13日(土) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

新緑の候、5月の爽やかな風が緑の薫りを運んできます。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

2015年6月の企画展、「川合朋郎個展」を開催いたします。
2006年の個展からニッチ・ギャラリーでは今年で6回目の発表となります。川合朋郎は  2003年、東京藝術大学 大学院美術研究科 修士課程を最優秀で修了いたしました。当初、三島市にある古い祖父の屋敷の土蔵が川合朋郎のアトリエでありましたが、今ではその屋敷は川合朋郎の住居兼アトリエとなって土蔵はそのままと聞いております。今日の原点と言うべき幼年時代は、医者の家系に生まれた夢想家で癇癖の強い子供だったことは前にも述べました。その原風景、原体験が今日の作品にも少なからず影を落としているかに見えます。
サブタイトル「人々は議論に夢中で誰も自然の美しさに気づかない」は、昨今の川合朋郎の制作態度をよく物語っています。今回の作品群は、オルターモダンのアートシーンの中にあって、私たちに静かに社会反省を促す謙虚な意見としての制作と考えられます。発言者 画家としての使命と言うべき表現のスタイルは、いやスタイルと言うよりも信念と言うべき、絵画に対する価値基準の高さは私たちの想像を遥かに超えています。孤絶する人々。何かに希望抱く人間像。歴史の最上位に絵画の価値を見出そうとする川合朋郎の鬼才性がいかんなく発揮されています。

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

2015年6月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

いつまでも変わらないもの
柿崎覚 個展

 

会期:2015年5月11日(月)〜16日(土) 
11時〜18時30分

あっという間に青葉の季節になりました。暑さが日増しに強くなる昨今、
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

5月の企画展、「柿崎覚個展 −いつまでも変わらないもの−」を開催いたします。
柿崎覚は1981年東京に生まれました。2010年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し2012年同大修士課程を修了いたしました。2013年、上海のアートフェアに出展し中国の数多くの人々に注目を浴びました。柿崎覚の風景画は、単純に自宅近くの新宿御苑をテーマにした近代絵画の印象派のように見えます。実際彼は印象派の制作概念のように、うつろう光の陰影、空気に漂う匂い、耳を打つ木立のそよぎ、五感に感得される印象を疑いもなく描くことに専念しています。見ようによっては時代遅れの写実絵画にも見え、角度を変えれば、具象絵画の最前線、新しい概念としてのオルターモダン(Altermodern))の絵画空間に位置するのか?新しい感覚とも言えます。しかし、残念ながら柿崎覚の社会的意識は乏しく、彼に限らず日本の若い作家にありがちなグローバリズムに対する理論武装の必要認識が甚だ弱い。ハイブリダイゼーション(Hybridization)の解釈の中にある絵筆を持たないデジタルアートの作家群と、キャンバスに絵筆で表現する原初的作家群、二極化する異種混合性絵画の時代が訪れています。しかし、考えないまでも、柿崎覚のように――無意識の上の成熟度――が何よりの持続力を生む芸術の力であります。考えてみれば時代を俯瞰する知的理論武装とは、予期せぬ美の炎に焼き尽くされる、運命の衣としか言いようもありません。

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

2015年5月 吉日
NICHE GALLERY



 

 


2015年3月23日(月)〜4月1日(水) 11時〜18時30分
日曜日は休廊いたします。

春の気配を感じます昨今、皆様におかれましては
ご清栄のことと御慶び申し上げます。


3月の企画展「矢澤健太郎個展」を開催いたします。当画廊では初めての個展であります。
矢澤健太郎は1960年長野県に生まれました。1988年東京芸術大学大学院、油画技法材料研究室を修了し、現在は新制作協会会員として活発な発表を続けています。
中学2年生の時、お年玉で購入した油彩画道具一式が矢澤健太郎の絵画創作の始まりですが、進学した高校で美術教員の二木氏と出会ったことが美術を志す決定的な出来事となりました。その後、美術系大学に進み、昨今の新制作協会への意欲的な創作力を知れば、若き血潮に芸術家への熱情の深さを感じます。
矢澤健太郎の作風はサブタイトルのごとく、「稗田阿礼かく語りき」と高らかな日本書紀、古事記の神話から、一編一遍の物語性を重視した回帰の新珠の作品群です。例を見るまでもなく、西洋の画家がギリシア神話に題材を求めたと同様に、矢澤健太郎は日本神話に日本人の精神性を見出し、稗田阿礼を通して現代までを「過去と現在を俯瞰する語り人のものがたり」として今日に蘇えらせています。異彩な唯一無二の矢澤健太郎の画才が、時空を超え現代的絵画空間として飛翔しているように思えてなりません。

 

皆様の御来廊と暖かいご支援をお待ち申し上げます。

 

2015年3月 吉日
NICHE GALLERY



           
絵空事から生えるあし
上田暁子 個展

 


2015年1月23日(金)〜2月1日(日) 
11時〜18時30分
最終日は16時までです。会期中は休廊いたしません。

 

明けましておめでとうございます。新年のご挨拶を申し上げます。
今年もよろしくご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

 

2015年、迎春。1月の企画展、「上田暁子個展(絵空事から生えるあし」を開催いたします。
上田暁子は京都に生まれ、長野県で育ちました。2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業しました。それから8年、上田暁子の制作の軌跡は多数の受賞を重ね、若いアーティストの旗手のようにも見られました。2012年「ARKO2012」倉敷・大原美術館。2013年Cite´ Internationale des Art (パリ/フランス)のアーティストレジデンスの体験は、彼女を飛躍させる一つのヒントを与えたようです。上田暁子の作品のタイトルを見れば、この世代の音楽家(シンガーソングライターも含めて)の途方もなく爽快なリズムの歌詞によく似ています。「絵空事から生えるあし」、「誰かの過去を後ろから見る」、「知りすぎた青虫」など何点かの作品のタイトルを並べれば美しい散文が出来上がり、そのメッセージは社会性もあり、彼女自身の姿でもあります。上田暁子の言葉を借りればタイトルは作品世界へかけるはしご、足がかりで謎に触れるための触媒のようなもの″。都会と郷里、環境と風土、日本と外国を行き来する内省的希望と熱情のイデアの筆先が上田暁子特有の音色となって伝わってきます。視界に広がるひざ下の「」描写の存在理由が理解できそうです。

 

 

皆様の御来廊と暖かいご支援をお待ち申し上げます。

 

 

2015年1月 吉日
NICHE GALLERY


 

仙石裕美 個展

 

 

2014年12月 吉日
NICHE GALLERY



遠崎高平 個展


世界は切り取られるのを待つ一枚の巨大な名画さ
(遠崎高平の日記より)

2014年12月8日(月)〜12月13日(土) 
11時〜18時30分
          


一段と寒くなりました昨今、
風邪に注意されて体調を整えてお過ごしください。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

師走の企画展、「遠崎高平個展」を開催いたします。
遠崎高平は1978年北九州市に生まれ、千葉県で育ちました。2001年武蔵野美術大学  油絵学科を卒業し、同時に学内の絵画組成教室の教務補助の勤務を始めました。それは、順調な画家の道への一歩のようにも見えますが、遠崎高平の内情はなかなかユニークで、彼独特の体験から来る希望と挫折に縁どられています。何故この時代に、不思議にも、一世紀前にならんとする昭和の無頼派とうたわれた文士、画家の芸術の“におい”を彷彿とさせるのか―――。昨今言うところのオーラとも受け取れますが、言葉を返して言えば、古井戸の底に映る月影の深遠な姿を見た気配すら持っていると形容できます。
遠崎高平の画風は、率直にして表現主義の形式を取り、色調は社会主義を持って反骨する人間主義のアイロニーに染まっています。もちろん当の遠崎自身は美的知識とは皆無で、その潜在的画才を知る由もなく、ただ肉親から受け継いだ純度の高い感性と、何処からともなくこだまする「縁」だけがむき出しに彼を覆っているにすぎません。しかし、齢30も過ぎれば、遅かりしと雖も、人生の岐路であることは間違いありません。真に画才があるとしたら見せていただきたいと鼓舞した企画がこの展示であります。

 

期待と希望と感動を込めて皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。


 

 

2014年11月 吉日
NICHE GALLERY
西村冨彌



 

 


 

 

 


 

翔べ不二
河内成幸 個展

 

 

2014年10月1日(水)〜11日(土) 午前11時から午後6時半

          

初秋の候、秋の虫の音が爽やかに耳に届く昨今、
皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

10月の企画展、河内成幸版画展を開催いたします。河内成幸は1948年、山梨県に生まれました。1973年多摩美術大学を卒業しニューヨーク、コロンビア大学留学の後、ヨーロッパでも学びました。才能豊かなり!若輩にして、河内成幸は一躍国際版画家としてグレンヘン国際色彩版画トリエンナーレ展、ノルウェイ国際版画ビエンナーレ展など多数の受賞を重ねて登場いたしました。パブリックコレクションは東京国立美術館、大英博物館を始め所蔵美術館は10以上を超えています。近年、2011年、国際的木版画家としての実績と美術大学での後輩指導の功績をたたえられ紫綬褒章の叙勲を受けました。

 

作風は、河内成幸の気性にふさわしく明快にして疾風怒濤のごとく、翔べ北斎、やれ、十二神将、不二と日本伝統と現代美術の均衡を見事に構築しています。氏の意志力がその時々のモチーフに、例えば、火の華、ニューヨークの鶏、パブロ(サムライ)、変幻自在に変貌する技術の密度は版画歴40年を経て師と仰ぐ北斎の末裔を彷彿とさせます。今回は山梨県立美術館「やまなしの戦後美術、四人の革新者たち」の企画に合わせて、当Niche GalleryとINOAC銀座並木通りギャラリーで同時に「河内成幸版画展」を開催いたします。

 

二つの画廊より皆様のご来廊を心からお待ち申し上げる次第でございます。

 

 

西村冨彌

NICHE GALLERY
2014年9月 吉日


 

 


 

Mountain / Sea
村山之都 個展

 

 

2014年9月8日(月)〜9月13日(土)11時〜18時30分
          

初秋の候、やっと暑さが遠のき涼しいこれからの秋が待ち遠しい毎日でございます。
皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 


9月の企画展、村山之都の個展を開催いたします。Niche Galleryでは最初の個展です。  村山之都は1969年、北海道旭川市に生まれました。2001年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、2003年には大学院を修了いたしました。彼は早稲田大学社会学科を卒業して、、、、美術大学から一般大学の移行はあまり耳にしませんが、何故でしょうかしら?
情熱の成せる勇気ある転換とはいえ、村山之都の言葉を借りれば、「仕事を持ち、絵を描くことよりも、絵画を職業にして行きたい」という思い上がった発言に私は感嘆し、そういう人こそ画家になるのです。
村山之都の作品は「形」に敏感な才を発揮するのは当然として、色彩とその色彩から来る「音」とも受け取れるリズムの感覚が彼の創作領域の重要な部分を示します。村山之都の絵画全体に流れる通奏低音とも言えるリズムには、ある一定の安定があり、その上に重複する彼独特の剣のような筆力のしなりが、見る人に強い印象を与えます。更に、アメリカン・ニューペインティングの影響が村山之都の乾燥感のある「Mountain / Sea」へと反映しています。
情報を視覚で捉えるスピード感のある筆力と、感情移入を極力避けたドライな筆法はコンテンポラリーアートの潮流の一つと言えます。

 

 

西村冨彌
NICHE GALLERY
2014年9月 吉日

 


 

どこから来てどこへ行くのか
西村冨彌 個展

2014年8月25日(月)〜9月6日(土)11時〜18時30分

(日曜日は休廊いたします)

       

   

暑い夏が過ぎ去るか、紅葉の秋を迎え寒い冬へと進みます。そしてまた一年。
皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

Niche Galleryを開設して今年で14年間が過ぎます。絵を描いて、絵を教えて、何となく釈然としない50歳を過ぎるに至って多少は社会性を身に着けようと経済的リスクを画廊運営という形で私に背をわせてから14年間が過ぎました。おかげで、ヨーロッパ、アメリカ、東欧、アジアと画廊の知遇を得てきました。が、幸か不幸か芸術の存在はそこにもないことを実感することもできました。どうも時間軸が違うところに芸術が存在するようです。恐らく”生きる“、という人間社会の寸法で芸術の尺度を図ることは無理なようです。


今回は上海、Purple Roof 画廊の個展の後、フローレンスのロザンナ女史がいくつか企画展を作りました。その帰りの夜間飛行で、遠ざかる灯の数々が反省事項の点滅のようにも見え、追憶の彼方に何者かが、おいでおいでするような幻覚にとらわれました。


今回は、足元の靴ひもを緩めるように「どこから来てどこへ行くのか」追想と憧憬の作品となりました。心改めて、どうぞ、皆様のご批評を待ち申し上げます。

 

西村冨彌

 

2014年8月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

暑気払い笑う百人展

2014年8月12日(火)〜8月16日(土) 11時〜18時30分

会期中無休

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2014年8月 吉日
NICHE GALLERY

 



西嶋真理子・鈴木知佳・青木聖吾・出射茂

 

2014年8月4日(月)〜8月9日(土) 11時〜18時30分
          
あとわずかで梅雨も明け、やっと本格的な夏が訪れます。
皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

8月の企画展、「ディテールからの宇宙展」を開催いたします。
Niche Galleryでは、2014年より、Niche Gallery, represented artistsによる作家企画の展覧会を発足いたしました。作家自らが創作者と企画者の両方を共有し画廊という空間を如何に活用、運用できるかの体験を目的といたしました。今回第一回企画はデシャ・ヴと名乗る作家・出射茂が「ディテールからの宇宙展」のコンセプトの元、3名のアーティストを招待した興味尽きないグループ展であります。皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

NICHE GALLERY

 

 


美術作品にとって、部分と全体というのは時代を超えて常に重要な美術家の頭や感覚を悩ます問題だ。

かつてフランスの郵便夫フェルデナン・シュバルはつまずいたひとつの石ころから壮大な理想郷をイメージし築いた。石の欠片というディテールから積み上げられた愚直ながら驚異的な意志力を持つシュバルの宮殿は観光地化され、多くの人々がそれを見る。シュバル作品ではまずはディテールがありそれを営々と組み上げて全体が構築される。
かの有名なファン・エイク兄弟のヘントの祭壇画「神秘の仔羊」は兄フーベルト・ファン・エイクが全体を構成し、その遺志を継いだ弟ヤン・ファン・エイクがその綿密な素晴らしい細部を完成させたとされる。それぞれの2例は逆方向からの道筋だが、全体と部分は対極にある。
それに対し、この企画展示では、ディテールそのものが作品全体と等価値・・・同極であるとする価値観を持った作家・作品を招いた。ディテールに凝縮する作家のこだわりが、一体どこで、作品へと昇華し成立しうるのか、それを問うてご覧いただきたく、ご案内申し上げます。

企画:デシャ・ヴ・・語源のde´ja`-vu・・vu (「見る」を意味する動詞 voir の過去分詞)、訳語の「視」は、いずれも視覚を意味するものであるが、聴覚、触覚など視覚以外の要素も「体験」のうちに含まれる。    
                                                        

【ギャラリートークのお知らせ】
8月5日(火)17:00〜      出射 茂
8月7日(木)17:00〜      青木 聖吾
8月8日(金)17:00〜      西嶋 真理子

 

 

どうぞ、合わせてお出かけくださいませ。

 

2014年8月 吉日
NICHE GALLERY

 


 


Tide---潮の流れ
渕上優子 個展

IMAGE


2014年7月14日(月)〜7月19日(土) 11時〜18時30分
          

梅雨の合間に晴れ間がのぞくとほっとする昨今でございます。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 


7月の企画展、第一回「渕上優子個展」を開催いたします。
渕上優子は九州福岡に生まれました。渕上優子の画歴は一般の若い作家の道程とは少し異なります。幼年、少女時代からきっと頭脳明晰であったのでしょう。だからと言ってきりきりした性格でもなくほんのりとした天然流の人柄が今日の作品を生み出しました。
国立九州大学理学部で生物学を学び卒業。愛知県立芸術大学の油彩画を卒業後、1991年にはアメリカ、ジョージア州のサバンナ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程を修了、奨学金まで受けました。不思議なことに、これだけのキャリアの持ち主なのにその影響がどこにもありません。大きく言えば絵画好きな彼女の感覚だけがそこにあってその本質は変わりようのない強靭さが潜んでいるかに見えます。渕上優子の述懐をたどれば、写真の大好きだった父の影響と本来が色彩や形に対して何かしら安寧を感じるその性格が合致して、結局は普遍的なものへの憧れに通じ、今日の作風に至ったと思われます。潮に流されていつ果てるともなく研磨された波に揺れる貝殻からヒントを得たり、あるいは影絵のような人物描写に自分の存在感を重ね合わせた“贅沢を言えばマーク・ロスコ風な永遠なる感覚を自己のものに獲得したい”と、はにかみながら回答しています。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2014年7月 吉日
NICHE GALLERY

 


見たいものしか見えない
高見基秀 個展

2014年7月7日(月)〜5月12日(土) 
11時〜18時30分
    

image

      

梅雨の候、しとしと降る雨の合間の太陽の光にほっとする昨今でございます。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。


7月の企画展、「高見基秀個展」を開催いたします。
高見基秀は1986年石川県に生まれました。2012年東北芸術工科大学芸術工科研究科洋画領域修士課程を修了いたしました。Niche Galleryでの展示は初めてであります。幼年時代から絵は大好きだったとは言うものの「画家」になりたいとは思わなかったと述懐しています。環境に「画家」という職業の人を見なかった為かもしれません。しかし今日の高見基秀を眺めれば、思春期特有の悩みは別として、何か年齢不相応な、淡々とした良くも悪くも人生を達観した人のように見えます。画家になり得る雰囲気は十分にあります。サブタイトル“見たいものしか見えない”は高見自身が、自己認識できる世界を一つ一つ切り出して丁寧に仕上げた作品群です。自分の位置する生活の限られた世界と地球上に拡大する無尽蔵な情報を繋ぎとめる自己認識の「コア」を作品に一点一点描き出していきます。インターネット画像による情報、または書籍、あらゆる単純利用できるパブリックドメインを中心に 内省する自己と、変貌する世界のとの接点を必死に視覚化することに努めています。作風、作品の不統一感は若いアーティストの特徴とも言えますが、裏を返せば、如何に世界の社会状況が揺れ動いているのか――正直なカオスの表現とも受け取れます。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2014年 7月 吉日

NICHE GALLERY


 

ダビデ・ガルデ 個展

会期:2014年5月29日(木)〜6月7日(土) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

IMAGE

 

NICHE GALLERY


image


NICHE GALLERY


 

森美恵個展

会期:2014年5月8日(木)〜5月14日(水) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

image

 

新緑の候、爽やかな風が心地よい昨今、
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

5月の企画展、第一回「森美恵個展」を開催いたします。
森美恵は東京、世田谷区に生まれました。国立千葉大学工学部工業意匠学科でデザインの 基礎を学びました。幼年の頃はお母様の物づくりの影響もあって、図画工作が大好きで、特に少女時代はのこぎりで立体的制作を展開する美術の大好きな子供でした。それは、森美恵のこれまでの職歴を見ればバランスよく転嫁されたと思われます。デザイン系のあるいは クラフト系の職業を約20年間勤め上げその後やっと一人のアーティストとして独立し、 和紙に対する修練をなし、個人の表現意識を積極的に展開し続けています。特に、和紙を用いた「ちぎり絵」の手法は、日本伝統の手法に留まらず、コラージュと言うパピエコレにまで及び和紙独特の柔らかさを彼女自身の実感の中で多岐にわたる作風として表現しました。素肌感覚を持って素足で土の上を歩く感触を平面上に移し替える 森美恵特有の日本人的感性が――、作品を通して爽やかに、そして、四季の香りが漂うような波長となって伝わってまいります。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2014年4月 吉日
NICHE GALLERY


 

両岡健太 個展

2014年4月23日(水)〜30日(水) 11時〜18時30分

日曜日は休廊致します

 

NICHE GALLERY


門田光雅 個展

2014年4月7日(水)〜12日(土) 11時〜18時30分

image

NICHE GALLERY


 

IMAGE

imag

NICHE GALLERY


 

Moonlight Serenade 月光小夜曲

KAZZ森下 作品展

IMAGE

 

2014年3月5日(水)〜13日(木) 11時〜18時30分

9日(日)は休廊致します

皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。


3月の企画展「KAZZ森下作品展-Moonlight Serenade-」を開催いたします。


KAZZ森下は1951年愛知県名古屋市に生まれました。前回述べました通り、暗室を家に構えるような医者の家庭に育まれた幼年時代から半世紀、フォトグラフィックアーティストとして、発表の場は年を追うごとに過密なスケジュールになっております。1970年代の繁栄期に博覧会プランナーとしての足場を作り、1985年、つくば万博のディレクション、そして、昨年のスヌーピー展「スヌーピーと日本の匠展」など、プランナーの力量はいかんなく発揮されています。

KAZZ森下の根底にある美意識、琳派からの影響。作品に登場する「月」をKAZZ森下自身の独白を借りれば、“自転しながら公転する地球から永遠に見えないという不思議な「月」の存在感覚が私が「月」をモチーフにする理由です”と述懐しています。

今回のサブタイトル「月光小夜曲」はKAZZ森下の抒情的な郷愁意識を充分に伝えるメッセージと解釈できます。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

2014年 3月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

拾った日記の続きを書く
大川 心平 個展 

image

2013年12月10日(火)〜20日(金)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します


師走の候、暑かった夏も遠い昔のような実感が残り一段と寒気を濃くする昨今、皆様におかれましてはご多幸とご多忙の日々をお過ごしかと推察申し上げます。

2013年12月最後の企画展、大川心平個展「拾った日記の続きを書く」を開催いたします。
大川心平は1983年、東京に生まれました。2009年東京芸術大学美術学部大学院を優秀な成績で修了しました。大学入学以前から、そのたぐいまれな描写力と構成力は伝説的にうたわれ、若者仲間の周辺に小さな波紋を作るほどでした。それから10年、大川心平の視野に映る様々な日常風景のモチーフが、2010年は「既知の地平」、2011年「遠近」、そして今回は「拾った日記の続きを書く」として軸のぶれない、信念のある明晰な筆致は大作への想像力を現実のものとしました。大川心平の眼力は日常に見える小さな驚きと、非凡な着想力に特徴があります。着想は空想を生みだし、空想は彼の画才を持って絵画空間へと具現されています。トロンプ・ルイユに見られる目を騙すかのような質感や触感の迫真的な描写とは異なります。「拾った日記の続きを書く」に抱合されるように、大川心平の詩情豊かな多岐にわたる細密描写は、ノイエ・ザハリヒカイト(ドイツにおける克明なリアリズム表現)類似する作者自身の生活の明確な感情移入を通したドキュメント絵画とも言えます。大川心平自身の純粋な観念の再現に見えます。後姿を描く人物像がことのほかアイロニーにも見え、息苦しく涙を誘う局面さえあります。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2013年12月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

10年たったのに
横井山 泰 個展

 

image

 

2013年11月20日(水)〜月30日(土)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

晩秋の候、不順な天候が続き日本の美しい秋を見過ごしてしまいそうな昨今、ご健康で健やかにお過ごしのことと推察申しあげます。

 

2013年11月の企画展、横井山泰「10年たったのに」を開催いたします。
横井山泰は1976年、静岡に生まれました。多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻を修了してからちょうど10年、日々の制作にかける熱情と精進が最初の大きな山を越えることができたかに見えます。2004年の「岡本太郎記念現代芸術大賞展」で特別賞。2005年「シェル美術賞 本江邦夫審査員奨励賞」そして、2010−11年文化庁新進芸術家海外研修員としてパリに留学しました。ここ近作においても氏特有の 個性が横溢しサブタイトル「10年たったのに」は横井山泰の描く表情豊かでユニークな画才が光り輝いています。日本にはその昔からの浮世草紙、御伽草紙がありました。横井山泰の題材は、百人一首の肖像画はもちろんのこと、人間の倫理観と日常観をテーマに物語が構築され現代に描き替えて本人自身を登場させながら新しい解釈の人間模様をコンテンポラリー絵画に仕上げたとも言えます。グローバルな風に吹かれてアジアの現代美術の種子は「10年たったのに」も含めて、美術文化の華を咲かせることを希求しています。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

2013年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

坂口 竜太 個展
「眼をもつ丘」

 

image

 

2013年10月28日(月)〜11月6日(水) 11時〜18時30分
   日曜日は休廊致します


晩秋の候、四季の訪れに戸惑いながら、やっと冬のたたずまいを感じさせる昨今です。
皆さまに置かれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 


11月の企画展、「坂口竜太個展」を開催いたします。
坂口竜太は1978年岡山に生まれました。武蔵野美術大学油絵科を卒業し、2007年シェル美術賞で審査員奨励賞を受賞しました。また、岡本太郎記念賞展では優秀な作品を発表し、2011年、上野の森美術館大賞展で優秀賞を得た実力のあるアーティストです。最近はDアートビエンアーレ展に出品いたしました。坂口竜太のサブタイトルは大変ユニークなものがあります。2008年の「退屈な一日を過ぎて夜になる」、2010年の「透明な森」、さらに今回の「眼をもつ丘」と斬新なタイトルが続きます。今回のサブタイトルの意味は2006年公開の映画The Hills Have Eyesから拝借、直訳したタイトルと言っております。それは僕の絵のイメージや感覚が映画から影響を受けてると感じています“と述べました。とは言うものの、現代の若い作家にありがちな、文化に敏感なグローバリズムの感覚は彼だけに特化したものではありません。現代美術と映画の流行は、社会性の類似があって必ずどこかでクロスオーバーして一つの視覚芸術として成り立つものと言えます。坂口竜太は先鋭的な感覚の持ち主です。画面に現出する人らしきフォルムが人間の未来を予告し、水や土や雨や植物といった自然物がその人間に純度の高い絵画性をもたらす坂口竜太の技術力に、私たちはそのたび毎に感嘆を禁じ得ません。

 

皆様のご批評とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

 

2013年 10月 吉日
NICHE GALLERY


 

西宮房子 個展

2013年10月21日(月)〜26日(土)11時〜18時30分

image



  秋深き候、肌寒い昨今でございます。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。
10月の企画展、西宮房子個展を開催致します。

西宮房子さんは東京馬込の出身です。小さい時から絵の大好きな少女で、特に、外科医だったお父様が子供の時代の西宮さんの芸術的能力を見抜いておられたのか制作環境を育んでいただいたとのことが、今日の作家制作にもつながったように思えます。建築科に進学した西宮さんは、ある時期から猪熊弦一郎先生に師事し本格的美術の鍛錬を積まれました。その努力は多年を要しました。そして、現在は女流美術展の会員として出品を重ねられています。アン・フォルメルを彷彿とさせる西宮房子さんの作品群はモンドリアンの具象的木立が段々に抽象化されていくプロセスの作品やデ・クーニンングの空間的処理解釈に 大きなヒントを頂き影響を受けたとおっしゃっています。西宮房子さんは、風景から来る空間表現を風を伴うように作品にしたいと考えられています。素材を問わず顔料、和紙によるコラージュ、アクリルと自由な発想をもとに内省の筆致を持って見事に具現化されています。豊かな感性の表現と言えます。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2013年 10月 吉日

NICHE GALLERY


八木なぎさ 作品展

 

image

 

2013年10月7日(月)〜17日(水)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

 

中秋の候、皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。10月の企画展、八木なぎさ作品展を開催致します。

八木なぎさは神奈川県横浜に生まれました。1985年女子美術大学芸術学部洋画専攻を卒業し、1987年多摩美術大学大学院美術研究科(版画)を修了しています。1989年から1990年まで小作青史先生の元で凹版の平版刷り技法を研修し、現在は女子美術大学等で美大生の指導にあたっています。
八木なぎさの意識下にある形而上的モチーフは25年を経て進化を続けています。空間の中に、甘美で浮上するような「hole」、「castle」の作品から、更に今回の「empty room」、「freight train」、「ark」など目を見張る進展があります。率直に言えば、黒い空間に見る作家の視界が、本人の実生活とクロスオーバーして一つのイリュージョンに不思議なリアリティを もたらしました。日常の電車の中の風景、過ぎ去るほんのわずかな心象的去来さえ八木なぎさにとっては哲学的発想の出発点になってしまいます。作品からすると遠い出来事の題材のようにも見えますが、本当は、私自身の身の回りの風景こそ、とてもリアリティを感じるモチーフです"と述懐します。八木なぎさと最も近い色彩の「黒」がやがてはマーク・ロスコの黒のように存在と必然の証明を成し遂げることを願っています。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

2013年 10月 吉日

NICHE GALLERY

 


 

出射 茂 個展
「小さな冒険」


2013年9月25日(水)〜10月5日(土)
11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

 

image

 

神無月の候、虫の音もさわやかに夜の長さに思いしのばれる今日この頃でございます。四季の変化が昔ほどにはっきいせず少し寂しい気持ちでもありますが、皆様におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

10月の企画展 第5回出射茂作品展を開催致します。
出射茂は1958年広島県呉市に生まれました。1985年東京芸術大学大学院を修了しました。前回の個展”狼とエンジェル“から3年、今回のサブタイトルは”小さな冒険”であります。重層的な構築性と色彩を巧みに、そのトリック、カラーフィールドの面目躍如たる力量は相変わらずですが今一度、出射茂は本来の自分の軌跡を再確認したいという気持ちが、何年か前から湧いてきた事実も否定できませんと述懐しています。

 


出射茂に沸き起こったこの事情は氏のみならず21世紀に孕むアートシーンの重要な 事情でもあります。写真芸術がより絵画性に近づき、絵画芸術がより写真性に近づく現在アートそのものに起因しています。例を出すまでもなく、写真家ジェフ・ウォールの「突然の風after Hokusai」。画家、ゲハルト・リヒターの人物ドキュメント写真のプリントアートに似せた描写力がその典型かもしれません。写真家が己の写真に加味する絵画的スーパーテクノロジー(超技術力)と、画家が己の絵画に視覚的限界点までリアリティを求めようとする人間業の相克の姿は今日の現代社会のメガサイエンスその ものの反映であります。出射茂は再度述べています。「自分の興味ある再現性をどこまで絵画性を伴いつつ捨てられるか。写真的要素を使いながらどこまで絵画性を獲得できるのか。」それは氏をして”小さな冒険“と言うものの、ボイジャー号(旅人)ように地球から何億キロと離れて旅する技術の力の衛星に似ています。尽きぬ宇宙の果てまで焦点を求める画家、出射茂の一人のひたむきな姿に人間の孤独から生まれる重要性を思い知らされます。

 

      皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。      

 

2013年 9月 吉日
NICHE GALLERY


今井陽子 作品展
「えそらみつ」

 

2013年9月9日(月)〜9月17日(火) 11時〜18時30分
15日の日曜日は休廊いたします

 

 

image

 

中秋の候、夜の天空に冴え冴えとした大きな月が地上の虫たちに絶好の演奏会場を与えています。
暑い夏休みも終わり皆様におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

9月の企画展「今井陽子作品展」第一回展を開催いたします。
今井陽子は横浜に生まれました。1985年、東京藝術大学油画科を卒業しましたが、入学の希望動機に、「藝大に入学して、こんにゃく体操を習いたいという夢がありました」、と、なんだかよくわからない理由を述べております。精神的ブランクとは言わないまでも妙に肩が石のように凝る今井陽子も次の個展まで10年以上たちました。これまでの個展、グループ展にしろ”なんだかよくわからない自分“と称しながら獅子奮闘する自分流の発表が続きます。アーティストの軌跡から言えば明確に制作を続ける作家が意外と人生の後半で制作を中断するのに対して、今井陽子のような睡蓮の水辺に浮かぶのようなのんきそうで切羽詰まった制作者が意外と一生を駆けて作品を成就していくことを私たちはよく知っています。感性の鋭さに驚く間もなく今井陽子は身をもって水面をぐるぐる回りながら頭も回転いたします。身体的感覚の始りです。と言いながら、”作品から読み取れるアーティストの感情と表現力が全くこの年齢までわかりません“、とまたまた二重否定する彼女です。そして、サブタイトル「えそらみつ」は彼女の造語で、「そらみつ」は大和の国の枕詞、「え」は絵空事の「え」だそうです。日本の文化や、芸能、自然の中にも神を見る宗教観に惹かれる気持ちをタイトルに表したかったとのことです。そこで身体感覚で捉えた絵画として描いていますと述懐してみせました。その結果、蓮と水面、水面と子供、子供と大人、大人と蓮と、モチーフの連鎖の始りが今井陽子特有の才気がかった妙な「つぶやき絵画」を現出するに至りました。

 

皆様のご来廊とご批評を心よりお待ち申し上げます。

 

2013年9月 吉日
NICHE GALLERY


 

古人ヲミル
傍嶋崇 個展


2013年9月2日(月)〜7日(土) 11時〜18時30分

 

image

 

9月の候、まだまだ暑さと湿度が厳しい昨今ですが、
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

 

9月の企画展、「傍嶋崇個展 −古人ヲミル−」を開催いたします。
傍嶋崇は1981年千葉県船橋市に生まれました。2007年、東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業しています。卒業展では優秀なZOKEI賞を獲得しました。それを前後して2005年東京ワンダーウォール展ワンダーウォール賞を受賞し、2007年には若いアーティストの最も権威あるVOCA展にて奨励賞を受賞いたしました。こういった早熟な開花は、傍嶋崇の家庭環境の影響も少なくなかったと思われます。著名な版画家の父を持ち、そして4人兄弟の末っ子に生まれながら全員美術に携わるという傍嶋崇の足場は時すでに盤石な用意があったかもしれない。と同時に、その重圧も考えられないほどの磁力で縛られていたことが想像できます。

サブタイトル「古人ヲミル」は30歳にして、アッケラカンになった傍嶋崇の制作領域を端的に立証した作風であります。傍嶋崇は述べています。”日常の経験や思考をたよりに制作をしています。最近は制作場の近くで土器を拾うことがあり、古代の生活や考え方などに思いを巡らせ、形に出来ないかと思い制作しました。”「古人ハネムル」、「土キ土キ」、「ノドナラシ」そして「身ヲハナス」は対話する傍嶋崇の顕著な作品群です。

 

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2013年8月 吉日
NICHE GALLERY


 

渡辺有葵  個展

image

013年8月26日(月)〜8月31日(土) 
11時〜18時30分


暑い夏休みが続きますが暦の上ではすっかり秋の装いがあります。
体調を整えられてこれからの静かな秋を楽しくお迎えくださいませ。


8月最後の企画展「渡辺有葵個展」第一回展を開催いたします。
渡辺有葵は1981年、静岡県三島市に生まれました。2006年、日本大学大学院造形芸術専攻博士前期課程を修了しています。中学時代から美術への関心は深く、地元の美術の先生の魅力的指導もあって画家への志を強くしたと聞いております。一方、青春期はパンクロックの音楽に憧れそれと並行しながらこれまた見た目とは大きく違った生真面目な古典的な絵描き青年でありました。外部の服装と内部の純真無垢な精神の大きなギャップが彼の美術思考を少しずつ作りあげたことと想像できます。2005年から 新制作協会展に発表した、これまでの8年間、新制作協会は渡辺有葵に自己作品の研鑽の場として数多くの糧を与えました。近作から読み取れる渡辺有葵の作品群は、なんの変哲もない日常の風景のデフォルメから始まります。混沌とした感性が、彼の内部世界に広がる詩的抒情性となりながらスピード感ある筆致で描かれています。渡辺有葵の言葉を借りれば、“音楽のたかみ、自然のうねり、そして自分自身の情熱”。キャンバスの上に繰り広げられる色彩と形象の出会いに、彼自らが遭遇の機会を持って励んで います。

 

皆様のご来廊とご支援を心よりお待ち申し上げます。

 

 

2013年8月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

仙洞田文彦 個展

 

image

2013年8月5日(月)〜8月10日(土) 
11時〜18時30分


盛夏の候、不安定な天気が続きますがもくもくとした積乱雲の晴天を早く見たいものですね。
お体を大切にお過ごしくださいませ。

 

8月の企画展「仙洞田文彦個展」を開催いたします。
仙洞田文彦は1978年、東京に生まれました。2003年、日本大学大学院油絵専攻修士課程修了しています。2009年には、中国、北京の中央美術学院山水画研究室修士課程を修了し、崔暁東先生に師事しました。このユニークな画歴は中国絵画に関心があるのみならず、山水画を選択した特異性は彼だけに限りません。インターナショナルを意識した昨今の若いアーティストに見らグローバル化はアートシーンの回帰意識とも深い結びつきがあります。経済力を背景としたアジア美術はヨーロッパ、アメリカの美術に大きな影響を与えると同時に新しい美術文化の潮流さえ生み出そうとしています。アジアの古い作品とこれから生まれる新しい美術の混沌の中で、次世代の美術の方向を見定める準備がなされています。 その意味で、仙洞田文彦の選択は特異とも受け取れますが、新しい着眼力を持った若い作家ともいえます。軸仕立ての伝統を踏まえていながら作品の内容は新しいモチーフに挑戦し、一見山水画に見えながら、目を凝らせば都会風景であり、違和感なく現実的山水画として溶け込むことに成功しています。かすれた感じがおぼつかなくも見えながら、純粋で美しく若者らしい恥じらいが心地よく伝わってきます。人と自然が テーマという仙洞田文彦の自然の痕跡を探究した理想郷が展開されています。

 

皆様のご批評とご支援を心からお願い申し上げます。


2013年8月 吉日
NICHE GALLERY


 


「めざめても、さめない夢を見ている」
仙石 裕美 個展

image

2013年7月25日(木)〜8月3日(土)
11時〜18時30分
(日曜日休廊)


盛夏の候、暑い日が続きますがどうぞ、お体を大切にお過ごしくださいませ。

 

7月の企画展「仙石裕美個展」を開催いたします。
仙石裕美は1982年、埼玉に生まれました。武蔵野美術大学大学院中退後、パリ国立美術学校に三年間学びました。2010年の上海Emerging Artistsのコンペティション、2010、11年シェル美術賞に選出され、その後も活発に発表を繰り返しております。
今回のサブタイトル「めざめても、さめない夢を見ている」は前回の「無い」というところに「有るはず」のものを信じること、“The Utopians”からもう一歩進化した作品群と言えます。非日常にメタファーをかけて、 絵画上の日常回帰を過去と現在、現在と未来を行きつ戻りつしながら不思議な描写力で説得しています。 「いくつもの空を繋ぐ船」や「愛と冒険の物語丸が行く」など仙石裕美特有の理想と逆説の日常風景が  赤裸々に描かれています。才気がキャンバス一杯にみなぎり、絵画の常識を打ち破り、視覚的緊張が  時として遠近法まで歪めながら、新しい世代の絵画として現出しています。

 

皆様のご批評とご支援を心からお願い申し上げます。

 

2013年7月 吉日
NICHE GALLERY


 

そこに在る場所 都会と森
柿崎覚 個展

 

image

 

2013年7月10日(水)〜16日(火) 
11時〜18時30分
14日(日)は休廊、15日(月)は開廊いたします。

 

7月の候、暑さが日増しに厳しくなります昨今、
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

7月の企画展、「柿崎覚個展 −そこに在る場所 都会と森−」を開催いたします。

柿崎覚は1981年東京に生まれました。2010年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し2012年同大修士課程を修了いたしました。Niche Galleryでは、若手の育成作家の企画を行っていますが今年は柿崎覚の作品に注目いたしました。それは一見、普通の写実絵画に見えるにも関わらず、その鮮明度は先輩、後輩の画家さえ気付かぬほどの抜群の先端絵画の美質があります。その自覚と制作の意識は柿崎覚自身知る由もありません。ありていに言えばこの100年一周した新しい絵画の潜在能力を彼の作品の中に見る思いであります。21世紀のドイツ、イギリスに見られる新しい具象絵画のアートシーンを彷彿とさせる豊潤さが潜んでいます。とは言え柿崎覚は人知れず大学時代も努力、制作の虫だったと聞いております。そして、 サブタイトル「そこに在る場所 都会と森」はこれまでのひたむきな柿崎覚の繊細で、複雑で、 そして、希望を持った筆致が至る所に見られます。

 

皆様の温かいご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2013年7月 吉日

NICHE GALLERY


小泉千代 作品展

2013年7月1日(月)〜7月6日(金)
11時〜18時30分

image

 

小泉千代さんと私の付き合いは40年を少し超えています。かたちの上では私が絵の先生で小泉さんは受講生でしたが、ぐるりと今振り返れば絵の師でも弟子でもなく、今更ながら言えることは私が今日まで制作を続けることができる環境をいただいたことは小泉千代さんに感謝しなくてはなりません。数少ない支援者の一人であるということです。世の中の基本的なふるまいをも教授していただいた生活上の先輩です。縁は異なもの、不思議なもので数えきれないほどの回想の中で、特異なるエピソードもなかなかにありますが無信心の小泉さんが、ご本人自身仏様と距離を近くする年齢になられてここ4年ほど前からひょいと画面に仏様が登場したのは私には、大変な驚きでありました。小泉千代さんに尋ねてみたことがあります。それはこうでした。“社会に起きているニュースで伝えられる事件があまりにもむごく、私なりに考えてみると引き起こす事件の要因が社会との軋轢の中で、押し殺されたり、締め出されたり、とてもよくない世の流れと言わなくてはなりません。そして、この度の大震災と核の問題、ふと、私の手元にあった敦煌の菩薩様と孫の落書きを楽しく、祈りとして描いてみれば理解していただけるかもしれない”と述懐されました。理屈ではない世の中に生きる率直な気持ちの表現です。それが、仏様、小泉流に言えばノノサマシリーズの始りでした。次に巻き起こる仏様との対話画、京都、奈良の取材を含めエネルギッシュに日々制作されては、ぐったりと眠られておられます。イメージの叫びを自画像に淡々と託した作品も、何の束縛されることなく、将来に乗る車ですよと、笑いながら暗雲を飛翔する竜を一気に描かれました。仏様に託した人生の漫遊絵巻は小泉千代さんの面目躍如たる、御年90歳!画才が円熟を増しています。

 

 

2013年6月吉日

西村富彌 (画家)


 

西田洋一郎 作品展
―“いのちのかたち“をシュミレートして―

2013年6月13日(木)〜6月22日(土)
11時〜18時30分

 

紫陽花の花が、梅雨空に映える季節、皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

2013年6月の企画展 西田洋一郎作品展を開催いたします。
NICHE GALLERYでは西田洋一郎は最初の個展です。西田洋一郎は1948年石川県小松市に生まれました。神戸の外国語大学を卒業し、1983年から88年までドイツのカッセル芸術大学で様々な芸術的様式および芸術理論を十分に学びました。氏の画歴を見ればわかるようにその受賞と国の内外に買上げられたコレクションの多さにただただ驚くばかりであります。1980年代、日本で最も権威のあった日本国際美術展、シェル美術賞展を皮切りに2012年の牛久ビエンナーレ優秀賞まで25以上の受賞歴があります。西田洋一郎の昨今の作品は、一般的に描くという行為の創作現場とは少し異なります。氏特有の数式と方程式で幾何学の風景空間を、複雑なデジタルプリント作品として作り上げました。“一個の立方体自体は一つの典型的な幾何体です。人間の視覚にとっては無機的な形態でそこから命を感じることは難しいものです。”と氏は述懐しながらも、”いのちのかたち“による芸術作品をその無機的な数式に吹き込むことに成功しています。そして、西田洋一郎の数式は今流行りの3D可視化したバーチャリアリズムのただ単なる仮想空間ではなく、明瞭な絵画空間のリアリズムにへと変貌をとげました。


皆様のご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

2013年 6 月 吉日

NICHE GALLERY


 

 

川合朋郎 作品展
―始まり 洞窟を出ると決めた人―

 

2013年5月31日(金)〜6月11日(火)
11時〜18時30分
(日曜日休廊)

image


新緑あふれる昨今、皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

2013年6月の企画展 川合朋郎作品展を開催いたします。
2006年の個展から7年、今年で5回目の発表となります。川合朋郎は2003年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を最優秀で修了致しました。爾来、三島市にある古い祖母の屋敷の土蔵が氏のアトリエでもあります。今日の原点とも言うべき、川合朋郎は幼年時代からたいそうな夢想家で、その一方で癇癖の強い子供だったようです。芸術家が医学者の家系から突然変異的に現出する事情は例をだすまでもなくよくあることであります。そして日々一歩一歩その誠実な制作態度と才気ぶりは、大きく揺れ動きながらも視界良好なバランスを保っています。

今回の個展「始まり 洞窟を出ると決めた人」は前回の「虹を描く人」の延長線上にあり、対立する「意味」と「形象」の寓意的表現を絵画的アレゴリーとして見事に描き分けました。「人々は議論に夢中で誰も花に気づかないという夢」、「蝉の視点」、「夜の庭」は小品ながら前進する川合朋郎は観念の擬人化を現実と真実の狭間で捉えています。まさしく鬼才、川合朋郎の新しい風景画と言えます。

皆様のご支援とご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

 

2013年 5 月 吉日
NICHE GALLERY

 



明円 光 個展

2013年5月18日(土)〜29日(水) 
11時〜18時30分
(日曜日休廊)

IMAGE

 

新緑の候、こいのぼりが空高く舞い上がる季節になりました。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

 

5月の企画展「明円光個展」を開催いたします。


明円光は1985年北海道、滝川市に生まれました。2010年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業しています。今回の展示は、Niche Galleryでは最初の個展でこれからの社会に画家としての第一歩を踏み出す若きアーティストであります。滝川市、名門の実業家の長男でありながら、画家という職業に就くのは、やはり先見の明をしてリベラルな両親の愛情と理解の深さと言う他ありません。3歳の頃からの美術の関心は、当時サブカルチャーと言われた漫画、アニメーション、テレビゲームなどの世代下にあるものの、明円光は絵画教室で絵を描き動物を愛し当時人気の高かったドラゴンボールの主人公に自分を重ね合わせ、北海の地で、高校時代まで理想の画家像を夢見た時代があったようです。爾来、明円光の作品に登場するホワイトに塗りつぶされたような心象画ともつかぬ、よく言えば、郷里の陰影描写を記憶の奥底から「寒い雪の北海道」から脱却するための試作のようにも見えました。彼の言葉を借りれば「自信がない、塗りつぶすことで自他ともにフラットな精神力をつけたい」。この言葉の陰にある願望は、誇り高い北海道人の気質をよく現しています。そして昨今、自分の個性を否定するかのように鮮やかな玩具をテーマに作品を作り上げました。意図するものは何なのかおぼろげながらここにもまた他者を借りた明円光自身の肖像画が現出しています。可愛いアヒルちゃんに変身した自分の背丈以上に極大に大きく描た玩具、光とおぼしき黄色の高熱帯は無機的なものを美術特有の有機化合に変貌させる彼の色彩感覚の鋭敏さを伝えています。新しい絵画の可能性を純粋な野心の中で明円光はヤバイという大衆言語をクールな美意識の容器で培養することに成功しそうです。

 

 

皆様の温かいご支援とご協力とご批評を心からお待ち申し上げます。

 

2013年5月 吉日

NICHE GALLERY

 


 

三村伸絵 個展
「草花涅槃図」

 

image

 

2013年5月7日(火)〜16日(木)11時〜18時30分
(日曜日、祭日も開廊しております)

花香り緑爽やかな季節の到来に心和む昨今でございます。
皆さまに置かれましてはご清栄の事かとお慶び申し上げます。

五月の企画展、三村伸絵個展を開催いたします。
三村伸絵はNiche Gallery開廊以来今回で4回目の個展であります。温暖な北九州市で高校まで学び、長崎という伝統的な風土で教育を受け、長きにわたる日本画家としての修業時代を東京で過ごしました。そして氏の少女時代の原体験は何でありましょう?

空から舞い降りた天使のように自然観照の美観となって、草花というモチーフにたどり着きました。今回、三村伸絵は自然の中に生かされている感謝を込めて「草花涅槃図」を発表します。88点と大作1点に及ぶ草花の訴える力は様々で、あるものは楽しげで、あるものは哀しく寂しげに多様なこの時代の写し鏡の表情に見えます。優しさに揺れる草花の描写力は日本人の心の拠り所を的確に現出しています。何の変哲もない、どこにでもある草花。人は雑草と呼ぶかもしれない!それが三村伸絵の感性に触れれば豊かに広がる絵画空間となって、私たちに静かな声で語りかけてくれます。脳裏のどこかに置き忘れた遠い昔の伊藤若冲の「果蔬涅槃図」が、彼女にほのぼのと影響を与えています。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

  
2013年 4月 吉日
    

NICHE GALLERY


 

ULALA IMAI

今井 麗 個展

2013年4月5日(金)〜15日(月) 11時〜18時30分
(日曜日は休廊いたします)

image


春爛漫花の香り溢れる季節です。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。

今井麗は神奈川県に生まれました。2004年多摩美術大学油画科を卒業、2006年後期博士課程を満期退学という優秀でユニークな学歴を持っています。今回は2009年、2011年に続き第3回の個展であります。この5年間にわたる今井麗の制作は充実しました。“・・・独特な美的視界が願わくば、このまま鮮烈でみずみずしい感性の泉となってわき続けることを・・・” と述べましたがそのことを全く裏切ることなく着実にその種は開花を迎えています。たとえば「ヒマラヤロックソルト」2013年作は、室内画らしからぬ題名でドキドキするような、今井麗の無邪気さの奥に潜む卓越した写実力に驚愕するしかありません。しかしその彼女とて絶えず苦悩し、自問自答の日々の制作から勝ち得た一点です。「白いチョコレートはいかが?byプリ村ジュリアン」2013年の新作は、日の当たる室内の一隅が“日常”の架空とも現実ともつかない密度ある感覚で表現されました。恐れなしの今井麗の真骨頂と言えます。

 

皆様の温かいご支援に感謝いたします。ご来廊を心からお待ち申し上げます。

2013年3月 吉日
NICHE GALLERY


 

藤田邦統 個展
鉛と緑の間

会期:2013年3月11日(月)〜3月23日(土)
11時〜18時30分
(日曜日祝日は休廊いたします)

 

 

image

 

 

寒いとはいえ梅の花の満開で一段と春の気配を感じる昨今です。
皆様におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。

3月の企画展、「藤田邦統個展」を開催いたします。

 

2005年、07年、09年の発表から、作品は一層内省的で造形探究を深めています。前回にも述べましたが、現代絵画の領域の不透明なフィギュラティブ(現在具象)、あるいはネオティニー(幼形成熟)といったアートの風潮とは遠く距離を置きながら制作しています。
2007年から続く「量子について」の作品群は2013年、「鉛と緑の間」という鮮明なタイトルの中で成熟しました。氏が地元福島で制作している事情を考慮しなくともアトリエが傾き、そばの池がなくなり、アトリエへの道さえおぼつかない現状を聞けば藤田邦統の感受性にどれほどのダメージを与えたかは想像以上のものがあります。軽率な気持ちではなく、氏の作品と、それを取り巻く現実を、美術の言語で言い現せば、All- Over Painting (全面を覆う)という状況が氏の作品にとって最も適切な説明かもしれません。藤田邦統の意識は「表現」より「存在」が重要であります。その存在は、絵画という視覚上の存在に留まらず、近接視界と遠隔視界の不均衡が現実社会の悩める姿とオーバーラップしながら中間の色調が全面を覆い尽くします。福音書の網を打つ漁夫のごとく、藤田邦統は一部を残して覆いつくします。この一部こそが、あるいは残さずにはいられなかった「存在の不幸」と「存在の幸福」が、タイトル「鉛と緑の間」に象徴され具現しています。氏の力量が皆様の感性に響くことを信じて疑いません。

 

 

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げます。

2013年3月 吉日
NICHE GALLERY

 


誰が冬のシーツをめくるの


上田暁子 個展

2013年3月4日(月)〜9日(土) 11時〜18時30分
オープニング 3月4日(月) 17時〜19時

image


余寒厳しき折から、春が待ち遠しい季節になりました。
皆様に置かれましてはご清栄の事とお慶び申し上げます。


3月の企画展上田暁子個展「誰が冬のシーツをめくるの」を開催いたします。
上田暁子は京都に生まれ長野県で育ち、2006年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業しました。2009年「第6回はるひ絵画トリエンナーレ」で大賞を受賞して以来次々と名だたるコンクールの登竜門で受賞を重ねました。特に2011年「VOCA展」で大原美術館賞を受賞したのち、翌年には同館主催のアーティストインレジデンスの公募に挑戦し、倉敷市での制作、そして作品公開を経験し、新たな制作意欲をこれまで以上の感性で鼓舞しています。
彼女の制作の糧、それは都市での経験と、ここ数年の郷里での生活の2つが大きくあるようです。作品世界が時差と距離の中で少しずつその像を結んで行ったのかもしれません。彼女はそれらをどのように受け止めたのでしょうか。都会と郷里、この距離と環境を希望と熱情に置き換えるキャンバスへの視線として、時空を飛び越えた制作者となって、人を描き、植物を描き、大木を描き影を描き冬のシーツを描きました。みずみずしくも切なげにうつむきかげんに足元を見ながら・・・今の社会、今の私たちにとても大切なことを描いています。

4月からの約1年にわたるパリでの経験はヨーロッパに視界を広げるまたとない絶好の機会となるでしょう。また、違うステージでの制作が始まります。一歩一歩、若きアーティストの小さな飛躍がやがては大きな制作となって名作を作ることを信じています。
皆様のご支援とご批評を心からお待ち申し上げます。


2013年2月 吉日
NICHE GALLERY


 

フルカワ マサノリ展

2013年2月25日(月)〜3月2日(土)
11時〜18時30分

image

 

2月の声を聞くも、まだまだ厳寒の続く毎日です。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

2月の企画展、フルカワマサノの個展を開催いたします。
古川勝紀は1953年富山市に生まれました。1976年東京芸術大学油画科を卒業し、1978年大学院は版画科を修了いたしました。古川勝紀の発表の舞台はコンペティションと美術館のグループ展に集約され、その実績は輝かしく、上野の森美術館大賞展、現代日本美術展、青木繁記念大賞展等、全てに受賞の経験を持っております。

二つのカテゴリー版画と油彩を取得した古川勝紀は平面の可能性、混合化の中から視覚の盲点に着目しました。混一化されたモチーフは、氏特有のモノクロームの映像画面のスタイルと、時として、ダブルイメージへの投影、スプレー描写の揺れ動く風景、クロスオーバーしたデジャヴュ(既視感)の肉体と、多様な表現形式を物語ります。近作のロマネスク彫刻に重ね合わされた、古川勝紀の今日的視界は―あるミステリアスを帯びて―例えばデビッド・リンチの映像美を増幅するかのように平面に時間の意識を刻みながら寡黙な色彩の流れに漂っています。

 

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げる次第です。

 

2013年 2月 吉日
NICHE GALLERY


 

鎌倉現代アートプロジェクト
4人展

image

 

2012年12月14日(金)〜16日(日) 
午後12時〜7時


オープニング・パーティ:12月14日 
午後5時30分〜8時

 

師走の候、皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。
今年も残り少なくなりました。一段と寒さがつのりますのでお体を大切に
暖かくしてお過ごし頂きたく思います。

 

12月の企画展「鎌倉現代アートプロジェクト 4人展」を短い期間ですが開催致します。


鎌倉現代アートプロジェクトは、若き経済人、杉田勝敏氏の独自な観点から≪新しい美術の潮流を築くこれからの作家のための制作環境≫をシフトするレゾナンス、共鳴として立ちあげられました。出品作家はサンフランシスコの美術大学からRicky Miranda、筑波大学大学院で学んだ韓国の劉賢、そして、日本は武蔵野美術大学油絵を卒業した福島万里子、東京芸術大学の助手、松下徹です。今期15日(土)の夕方は若手作家向けの勉強会が催されます。才気と熱情が名作を生みだすことは当然としても、これから何十年もの月日の中で制作の持続を成し遂げるのは、また違った意味での覚悟の上の自己管理が必要だと思われます。美術に対する社会の目が「鎌倉現代アートプロジェクト」を通して一つの種子となり、発芽し、開花して根を下ろし、地球に反映されるものと信じております。

 

皆様のご来廊とご支援を心よりお待ち申し上げます。

 

2012年12月 吉日
NICHE GALLERY


土屋雅敬 個展
「あとかた」

image

 

2012年9月12日(水)〜21日(金)11時〜18時30分
16日(日)休廊

まだ残暑があるとはいえ、秋風が渡るようになりました昨今、
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

9月の企画展、土屋雅敬個展を開催いたします。
土屋雅敬は1973年静岡に生まれました。1999年多摩美術大学油絵科を卒業し、着実に制作の足固めをしてまいりました。土屋雅敬は二つの原風景とも言うべき体験があります。
その一つは幼年期、自分の部屋からのぞき見る旧家の大きな庭に得体のしれない不安感と引きずりこまれるような庭の空間に強い興味を持ったことを回想しています。いま一つは大学時代の新校舎を作るために伐採された雑木林の大きな山が、切り落とされ、累々と重なった木々の生暖かさと草いきれの空間に圧倒されたと述懐しています。サブタイトルにある「あとかた」の自然観照の作家の基本的モチーフがここにあります。そして、色調に対する反応と、身体的とも形容できる繰り返し重ねあわされた曲線のフォルムは、「地」と「図」という彼流のスタイルの中に醸成されていきました。バロックのエル・グレコの蛇状曲線、デ・クーニングの後半の作品に影響を受けたと言いつつも、「地」つまりは平面、「図」つまりは形象を分析解釈してみせる土屋雅敬の制作は日本的アイデンティティに富んだ独特の芳香を放つ作品群といえます。

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げる次第です。

 

 

2012年 9月 吉日
NICHE GALLERY
西村冨彌


高歌 個展

2012年9月1日(土)〜10日(月)11時〜18時30分
オープニングレセプション 9月2日(日)17時〜19時

 image

 

厳しい残暑が続きますが、皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

芸術の秋の初頭を飾る9月の企画展、中国の若きアーティスト、「高歌個展」を開催いたします。
高歌には二つの重要な美質があります。ひとつは、中国の古典的伝統である水墨画をよく継承していること。そしていまひとつは、高歌の潜在的感受性が誰よりも優れていて、遠い記憶を呼び戻し、あふれる感覚を素直に表現できるということです。たとえば、2010年作「紛繁世界我能、、(Where can I hide in the Intricate World) P4 on her catalogue」に見られる構成と色彩は淡いながら大胆で、みずみずしい作品に仕上がっています。背景の表現は、水面とも遠景ともつかぬ中国伝統の墨彩画の朦朧体が効果的に取り入れられた作品です。そこには若きアーティストの日常世界と社会との関りを繊細的に、そして、何がしかの希望を求める表現者、高歌の姿が、どの作品にも見て取られます。痛いほどに突き刺さる感覚。
あどけなさと無垢なはにかみが、若者特有の混沌とした“日常性”となって現出しています。新しい可能性と画才を内包する高歌に大きな芸術家としての夢をかなえてもらいたいと願ってやみません。

 

 

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げる次第です。
若い作家の皆様にも9月2日のレセプションにご参加をお願い申します。

 

2012年 9月 吉日
NICHE GALLERY
西村冨彌


 


篠原由香 個展

 

2012年8月13日(月)〜8月22日(水) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

image


暑中お見舞い申し上げます。
猛暑が続きますので、どうぞお体を大切にご自愛下さるようお願い申し上げます。

8月の企画展、篠原由香個展を開催致します。篠原由香は東京に生まれました。2001年、東京芸術大学大学院を修了した若いアーティストです。少女時代から美術に関心の深かった祖父や母親の影響が彼女の創作に影を落としています。特に母親の編み物の手法が篠原由香の潜在的記憶として熟成されたかのように作品の基底部に現出しています。縦、横の線刻はまさしくその母の記憶から娘への伝言のように色彩と形態の波紋が続きます。またある時期(若いアーティストによくありがちな)余りに繊細ゆえに作品から離れざるを得ない時期がありました。篠原由香の感受性の持つ即興力と混沌とした美意識の狭間で彼女は制作を中断したものと考えられます。しかし近年、篠原由香は或る飛躍を遂げました。大作をもって従来のオイルパステルという手法を、再びイメージを形象化することに成功しました。今回のは発表は、篠原由香の存在の証明が力強くオイルパステルの中に内包された美しい作品群です。挫折こそ、新たな希望の制作を生むとも言えます。

 

 

皆様のご来廊とご支援を心からお待ち申し上げます。

 

 

2012年8月 吉日
NICHE GALLERY



古川幹広 個展

 


2012年7月31日(火)〜8月10日(金) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します
オープニングレセプション:7月31日 17時半〜19時半

 

image

 


古川幹弘は、1949年、島根のおだやかな風土の中で少年時代を過ごしています。
東京芸術大学油絵科を卒業し、彼末宏教室の薫陶をこれほどまでに払拭した作家もめずらしいと言えます。なにあってか・・・才気がそうさせたのか、今日に至るまで古川幹弘の作風は「写実」のみにあります。所謂、今流の写実的具象画とは一線を画します。「写実的」の真向かいにある氏の「写実」は、高度に磨き抜かれた視界と描写力に裏打ちされたロジック(解釈理論)を看破出来る者はなかなかいません。人はこれを牡蠣のように硬い一徹居士と言いますが、まま俯瞰してみれば久しく見ないかつての画家の魂と態度を携えた人とも受け取れます。それから2年「ヘクシス」シリーズはこれまで以上に、氏の言葉を借りれば、「“物の存在の有り様、状態、様相”を示す言葉を絵画的解釈に置き換えて仕事をしてきました。時として、抽象的ではありますが、描き手の意図を差し置いて画面の中から“意味”が生まれてくる時に本当の“らしさ”がそこにあって、私と対象と画面の三位一体が成立しているように感じられます」と述べています。それは今回の作品でも静物画における普遍的意味を立証し続けています。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

2012年7月 吉日

NICHE GALLERY


 

門田光雅 個展
BLIND

image

 

会期:2012年7月17日(火)〜27日(金) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

オープニングレセプション:7月17日(火) 午後5時半〜7時半

盛夏の候、皆さまに置かれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

7月の企画展、「門田光雅個展」を開催いたします。
絵画に限らず何事においても、「質」は「量」の豊かさに置いて押し出されるものであります。門田光雅は1980年、静岡県に生まれました。生まれながらにしての絵画好きはともかくも美術系大学を2003年に修了し、2008年には「第23回ホルベイン・スカラシップ奨学生」としての画家の第一歩を踏み出しました。先に述べたように「量」より生まれる「質」は、門田光雅においては、――彼の膨大な制作の量にかなう若い作家は少ないかもしれません―――。今回発表の「凍てつく川」、「晴眼者」、「camouflage」と一見何の脈略もない作品群が大量な制作の中から選択を重ねた「質」の収穫とも言えます。自我を払拭させるためなのか、強力な感性力が切ないまでに画面にみなぎる複雑系の自然治癒力の絵画とみて取れます。ともあれ若き門田光雅の表現力のスケールの大きさに驚愕と賞賛を感じます。

 

皆さまの厳しいご批評と暖かいご支援を心からお願い申し上げる次第でございます。

 


2012年 7月 吉日
NICHE GALLERY

 

 


 

中村亮一
作品展

 

IMAGE

 

2012年6月26日(火)〜7月3日(火) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

梅雨の合間に爽やかな風と青空が見える季節となりました。
皆さまに置かれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

6月の企画展、第一回「中村亮一 作品展」を開催いたします。
中村亮一は1982年東京葛飾区に生まれました。幼年時代に父親に描いてもらった鼻血の出た肖像画に感動と衝撃を受けました。それに起因してかどうかはわかりませんが美術系大学に入学しています。高校時代に国際交流基金・交換留学プログラムにてベルリンに滞在したのがきっかけとなり、美術大学を1年で退学し改めてベルリンに 渡ります。4年間の滞在で様々な美術教育と展覧会、イベントに携わりました。中村亮一の絵画がドイツ表現主義、90年代のネオ・エクスプレッショニズムに影響を受けたかはともかくとして、ドイツ滞在以前からその表現主義的傾向は おおいに青春期に培われたように思われます。2012年、「Paradox of Gender(ジェンダーの逆説)」、2011年、「Blue House」のタイトルに見られる作風は、日本人とは思われぬゲルマン、キリスト教の物語性を色濃く内砲しているかに見えます。が、中村亮一の直感と着想と暗喩の豊かさはダイナミックで他の追従を許しません。近作に登場する漫画に使われる吹き出しの効果も絵画的パラドックスとして軽々と活用しています。そしてまた、人間とも人形ともつかない描写、自然的であり人工的である描写が、スーパーテクノロジーを凌駕して、人間の腕力による筆致の確かさを中村亮一は伝えます。

皆様のご批評とご支援をよろしくお願い申し上げます。
2012年 6月 吉日
NICHE GALLERY


 

 

仙石裕美 作品展
The Utopians

 

IMAGE

 

2012年6月12日(火)〜23日(土)11時〜18時30分

17日(日曜日)は休廊致します

初夏の候、雨の匂いがどこからともなく漂う昨今です。
皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。


6月の企画展「仙石裕美 作品展」を開催いたします。
仙石裕美は1982年、埼玉に生まれました。武蔵野美術大学大学院中退後、パリ国立美術学校に三年間学びました。そのフランス留学の帰国以来、日本のアートシーンに戸惑いを感じながら、苦悩し、彷徨した体験がありました。やっと、2010年の上海Emerging Artistsのコンペティション、2010,11年シェル美術賞に選出されて再び活気を取り戻したかに見えます。若いアーティストにありがちな短期の挫折感が去り、未来の新しい光に“Conversations”と言う確証たるサブタイトルを打ちつけて昨年挑みました。
そして、2012年、“The Utopians”。 「有る」ことに「無さ」を見出すのではなく、「無い」ところに「有るはず」のものを信ずること、と今回の個展のサブタイトルを仙石裕美は位置づけました。ギリシア語の「どこにもない場所」から引用した”Utopians”は夢想家、或いは理想を求める人の言葉と言いつつも、彼女自身が画中の登場人物であり、はたまた誰かに変身した内なる仙石裕美の全てでもあります。キラキラと輝く能力、豊かな若きアーティストの理論武装が彼女の絵画の中ではたして見る方々にどのような反響を与えるのか緊張と楽しみを噛みしめているところであります。

 

皆様のご批評とご支援を心からお願い申し上げます。

2012年 6月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

坂口 竜太 個展


image

会期:2012年5月30日(水)〜6月9日(土) 
11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

水を含んだ風が爽やかに渡りぬける心地よい季節です。青葉が光に揺れています。
皆さまに置かれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

6月の企画展、「坂口竜太個展」を開催いたします。
坂口竜太は1978年岡山に生まれました。美術系大学を卒業し、2007年シェル美術賞で審査員奨励賞を受賞し、また、岡本太郎記念賞展で優秀な作品を発表し、2011年には上野の森美術館大賞展で優秀賞を得た実力のある若手作家です。2008年NICHE GALLERYのサブタイトル「退屈な一日を過ぎて夜になる」以来、2010年、さらに、今回「透明な森」の展示となります。前にも述べましたが、沈黙を守りながら一途に制作に向かう坂口竜太の姿は一種時代とは逆行しているかにも見えます。純粋と無垢の入り混じった混沌のざわめきを、誇り高く風景に託して描いています。
坂口竜太の言葉は「僕は映画が好きで影響を受けています。僕の絵では画面に人間によって創られたもの、水や土、植物といった自然物、そして時間といった要素を取り入れることによって、その向こう側にある人間の存在や物語を表現しようとしたものです」、と。
記憶とは違うこの若きアーティストの体内に潜む純度の高い絵画性に私達は注目を余儀なくさせられます。心にたゆたう観念の森を彼は具現することに成功しました。

皆様のご批評とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

2012年 5月 吉日
NICHE GALLERY


 

西村冨彌 作品展
―誰が朝鳥の声を聴いたか―

image


2012年4月9日(月)〜20日(金)11時〜18時30分

15日(日)は休廊致します。

 

やっと桜の開花を迎えました。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

 

4月の企画展、西村冨彌作品展を開催いたします。2010年ニューヨーク、ナショナル・アーツ・クラブ、2011年、上海パープル・ルーフ・ギャラリーを巡回しました約30点の大作の展示から、今回はその中の4点と新作のテンペラ、ガッシュを発表いたします。サブタイトル「誰が朝鳥の声を聴いたか」は、40年近い制作の中で近年、突然こつんと頭の上に落ちてきたテーマです。一日のはじまりの早朝に聴く鳥の声のように、こんな私でも、耳を澄ませて眼を閉じれば外の声、内の声が見えるようになりました。外の声が地球上の色々な国の状況と言えば内の声は私個人の回想的な精神の軌跡であります。その二つの波長を繋なぎあわせて、筆を動かし――厳密にいえば、キャンバスの中に溶け入って共演者と対話を繰り返す作業が今回の新作のドローイングです。スーパーテクノロジーの時代であろうとなかろうと、画家が自らの筆を自らの身体を使って描くのは遠いその昔から何一つ変りません。

 

 

皆様のご来廊とご批評を心からお待ち申し上げる次第です。

2012年 4月 吉日
NICHE GALLERY
西村冨彌

 


 

 

 


川合朋郎 作品展
―虹を描く人―

 

image

 

会期:2012年3月5日(月)〜14日(水)
11時〜18時30分

3月の候、皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。


2012年3月の企画展 川合朋郎作品展を開催いたします。
2006年の個展から6年、今年で4回目の発表となります。川合朋郎は2003年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を最優秀で修了致しました。爾来、三島市にある古い祖母の屋敷の土蔵が氏のアトリエでもあります。前回も述べたように川合朋郎は幼年時代から夢想家で、その一方で癇癖の強い子供だったようです。芸術家が医学者の家系から突然変異的に現出する事情は例をだすまでもなくよくあることです。そして約10年、氏はゆったりとその鬼才ぶりを発揮しだしました。
今回の個展「虹を描く人」は前回の「象る」というコンセプトの延長にあります。昨年の3.11以来、川合朋郎が受けた衝撃の度合いは氏が純粋無垢ゆえの制作の方向さえ見失うほどの 出来事でありました。最も大きな負の力に追い込まれた精神的苦しみに対応する力をやっと1年をかけて、小さな発表に行きつきました。ニューヨークでの3か月の制作も冷静な働きがあったかもしれません。川合朋郎も意識無意識もなく行き着いたところに「虹」を描く一つの拠り所に希望を見つけたと、述懐しております。若き画家、川合朋郎の成しえた震えるような制作の収穫を私達は率直な気持ちで鑑賞したいと思います。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2012年 2月 吉日
NICHE GALLERY

 



横井山 泰 作品展
―逍遥歌―

 

 

IMAGE

 

 

 

会期:2012年1月24日(火)〜2月2日(木)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します
オープニングレセプション:24日(火)17時30分〜19時30分

謹賀新年
皆様のご幸福を心からお祈り申し上げます。

 

2012年最初の企画展 横井山 泰「逍遥歌」作品展を開催いたします。
横井山 泰は1976年、静岡県の恵まれた牧歌的環境に生まれました。多摩美術大学大学院を優秀な成績で修了して以来、ほぼ10年間、着実に自己の制作内容を深めています。2010年夏、文化庁の新進芸術家海外研修員の選抜を得て、一昨年フランスに留学しました。横井山 泰が描く独特な個性豊かな筆致が、今回もまたその異才ぶりをいかんなく発揮するものと期待を寄せています。短期の留学とは言え、フランスの空気を十分に吸い込んだ氏が、いかなる日本人的アイデンティティを持って、西欧の風物詩を描いてきたか、興味は尽きません。今回の「逍遥歌」は、小さな国、日本の、日本人横井山 泰の一年間の収穫を持った帰国展であります。グローバル化する世界状況の渦に飲み込まれていく日本とは全く別の視点で、別の日本的発想を起点とする横井山 泰の絵画に大きな意義を感じるところであります。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2012年 1月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

両岡健太 個展

「沈潜してゆく感覚」

image


会期:
2011年12月20日(火)〜12月27日(火)11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 

師走の候、皆様におかれましては、ご清祥のことと、お慶び申し上げます。
残すところあとわずかになってしまいました。
寒さが一段とつのりますのでどうぞ、お体を大切に年の瀬をお過ごしください。

2011年、最後の企画展「両岡健太個展 −沈潜してゆく感覚」を開催いたします。
両岡健太は、1981年東京都に生まれました。多摩美術大学絵画学科日本画専攻を2005年に卒業し、現在は制作を中心に活動範囲を広げています。
両岡健太の作品は静かで日本画手法とはいえ洋画に近い筆致で描かれていますが、学生時代から西洋の中世絵画からの影響がその日本画にも表れています。中世絵画の細密画、ミニアチュールの写本は彼にとっての大切な教科書として画学生時代から取り憑かれるようにその魔力に魅了されたと聞いております。そして彼の絵に現出する「雲」は自然現象の雲と言うのではなく、「雲」がイデア論に発展し、ある形而上学的な構成と色彩を極限なまでに単純化した作品に作り上げました。

両岡健太は若いながらも獅子の風貌を宿しています。遠からず、彼が蒼々とした変貌を遂げることを楽しみしております。

時節がらお体をお大切にご自愛ください。皆様のご来廊をお待ち申し上げます。

 

2011年12月 吉日
NICHE GALLERY



田村達也 個展 2011

 

image


会期:
2011年12月13日(火)〜12月18日(日)11時〜18時30分
日曜日も開廊致します

 

師走の候、皆様におかれましては、ご清祥のことと、お慶び申し上げます。
残りわずかな今年になりましたが、どうぞ風邪に注意してゆったりとお過ごしくださいませ。

 

12月の企画展「田村達也個展 2011」を開催いたします。
田村達也は1982年群馬県桐生市に生まれました。2006年明星大学日本文化学部造形芸術学科を卒業し、若者らしく制作の道に励んでいます。Niche Galleryでの個展は、初めてで、若きアーティストの個展の中でも異才を放っています。10年前流行語として「新人類」という言葉が流行りましたが、その彼達すら古く感じられるほどの新鮮この上ないアーティストの登場であります。
作風は、ポップに弾けたニューペインティングとも言えますが、しっとりとしていながら直情的で、さりとて頭でっかちの理論武装で覆い隠すほどの作品の量は未だありません。美大系にありがちな一応まとまったプライド高い完成作品ではありません。とはいえ、数多く並ぶTシャツの作品群の描写力はユーモラスで、絵画の足裏をくすぐられる感覚の瑞々しさに衝愕します。未完の可能性が彼の風貌に呼応して、同時代の若者の共感を呼び醒ます貴重な存在と言えます。

 

 

2011年12月 吉日

NICHE GALLERY


 

鎌倉現代
ART
PROJECT

image

 

 

 

会期:2011年12月9日(金)〜11日(日) 午後1時〜8時
最終日は6時まで

師走の候、皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。
今年の様々な不幸を、来年は、立ち向かう気力溢れる一年になればと、祈願するばかりであります。

 


12月の企画展「鎌倉現代アートプロジェクト 4人展」を開催致します。
鎌倉現代アートプロジェクトは、三菱商事ART GATE PROGRAMで注目を集めた白鳥純司、楯とおる、杉田陽平、藤本絢子の展観です。


これまでのチャリティーオークションに参加される中で、経済人の杉田勝敏氏は独特の視点からより一層恵まれる作家の制作環境をシフトする大胆なプロジェクトを立ちあげられました。4人は美術系大学を卒業し、実績の上ではすでに若きアーティストに成長しているかに見えます。が、しかし、これからの何十年もの制作の持続はやさしくはなく十分な覚悟の上の自己管理が必要とされます。とは言うものの、向上心以上に熱情を後押しする才気が作品にみなぎっています。この才気がやがては大きな幹となり養分となって根を張り、今の時代の芸術のありようを社会に反映させてくれるものと信じております。

 

 

 

 

3日間とはいえ、皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2011年12月 吉日
NICHE GALLERY


 


藤原 祥 作品展

 

会期:2011年11月29日(火)〜12月8日(木)11時〜18時30分

日曜日は休廊致します

 

image

 

 

 

師走の候、皆様におかれましては、ご清祥のことと、お慶び申し上げます。
これから寒さが一段とつのりますのでお体を大切に年の瀬をお迎えください。


12月の企画展「藤原祥 作品展 −風について2011−」開催いたします。
藤原翔は1950年、島根県松江市に生まれました。1979年にはサン・フェルナンド国立美術学校(スペイン、マドリッド)を卒業しています。Niche Gallery では2003年の個展から、今回で三回目の発表となります。数年前体調をこわし、不安定な日常から回復し、今は以前にもまして密度ある作品を一点一点精力的に創造しています。アンフォルメル時代から、そしてスペイン留学から半世紀、藤原翔特有のみずみずしい抒情は一向に衰えを知らず、それどころか一層冴えわたり希望と混沌と切なさの視界に広がる風景の姿をさりげない造形意識のなかでとらえています。やわらかな色調がまるで心に響くこだまのように爽やかな感動を呼び起こします。

 

 

時節がらお体をお大切にご自愛ください。皆様のご来廊をお待ち申し上げます。

 

 

 

2011年11月 吉日
NICHE GALLERY


 

 


大川心平 展
―遠近―

image

 

● 会期:2011年11月18日(金)〜26日(土) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

オープニングレセプション:18日(金)17時30分〜19時30分

 

 

初冬の候、皆様に置かれましてはご清栄のことと
お慶び申し上げます。いよいよ寒くなりました。お体を大切にご自愛ください。

11月の企画展 大川心平「遠近」展を開催いたします。
大川心平は1983年東京に生まれました。2009年東京芸術大学美術学部大学院を優秀な成績で修了した若き作家です。たぐいまれな描写力と昨今の若者に共通するバーチャルリアリズムの申し子のように次世代のアーティストとして登場したのが僅か、3年前の事でした。今回は大川心平の身辺を中心にした「遠近」というサブタイトルの作品群です。彼の日常生活にある、目に見えるさまざまな出来事を私的心情に照らして、、、彼は明晰な描写力を頼りに制作を成し遂げました。と、同時に休息の時間に彼は詩の如き美しい文章を連ねました。それは、絵画のプロセスの一コマを告げるに十分な空想力でもあります。それが空想力に留まらないのは、大川心平の冴えた描写力が絵画と言う舞台で羽ばたき、舞い上がり、そしてまた新しい時代の旗手に変貌を遂げているかに思えてなりません。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

 

2010年11月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

 

樺山祐和 作品展

 

image


会期:2011年11月7日(月)〜17日(木) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

晩秋の候、皆様に置かれましては、ご清栄のこととお慶び申し上げます。
お身体を暖かくして、冷たい風にご注意くださいませ。

 


11月の企画展、「樺山祐和作品展」を開催いたします。
樺山祐和は1958年福岡県北九州市に生まれました。画学生時代と言わず、生まれながらにして、受け止められた天賦の感受性はその風土と環境を初期の作品からも発見することができます。2008年の展観から約3年今回の新作「森にうつるもうひとつの森へ 流れについて」の発表であります。
サブタイトル「森にうつるもうひとつの森へ 流れについて」は2005年前後から始まった大きなテーマの作品群です。以前の内的空間描写を大きく飛躍して、もう一度制作の視界を外側に向けようとする樺山祐和の意識の変革の発表であります。その契機となる発端は氏自身の日常の出来事、父親の死と娘の誕生だと述べています。そこに圧倒的存在を示したものが失われていくリアルさ。はたまた、小さな命が時を刻んでいく可視性。存在を確信し、存在の変容に樺山祐和の制作の原点は打ち震えた事と想像されます。
その視界に広がる高台のアトリエは木々に囲まれた場所にあります。分け入れば植物、木々の森であります。森に紛れ込んだ宇宙船の光芒にも見える夜のアトリエも、震災後、節電をしてひっそりと制作に専念していると、聞いています。アトリエの光源はあたかも今日的状況を反映し、森は沈黙し、樺山祐和は苦悩し、行く末の制作に氏の直感的予兆を感じないわけにはいきません。
樺山祐和の言葉を借りれば「そこに確かに在るが全ては空間そのものであり、果ては空間と意識の区別さえ失われるような世界。そんな絵を生かされている間に一度は描いてみたい」と述懐しました。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

 

2011年 11月 吉日
NICHE GALLERY

 



河内 成幸 作品展

 

image


会期:2011年10月21日(金)〜29日(土) 11時〜18時30分
日曜日は休廊致します

 


一段と寒くなりました昨今、皆様に置かれましては、
ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 

10月の企画展「河内成幸作品展」を開催いたします。
河内成幸は1948年山梨県上野原市に生まれました。たぐいまれな感性と想像力に恵まれた氏の出発点は、マルセル・デュシャンに傾倒したことから始まります。何よりも美術大学時代の作品からもその影響をうかがい知ることができます。そして版画家(木版)としての河内成幸の実績はそのおびただしい受賞歴から見ても海外展の作品評価が決定的となりました。スイス、グレイヘン国際色彩版画トエンナーレ、ノルウェイ国際版画ビエンナーレの最高賞など、日本の木版という伝統的な芸術を河内成幸をして濃密な完成度を世界にしらしめました。力作、「飛べ!北斎」に見られる白色レグホンの若鶏も、近年の「不二」、「十二神将」も氏独特の日本的木版のアイデンティティをいかんなく発揮した代表的作品であります。この日本の状況を版画家の立場としてこれまで以上に“希望の表現”に力を注ぎたいと断言しました。今回は版画にとどまらず、油彩画の発表もあり、河内成幸の才気みなぎる作品群に、私達は息をのむことでありましょう。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

 

 

2011年 10月 吉日

NICHE GALLERY


 

 

 

気がつけば・・・「秋」
森下和彦写真展

image


会期:2011年10月14日(金)〜20日(木) 11時〜18時30分
レセプション:10月14日(金) 17時30分〜19時30分

秋も深まり、早い夕暮れに心寂しい風情となりました。
皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。

10月の企画展「森下和彦写真展 気がつけば・・・秋」を開催いたします。
森下和彦は1951年愛知県名古屋市に生まれました。暗室を家に構えるような医者の家庭に育まれた幼年時代が、今日の氏に影響を与えたことは言うに及びません。そして学生時代、自我の反撥に挑発を受け文学に傾倒したとは言え、1970年代日本の繁栄期に博覧会プランナーとしての足場を固めたことが今日の写真家、森下和彦を作り上げたと思われます。
氏の作風に見られる様々な風景写真はダイナミックなカメラアイを、もう一度、森下和彦の精神風土に濾過し、ある時はコンピューター処理として、自身の心に広がるいわば心象風景として、“秋の気配”を捕えることに成功しています。自然を有機的空間とした紅色の色彩感覚は、森下和彦の冴えていて、それでいてどこか構成主義的な作品として受け止められます。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

2011年 10月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

image

DID THOU HEAR THE BIRD OF DAWNING SINGETH
誰が朝鳥の鳴き聲を聴いたか

2011年9月11日−10日10日

 

The Art Gallery, Purple Roof (上海)

 

2010年のニューヨーク Natinnal Arts Club の個展に引き続き上海,The Art Gallery, Purple Roof で大作を含めた約30点の発表を致します。この二つの展示タイトルは DID THOU HEAR THE BIRD OF DAWNING SINGETH,誰が朝鳥の鳴き聲を聴いたか 、です。小さな日本の国の田舎に育てられた私が、大国のアメリカ、中国に、細い糸のような感受性を伸ばして、ぐるぐる巻きにしてからみ取ってしまいたいと言う単純と混沌の欲望に起因した作品群であります。私の絵画に登場するキャスト28名と6つの動物達が、どれほどの役回りを演じ、日本人の技術力に及ぶような感性力が発揮できるかは私の40年近い制作の腕にかかる所であります、が。水、大気、炎の宇宙力を背景として精一杯制作の努力を重ねました。
どうぞ、ある種の郷愁と私の性格から来るメタファーのかかった笑いをもって見て頂ければ嬉しく感じる次第でございます。

 

2011年 初秋吉日
上海にて
西村富彌


 

Tender Buttons

Jul . 25 - 30

 

会期:2011年7月25(月)〜30日(土) 
11時〜18時30分

 

暑中御見舞申し上げます。
皆様のご多幸とご健康をお祈り申し上げます。


7月の企画展「Tender Buttons」を開催いたします。


林利會子、渕上優子、新井美華子、中村咲子、大橋由美子の5人の展示です。1980年代から1990年にかけて、国内、及び外国の美術系大学で教育を受けたアーティストです。現在に至る20年間の制作の軌跡は、ある時は希望につつまれ、挫折し、芸術から遠ざかり、再び混沌に突入してなおかつ”制作の光“にたどりつこうとする20年間が、さりげなく作品に反映しています。プライドなのか、自信なのか、たぶんそれは本来の姿を求める、いきつくところ謙虚な自己の表現の作品群でありましょう。
タイトル「Tender Buttons」はピカソの名画に登場するガートルード・スタインで、名著「Tender Buttons」からの引用です。私達は5人のアーティストを通じて、何度も再生可能な波のような感受性のインパルスを感じないわけにはいきません。

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。


2011年 7月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

上田 暁子 個展

Jul . 11 - 22

 

いつか野原になるまでのこと

image

 

7月の企画展「上田暁子 個展」を開催いたします。


上田暁子は京都に生まれ長野県で育ち、2006年武蔵野美術大学を卒業しました。美術系の若者の卒業後の人生は、多様でさまざまですが、上田暁子の場合、いったんは東京で働きながら制作活動をした後に、より制作に力を注ぐために成長を育んだ地である長野県に移り住み現在に至ります。そして、運を味方に付けるのも実力でしょうか、あるいは、天性の感度が、よく時代性を射とめているのか、難度の高いコンクールの「第6回はるひトリエンナーレ」で大賞、「シェル美術賞2009」で家村珠代審査員賞、「上野の森美術館VOCA展2011」で大原美術館賞と評価を受けました。
初期の薄暗いトーンの作品群では、夕方という時間帯の持つ空気が、時間の流れやそれに伴う意識を表現する絶好のモチーフとして取り扱われています。そして、近作において頻繁に描かれるようになった、植物の描写、足元にゆらめく不思議な回想からは、上田のひたむきな、爽快にして、何かを希求するかのような、こぼれるような、感性が画面上にあふれています。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

 

2011年7月11日(月)〜22日(金)

開廊時間:11:00〜18:30

日曜日は 休廊 致します。

 

2011年7月吉日
NICHEGALLERY

 


 

仙石 裕美 個展

Apr . 19 - 28

image

 

 

仙石 裕美 は1982年、埼玉に生まれました。武蔵野美術大学大学院中退後、パリ国立美術学校に三年間学びました。そのフランス留学の帰国以来、日本のアートシーンに戸惑いを感じながら、苦悩し、彷徨した経験がありました。やっと、2010年の上海Emerging Artists のコンペティション、シェル美術賞に選出されて再び活気を取り戻したかに見えます。若いアーティストにありがちな短期の挫折感が去り、未来の新しい光に Conversations という確証たるサブタイトルを打ち付けて今回は挑みました。

仙石 裕美 は昨今のヤングアーティストに見られる<カワイイ>美術の全く逆にあります。彼女自身はっきりと断言しています。「カワイイと感じる世相に関心はありません。もし私の中にカワイイを感受するとすれば年上の方々がその関心の対象になると思います」と。仙石 裕美 の世界は、自分に語りかける他者、他者に語りかける自分との対話(Conversations)であって、架空の平面上のインスタレーションが展開されています。作風はハイテクノロジーを操る現代人の母性的な男性像、強い意志力の女性群など画面上に仮設され、取り残されていく自己と他者との絆の行方を、女性特有の鋭利な感度で表現しています。

ゆったりとしたなめらかで、したたかに、そしてリアル感を持ったある種の不思議な物語性の絵画です。

 

 

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

 

 

2011年4月19日(火)〜28日(木)

※日曜日は休廊

開廊時間:11:00〜18:30

日曜日は 休廊 致します。


 NICHE GALLERY

 

 

 

 


 

A ROOM With A View

Apr . 11 - 16

image

 

 

A ROOM With A View

 

A ROOM With A View は、ニューヨーク、河南省、東京の6アーティストで、一人が写真家で構成されています。六人の作家の共鳴の糸を手繰れば「けはい」のコンセプトといえます。もちろんこの「けはい」は六人多様にして個性的な表現手段が発揮されていますが、その糸の根源は2003年の頃ヨーロッパで発芽した新しいアブストラクションの系譜に繋がります。イギリス、ドイツから密かに湧き出た具現すれすれの抽象か、抽象すれすれの具象か、どちらにせよアメリカンアブストラクションとは異なる新しい潮流である事に間違いありません。サブカルチャー系のアニメ、マンガ、キャラクターポップのアジアアートの次の潮流のようにも受け取れますが、多分、今日の世界状況下では、単純な二極にとどまらず、複雑な連鎖の中で融合し、分裂しながら次の技術を築くものと受け取れます。モダン ー アンフォルメル ー アブストラクション ー 美術概念を可視化した次の名称が何と呼ばれるか興味あるところです。そして子の六人の才気ある「けはい」の作品がアートシーンの前線に躍進することを切に望んでいます。

 

2011年4月11日(月)〜16日(土)

開廊時間:11:00〜18:30

日曜日も開廊致します。


 NICHE GALLERY


 

 

EXHIBITION

TAKAHIRO YAMAUCHI

March . 21 - 26

image

 

山内 喬博 個展

● 会期:2011年3月21日(月)〜26日(土) 11時〜18時30分

開廊時間:11:00〜18:30


 NICHE GALLERY


 

EXHIBITION

 

KAORU TOHARA

March . 07 - 12

 

 

image

東原薫 写真展
The City Within 2011

● 会期:2011年3月7日(月)〜12日(土) 11時〜18時30分
● オープニングパーティ:3月7日(月)17時30分〜19時

もう少しで春の到来です。
皆様に置かれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。

3月の企画展「東原薫 写真展」を開催いたします。
東原薫は1959年、東京に生まれました。1995年 Inidiana University で Master of Fine Art in Photographic を取得し、ピッツバーグのギャラリーアシスタント、エキシビションコーディネーター、講師を経て現在はペンシルヴェニア州ピッツバーグ市の映画・写真学校の非常勤、准教授として、日本の大学でも講師として招かれています。
今回の展示は風景の写真展ではあるものの、かつて発表したアイロニー漂う「家族の肖像」シリーズの延長線上にあると言えます。この風景写真には人物同様に孤独な人間の瞳に映る吸い込まれるような都会の郷愁感はあるものの、前回の作品群で見た人々の吐息が聞こえるようなやるせなさは姿を消しています。新たな出発を喚起させる何かしらの新鮮な香り、密かに述べれば、再生する精神に宿る香りが建造物に反映する光となって現出させることに成功しています。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

期間中、東原薫氏は来日していますので氏の作品について親しくお話していただければ幸いです。

2011年 3月 吉日
NICHE GALLERY
西村冨彌

 

 

2011年3月7日(月)〜12日(土)

開廊時間:11:00〜18:30

 

2011年3月 吉日
 NICHE GALLERY


KAZUHIRO MORI

Dec . 11 - Dec . 19

image

 

森 一浩 作品展

 

12月の企画展、「森 一浩作品展」を開催いたします。
森 一浩は1949年にブラジル、サンパウロに生まれました。ブラジル日系の血族にあって、5歳の時鹿児島の地に帰郷いたしました。その原体験には、おのずと日本的なるものとは異なる興味ある文化圏特有の、制作環境が築かれたものと考えられます。森 一浩は1978年、82年と東京藝術大学大学院を修了致しました。以来今日まで特有の作風は一貫していて“風”の作家と呼ぶべく、風貌もさることながら行動も爽々として、時には一陣の旋風の渦を残して、、、、制作の筆致は多様な流線形を繰り返します。作家が作品を作るのは当然として、また作品に作家が磨きあげられるプロセスが森 一浩の制作現場のドキュメント映画にも色濃く反映しています。森 一浩の感受する空間意識に“風”のイメージが喚起され“空”が有機を孕みダイナミックな筆跡がまわりを圧倒的な造形力を持ってキャンバスの前の私たちの感性を凌駕しているかに思えます。
近年、森 一浩はブラジル、サンパウロの美術館で大きな個展を開催しました。日本の“書”の奥義に通じる「この絵画で見られる反復的なトレースにより構成された書道は、殺伐してた複雑な風景の中、近づいたり、離れたりする竜巻で蝕まれたくぼみのある濃い茶色、または血の色の沙漠的地形の断面へ我々を導き、遊ばせる」との論評があります。NICHE GALLERYでは最初の個展ですが、皆様のご来廊を心からお待ち申し上げる次第でございます。

 

2010年12月11日(土)〜19日(日)

開廊時間:11:00〜18:30

日曜日も開廊致します。

 

 

 

2010年12月 吉日
 NICHE GALLERY


 

 

EXHIBITION

 

TOMORO KAWAI

 

2010
NOVEMBER 22 - NOVEMBER 30

image

 

川合朋郎 個展

象る

人智の及ばないもの 例えば気象について

大阪に生まれた川合朋郎は幼年時代から、夢想家で、その一方で癇癖の強い子供だったようです。芸術家が医学者の家系から突然変異的に現出する事情は、例を出すまでもなくよくあることです。川合朋郎のアトリエは土蔵の中にあります。三島市のふるいその家はさぞ数奇を凝らした邸と思われる石畳のおぼつかなかった草庵の土蔵です。絵画をよくした祖母の邸のいにしえを守る子孫の新進の画家の原風景がここにあります。川合朋郎は東京藝術大学大学院を最優秀で修了いたしました。彼の油彩画の作品群は日本の伝統を引き継いだ、スケールの大きな背景を感じさせます。もちろん琳派の影響も見られます。小さくうごめく川の魚のようなフォルム、東方の人のようなテラコッタ型の人物像、ひとつひとつに不思議な直感と画才がしずかにみなぎっています。現代美術のみならず、現在美術の新しい潮流の予兆があります。才気にはやるのではなく静謐に、世界のフィールドに立ってこそ、はじめて再発見できる絵画空間に、川合朋郎は日本人の美感と云う大きな荷物を背負って小さな舟をゆっくりと漕ぎはじめました。彼の視界を通して、私達は日本人の美意識とは一体何だろうかと問いただしながら鑑賞できることと思います。
近年、その制作の速度は加速し新しい未知の美空間にまず「象る」というコンセプトを築きあげました。眼には見えない、現象の有機的空間を色彩と形象によって具現しようとの大いなる試みであります。それに伴い彼の発表領域も上海、イスタンブールと、海外の画廊から高い評価を受けています。私たち日本人の特有の美の意識を、若い川合朋郎は、エッジに発信しています。

 

会期:2010年11月22日(月)〜11月30日(火)

from November 22th to 30th

開廊時間:11:00〜18:30

23日は開廊、28日は休廊致します。

 

 

皆様からのご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2010年 11月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

EXHIBITION

 

 

image

 

 

過ぎ行く一瞬、とどまる時 

森岡 喜三夫

 

重層する風景

森岡 洋子

 

 

会期:2010年11月15日(月)〜11月20日(土)

from November 15th to 20th

開廊時間:11:00〜18:30

 NICHE GALLERY


EXHIBITION

 

image

 

今井麗 作品展

 

今井麗は、1982年神奈川県に生まれました。多摩美術大学大学院を修了し、後期博士課程を満期退学と言う優秀でユニークな経歴を持っています。生来の豊かな感性を生かし、制作に励んでいる新しい時代のニューアートの可能性に駆けるアーティストの一人であります。


今井麗のテーマは日常生活の断片日記であり、そこから思い起こされる過去、未来のどこまでも肯定的なモデュール(基本単位)の表現にあります。たとえば、ぬいぐるみや食器、焼きたてのパン、家族の猫、どこかで見たような自分、陽のあたる室内の一隅、子供の成長期にたどる多分に擬人化された感情移入があります。
思えば、私たちの誰もが通過する幼児期の原体験であり実社会とのかかわりを持つ第一歩の自己主張と、謙虚、希望の大切な“日常性”の回帰される表現と受け取られます。

平凡なモチーフが平凡を超えて見える理由がここにあります。独立美術協会の重鎮、今井信吾先生を父に持ち、脇田和先生に絵具と戯れて遊んでもらった影響から想像すれば、、、、一方で無邪気さのおくに潜む卓越した描写力。何かを願うような手の届かないもどかしさを構築するコンポジション。今井麗の真骨頂であります。


耳の不自由な彼女が努力し、五感の一つを失うことによって克服してきた美的視界が願わくば、このまま鮮烈でみずみずしい感性の泉となって湧き続けることを期待したいと思います。

 

 

 

今井麗


1982年 神奈川県生まれ
2004年 多摩美術大学油画科卒業
2006年 多摩美術大学大学院修了
2009年 多摩美術大学後期博士課程満期退学

 

2006年 個展、井上画廊(東京)
2007年 YOKOHAMAみなとみらい展
     横浜市民ギャラリー(横浜)
2008年 「シェル美術賞2008展」
     代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
2009年 個展、井上画廊(東京)
     YOKOHAMAみなとみらい展
     横浜市民ギャラリー(横浜)
     個展、蔵丘洞画廊(京都)
     「遠くへ飛ばされた種展」
     イスタンブール(トルコ)
     東京アートフェア(東京)
2010年 「美の予感」燗屋東京店(東京)
     YOKOHAMAみなとみらい展
     横浜市民ギャラリー(横浜)
     個展、NICHE GALLERY(京都)

 

 


   

会期:2010年11月5日(金)〜11月11日(木)

from November 5th to 11th

開廊時間:11:00〜18:30

7日(日)も開廊致します。

 

 

2010年 11月 吉日

 NICHE GALLERY


 


EXHIBITION

image

坂口 竜太 個展

● 会期:2010年10月18日(月)〜28日(木) 11時〜18時30分
   日曜日は休廊致します

中秋の候、やっと昼間の風も心地いい季節になりました。
皆様に置かれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

10月の企画展、「坂口竜太個展」を開催いたします。
坂口竜太は1978年岡山に生まれました。美術系大学を卒業し、2007年シェル美術賞で審査員奨励賞を受賞し、また、岡本太郎記念賞展で優秀な作品を発表しました。2008年NICHE GALLERYのサブタイトル「退屈な一日を過ぎて夜になる」を境に発表を閉じていました。日頃も口数の少ない坂口竜太が、ことのほか沈黙の徒になって制作に試行している姿は―今日と言わず若い作家にありがちな流行に敏感で、かつ栄誉に欲深い欲望とは―対極の姿勢と言わなくてはなりません。本能的理由が描かせるのでしょう、氏の作品に対する純度の高さは私たちの想像をはるかに超えたところにあります。純粋と無垢の入り混じった混沌のざわめきを、風景に託したスタイルは見るものをして立ちすくませてしまいます。坂口竜太の作品を求める美術愛好家やコレクターは幸か不幸か日本人ではなく東洋の若き映画監督であったり、遠く離れたアイルランドの美術コレクターだったりしました。運と必然が作品の持つ圧倒的存在感を持って作者をより一層の深淵へと導きいれているような気配を感じます。私どもの知り合いであるアートエイジェントのアジアのグループ、”SEED ART GALLERY”のSimon Yoに作品を紹介することを楽しみにしています。


皆様のご批評とご支援をよろしくお願い申し上げます。


2010年 10月 吉日


 NICHE GALLERY


 

EXHIBITION

image

小林伸一郎 写真展

● 会期:2010年10月8日(金)〜16日(土) 11時〜18時30分
会期中無休
● オープニングパーティ:10月8日(金)17時30分〜19時

初秋の候、皆様に置かれましてはご清祥のことと
お慶び申し上げます。

10月の企画展「小林伸一郎写真展」を開催いたします。
小林伸一郎は1956年、東京で生まれました。
1991年の準太陽賞の受賞を始め、コニカ写真奨励賞、東京国際写真ビエンナーレのキヤノン賞、2007年の講談社出版文化賞写真賞を受賞しています。
鬼才と呼ぶにふさわしい小林伸一郎の写真集は、1991年の「Tokyo Bay Side」から「神様 OH MY GOD!」まで15集、さらに個展は18回に及びます。1998年の「DEATHTOPIA 廃墟遊戯」は廃墟ブームの旗手として颯爽と登場し、2007年の「最終工場」は工場生産が産み残した都市文化の衰退に痛烈な一石を投じました。そして今回の「神様 OH MY GOD!」もその延長にあり氏のネオジオ(Neogio)的概念にあります。
小林伸一郎のカノン(Kanon基準)は現実空間に広がる真実の意味との闘争であります。写真家としてのハードエッジはともかくとして、その作品は、たえず運命的で悲劇に包まれ影を落としています。隠すすべもなく原因は“カメラ”なのです。あろうことか、皮肉にも写真家小林伸一郎が“カメラ”なしで撮りたいと熱望する裸眼と、“カメラ”という機器の持つ不可視な断絶体のはざまで、もがき苦しみ苦悩から見た歓喜、歓喜から見た苦悩の二律背反の洞察力が写真家としての社会現象を鷲掴みにする小林伸一郎の豊富な力量かと思われます。その意味で、今回の「神様 OH MY GOD!」の濃密で奇想天外かに見える多様な神様の御姿は、翻れば現実に突き付けられた私たち自身の姿でもあり、自らに手を合わせる映し鏡のように感じられます。不思議ではない真実を小林伸一郎は捕えることに成功しました。いわんや作品が呼びかけてくるもの、浄心なのか、祈願なのか、滑稽なのか、孤独なのか、受け取り手の心に迫ります。

皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2010年 9月 吉日
NICHE GALLERY

 


 

 

 

EXHIBITION

 

細川 文未昌 写真展

LIGHT IMPRESSIONS

image

 

 

九月の企画展「細川文未昌写真展」を開催致します。
細川文未昌は1963年、新潟に生まれました。1996年「EIGHT PHOTOGRAFHS」(PROMENADE GALLERY)から15年目のNICHE GALERY 「LIGHT IMPRESSIONS」まで、氏は一貫して独特芸術的世界を展開しています。その一つは、出来るだけ社会から孤絶するスタンスを取ることによって社会の動向を見抜く写真家として、大げさに言えば、使命感を携えているように思われます。
浮世に流される写真界を逆流に力強く漕ぎ抜けている気配があります。さしたる受賞歴も無く、強いて言えば、フィリップモリス・アートアワードの大賞受賞くらいで氏の関わる芸術作品の目標は、俗習の栄達からはるか離れた位置に存在しています。
代表作の一つ、「アノニマスケイプ」は官報に掲載された行き倒れた死亡人の場所を氏が訪れる作品で、今回の「LIGHT IMPRESSION」も、やわらかくぼんやりとした風景写真は、総体として携えた記録の喪失とも言うべき自然を捕えて現代社会の一片の真実として見せています。細川文未昌の冴えた感性がここにも輝いています。

 

会期:2010年9月23日(木)〜9月29日(水)

from September 23th to September 29th

 

 

開廊時間:11:00〜18:30

26日は休廊致します。

 


 

 

 

image

大川 心平 展


「既知の地平」

 

八月の企画展 大川 心平 「既知の地平」展を開催致します。大川心平は1983年東京に生まれました。東京芸術大学美術学部大学院を優秀な成績で修了いたしました。たぐいまれな 描写力と昨今の若者に共通するバーチャルリアリズムの申し子のように次世代のアーティストとして登場しました。サブカルチャーが吹き荒れてから10年、アニメ、マンガ、イラスト、コスプレなど若者が作り上げた文化が円熟を飛び越してやや食傷気味な昨今、絵画のコアを本来の形に再生している気配があります。

ヨーロッパ、ドイツ圏を中心とした素材の再確認。スコットランド+アイルランドの力強い現代美術の伝統性。アジア美術のまだ未開発な美観の再確認、ラテン美術の風土的重要性と、地球上には熱風の様に乱気流が渦巻いています。

言うに及ばず、大川 心平 の技術力と構成力の冴えは頼もしい限りでありますが、しかし、その冴えた筆致が、夢を伴いながらも空想に何が描けるか、はたまたバーチャルリアリズムの膜から破り出て新しい時代の騎手になりえるのか、注目したく思います。

 

皆様からのご来廊を心からお待ち申し上げます。

 

2010年 8月 吉日
NICHE GALLERY


会期:2010年8月16日(月)〜8月21日(土)

from August 16th (Mon.) to August 21th (Sat.)

 

 

開廊時間:11:00〜18:30


 

from 11:00 to 18:30

 


 


image

横井山 泰 展
「立つ鳥」
会期:2010年8月9日(日)〜8月14日(土)

from August 9th (Sun.) to August 14th (Sat.)

横井山 泰は1976年静岡県の恵まれた温暖な環境に生まれました。多摩美術大学大学院を優秀な成績で修了して以来、ほぼ7年間、着実に制作の内容を深めています。初期に見られた人物描写は、ネーデルランド地方のブリューゲル風の群像描写が数多くありましたが、ひとりひとりを個性豊かに表現した力量はすでに子の頃から異才を放っています。爾来、横井山泰の一貫した人間観察は西洋から日本に及び、日本人の持つ人相のアイデンティティとも云うべき現代絵巻物に変身を遂げていきます。岡本太郎美術館では、横井山泰は、いにしえの百人の日本人を彼流に描いて見せました。登場人物は、「不日の豊年」百人一首シリーズで藤原定家をはじめ、清少納言までのひとたちです。その一方で、緑の怪物のような彼自身、めそめそする娘をどこぞへ連れ去ろうとする男の彼自身、あげくは、“わたしの気持ち”と称するもののけなど、小さな不思議な日本人のむかしへと、くすぐるように誘ってくれます。そして、ここ数年の成果が文化庁の「新進芸術家研修員」に選ばれました。9月にフランスに留学が決定しています。運命の階段をまた一歩前進したように思われます。
これからの制作の変化に注目を集めるところと思いますが、これまでのご支援に深く感謝申し上げる次第でございます。

 

 

開廊時間:11:00〜18:30


 

from 11:00 to 18:30

日曜も開廊致します。
Open on Sunday.

 


 

image

100 ARTIST OF CHASE

「追跡する百人」展


会期:2010年7月27日(火)〜8月6日(金)

from July 27th (Tue.) to August 6th (Fri.)

オープニングパーティ 7月27日(火)17:00〜19:00

 

 

 

開廊時間:11:00〜18:30


 

from 11:00 to 18:30

日曜は休廊致します。
Close on Sunday.

 


image

 

 

古川 幹広 展


会期:2010年6月14日(月)〜6月24日(木)

from june 14th (Mon) to 24th (thu.)

 

 

 

 ”ヘクシス“という言葉は、数年前、或る本の中に偶然に見つけた言葉で、これだっ!と密かに発見の喜びを味わい、それ以来、メインタイトルとして、使用しています。ギリシア語なのですが、実は、なかなか解釈の難しい単語のようです。私は“物の存在の有り様、状態、様態”を示す言葉として、簡単に解釈して仕事のテーマと合致させています。
リアルな表現において、ものの様態が場、時間の中でどの様に在るのかを探しています(一つのものが、様々な姿、表情を見せてくれます)。時として、抽象的ではありますが、“らしさ”の良く描かれた対象(画面中の)から何かしら、意味が発生してくる様な気がすることがあります。描き手の意図をさしおいて画面の中から“意味”が生まれてくる時に本当の“らしさ”がそこにはあって、私と対象と画面の三位一体が成立しているように感じます。それは無常の喜びであって、なおかつ終わりがありません。

 

古川幹広

 

 

開廊時間:11:00〜18:30

 

from 11:00 to 18:30

日曜も開廊致します。
Open on Sunday.

 

 


 

NICHE GALLERY - PENG GALLERY

‘No Distance II’  「遠くに投げられた種子 U」

May 12 - 22, 2010

 

Pg Art Gallery (http://www.pgartgallery.com/en/index.php) は1993年にオープンしたイスタンブール有数のコンテンポラリー・ギャラリーです。開廊当時はトルコの有名作家の作品を主に扱ってきましたが、近年海外の作家、特に新進作家の作品発表に力を入れています。Niche Gallery とPg Art Galleryはこのグループ展をきっかけに今後お互い の作家の交流を深め、芸術を仲立ちとして両国の理解をさらに深めたいと考えています。

 

‘No Distance’ is a project produced by the collaboration of Istanbul’s Pg Art Gallery and Tokyo’s Niche Gallery. Pg Art Gallery’s represented artists Kemal Tufan, Ali Kaba?, Kerem Ozan Bayraktar, Genco Gu¨lan and Ay?e Wilson will be exhibiting at the Niche Gallery in May.

「遠くに投げられた種子」プロジェクトはイスタンブールのPg Art Galleryと東京のNiche Galleryとのコラボレーションで誕生しました。今回はPg Art Galleryの作家5名のグループ展として開催されます。

 

Establishing his works on the fundamental concept of “contrast and contradiction”, Kemal Tufan creates statues using different materials and also produces installation, performance and video art. Statues by the artist who has taken part in many a symposium can be seen in various cities all over the world. The artist’s ironic style confronts us once again in his recent works with different materials and techniques.

「対比と矛盾」を基本的なコンセプトに据えた作品スタイルを確立したKemal Tufanは異なる素材を使用した彫刻やインスタレーション、パフォーマンス、そしてビデオアートを発表しています。彼の作品は各地での彫刻シンポジウムで取り上げられるとともに、世界各地で見ることができます。彼の風刺的なスタイルは異なる素材とテクニックで作り上げられた新作で再び私たちの目の前に対峙しています。

 

A significant representative of contemporary photography, Ali Kaba? stikes us with his distinct work. The artist’s photographs set before our eyes a vast visial world and take us on diverse adventures not only with the different techniques employed, but also via the subjects focused on. Showing us once again the world in its plainest form of expression as seen through his eyes, the artist succeeds in creating a sensation of freedom with his speculative photographs as he does with his aerial, land and underwater photography.

今日的な写真の明白な表現スタイルの一つとして、Ali Kabasは彼独特の作品で私たちに衝撃を与えます。彼の写真は私たちの目前に広大な視覚世界を繰り広げ、私たちをそこに用いられている様々なテクニックのみならず、取り上げる題材を通して多様な冒険へと誘います。彼の目を通して繰り広げられる最も飾り気のない世界を表現しながら、彼の空中、地上、水中での目を見張るような写真は自由そのものの感情を表現することに成功しています。

 

Standing out with works he creates using make-up, artificial light, computer generated textures, 3 dimensional models, digital print and photographs; void, apathy and repetition specially draw attention in Kerem Ozan Bayraktar’s art which is laden with marks of the digital age. The speculative language utilized by the artist is to a great extent nurtured with commercials, cinema and art history. While evoking the cold and harsh emptiness of the virtual world, at the same time the artist establishes an important bond between the audience and his art through the concentration of introverted sensations.

Karem Ozan Bayraktarの人目を引く作品は、メイクアップ、人工的な証明、コンピューターによって作り出された質感、立体的な造形、デジタルプリント、そして写真という手法を使い、繰り返し現れる虚無感や無感動を特質として、現在のデジタルアートを牽引しています。彼が用いる思索的な作法にはその先にコマーシャル、映画、そして美術史を含む広大さがあります。仮想世界の冷たく辛辣な空虚さを喚起しながら、と同時に、内省的な感興を通して彼は鑑賞者と彼の芸術を結ぶ重要な絆を確立しています。

 

Producing works in the fields of conceptual art and new media, Genco Gu¨lan nas attracted notice with his video, installation, performance and photography art. An important name in contemporary art, Genco Gu¨lan frequently makes use of digital technologies in his works which display diverse materials and subjects. Taking part in many festivals around the world his works have been on show at Centre Pompidou in Paris, Proje 4L and Pera in ?stanbul, ZKM in Karlsruhe, MAM in Rio de Janeiro and at important exhibitions in Triennale Milano.

コンセプチュアル・アートの分野とニューメディアで作品を制作しているGenco Gu¨lanは彼のビデオ、インスタレーション、パフォーマンスそして写真芸術で注目を集めています。現代美術界で重要視されている彼は多様な素材と題材を表現する手段としてデジタルアートのテクニックを広く利用しています。世界中のアートフェスティバルに参加し、パリのポンピドーセンター、イスタンブール、リオ・デ・ジャネイロの画廊で作品を発表していると同時に、ミラノトリエンナーレでも展覧会を開催しています。

 

A graduate of Wellesley College, Ay?e Wilson was raised in Boston and currently lives in New York. Adopting classical academic education and painting techniques, the artist was assistant to one of contemporary art’s most celebrated names Jeff Koons, after she completed her masters degree at the New York Academy of Art in 2004. Taking special interest in the interaction between female forms, postures and moves, and the physical and psychological conditions from a Expressionist and Impressionist point of view, the sentimental and calm forms in Renaissance paintings with religious themes constitute the artist’s fundamental source of inspiration. Ay?e Wilson’s works reflect that as long as the positive aspect is not lost, all the hardship and deprivation that live brings can be overcome.

ウェルズレイカレッジを卒業したAy?e Wilsonはボストンで生まれ現在はニューヨークに住んでいます。古典的なアカデミックな教育と絵画技法を生かし、2004年にニューヨークアカデミー オブ アートで修士号を取得した後、彼女は現代美術界の最も栄えある作家、
Jeff Koonsのアシスタントとなりました。女性のフォルム、姿勢や動きの間の相互作用、表現主義の視点から印象主義の視点に至るまでの間に見られる肉体と精神の関係、宗教的なテーマを持つルネサンス絵画に見られる感情と静謐さの形がこの作家のインスピレーションの基本的な源となっています。彼女の作品が持つポジティブな要素がある限り、私たちの人生の全ての困難さと喪失感は彼女の作品によって克服されることでしょう。

 

 


会期:2010年5月12日(水)〜5月22日(土)

from MAY 12th to 22th

 

西村富彌

出射茂

川合朋郎

三村伸絵

今井麗

SVETOZER BENCHEV

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

 

日曜日は休廊致します。
Close on Sunday.

 


 

 

image

三村 伸絵 展


会期:2010年3月21日(日)〜3月29日(月)

from MAR 21th (Sun) to 29th (Mon.)


三村伸絵は温暖な北九州で生まれました。この風土と、彼女の少女時代の原体験が、制作に大きな影響をもたらしたことは云うまでもありません。
どこの国にもあるように、日本には、その昔から自然の、たとえば鉱物や土、草木などを原料とした絵具、「顔料」というものがあります。その「顔料」を素材としてニカワ水を使って三村伸絵は制作します。千数百年以上にも及ぶ、このマテリアルの伝統は、かつては権力者の城、貴族の館を飾り、今日にも色濃く伝承されています。しかし、三村伸絵の絵画は、装飾的な豪華な植物や大時代的な行事を描くのではありません。名もなく、みすごされるような草木を中心に描いてきました。四季折々の植物をたんねんに描くことで、愛情を注ぎ、自然の中に生かされている人間の感謝の内省的表現といえます。今回は会期が春ということもあって、これまで描き溜められてきた写生の中から花をテーマにした多くの作品が出品されます。そしてまた一方には、月の夜の自然のざわめき、昼間のひっそりとした自然描写は、大胆な構成力となって、彼女の表現力をいっそう深め、三村伸絵特有の画才がいかんなく発揮されています。自然によせる優しさを、いま一度、鑑賞者の方々と共有できることを彼女は願ってやみません。
     

 2010年 弥生 吉日
NICHE GALLERY

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜祝日も開廊致します。

 


image

CRUSHする種子 展


会期:2009年12月21日(月)〜12月26日(土)

from DEC 21th (Mon.) to DEC 26th (Sat.)

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

祝日も開廊致します。

川合朋郎

リ・ウーハン

ピーター・マクミラン

藤田邦統

小倉孝夫

両岡健太

出射茂

草間弥生

キロ・ウィルディン

大橋由香

西村富彌

井関・クリスティーネ


NICHE GALLERY


image

藤田 邦統 個展

Solo Exhibition: kunitugu fujita


会期:2009年11月30日(月)〜12月10日(木)

from NOV 30th (Mon.) to DEC 10th (Thu.)

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.

2007年の発表から、藤田邦統の作品はより一層探究を深めています。昨今制作の概念を遥かに飛び越えて、現代絵画の領域の不透明な現場であえぎ、おののいている作家とは遠く隔たりながら制作しています。
2005年から報告しております「量子について」の作品群は成果を成し遂げました。あえて、再び述べれば、ピグメントという粒子をあやつる作家の作業が、氏の場合はさらに深く深淵をのぞいた平面上に量子の単位まで昇華して可視的空間を切り拓いたという意味で驚愕せざるをえません。「気」もしくは「空間」、及び「香り」、「質」と言ったマクロ的ゆえにミクロな不可視のミクロンの量子分析を形と色彩について予言的ともいえるかたちで、藤田邦統は明確に私たちの眼にみえるように具現しました。
アブストラクション(抽象)という言葉が袖口あたりから崩れ落ちています。モダニズムは遠い昔の百年を過ぎ去りました。ニューペインティングも1980年代。つい昨日までフィギアの時代といったと思ったらアジアンポップも10年以上もたっていました。観察すれば、アートシーンも政治経済に劣らず進行が早い。故に、振幅力のエネルギーはすさまじく、人間力の“情熱”という赤い炎は不易流行の永遠の中で育てあげなくてはいけません。藤田邦統は土に鍬を打つごとく、絵画を育て、己を鍛え、新しい芽吹きに挑戦しています。

 

2009年 11月 吉日
NICHE GALLERY


image

大野 佐知江 個展

Solo Exhibition: sachie ohno


会期:2009年11月20日(金)〜11月26日(木)


 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.

 

大野佐知江の作品について



大野佐知江がなぜ自らがモチーフとなって、裏返されたかえるのように白い大腿部を開脚しなくてはいけないのか、恐れずに考えてみましょう。大野佐知江は1995年に多摩美術大学日本画科を卒業しました。平面作品と並行して、もともとは身体を使ったパフォーマンスを場当たり的に発表していましたが、その形式を2004年頃から筆を持って「描く力」として平面に重点を置き換えて自身の自画像を捕え始めています。肉体の扱い、とりわけヌードと呼ばれるモチーフは、人間の歴史が始まるや否や、なかなかやっかいで宗教的原罪にとどまらず「見せてはならない人間の罪」と「人間としての理想的な姿」相反する二律背反の観念を社会的に問いかけながら今日に至っています。それは、日常と道徳、非日常と本来の姿の美意識の交叉の中から、絡むとなれば大衆消費のエロプロマイドから純粋芸術として展示されるミュージアムの露出作品まで掴まえところのない現状下にあります。
大野佐知江に振り返れば、いわゆる美しいとされるイデアル(理想的)なポーズを彼女はとりません。彼女にとっては大開脚のふともものつけねにあるコアの存在、「性器」に焦点を合わせてスパイラルに拡大する彼女自身の自由を具現することにやっきとなって共同幻想を希求します。“概念的なエロスを好んだ私は、作品の中に身を置いた私は、なにも恐れるものはありませんでした”と制作行為と現実感が絞りこまれています。大野佐知江にとってはそれが最も自然な行為で見る人たちとの共感意識を明確するものと発言しました。芸術が社会病理をともなうのは当然としても、その抗体現象に外界のワクチンより内なるアドレナリンの効力を持って、屹然とただ一人しかも理論武装もせず作品を続けることの困難な彼岸に希求している一縷の信頼は、社会的進化としか言いようがありません。常識の壁。道徳の壁。良識の壁の向こう側には少なくとも進化の壁、不徳の壁、さらなる何者にも汚されることのない先鋭的脱皮性が芸術の新しいアートシーンの状況を伝えてくれるものと信じております。

 

皆様のご来廊をお待ち申し上げます。
2009年 11月 吉日
NICHE GALLERY


 

image
出射 茂 個展

Solo Exhibition: sigeru idei

 

狼とエンジェル ー 重なりと対立
会期:2009年11月2日(月)〜11月18日(水)

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.

出射茂は1958年広島県呉市に生まれました。1985年東京芸術大学大学院を修了して以来、着実に制作の足跡を残して参りました。1990年代から2000年にかけては、ポップモダーンに代表される色面効果と重層的な構築性が、氏の力量をもをって弾力性に富んだ内容で表現されました。2000年以後、しっとりとして優雅で、ユーモラスとも見えるトリック、カラーフィールドを舞台に天使や少年、バレリーナやキューピットまでもが登場したりしました。そしてその一方には、本能的とも言える素材の探究、人間への尽きない興味のためのパフォーマンスと、、、、。今日それがくっきりとある方向を指し示しながら現出してまいりました。

Revelation In one’s Childhood,幼年時代の啓示 と云えるニューペインティング、

“狼とエンジェル――重なりと対立”の切なく、才気あふれる作品群を鑑賞していただけることを誇りに思います。画面の前に立ちすくむ私たち見る者の体内に美の感覚を今一度喚起させてくれることでしょう。

 

アーティストステイトメント 「狼とエンジェル ― 重なりと対立」
鏡の目を持つ狼と少年をかたちどった絵は数年前のある時、ふらりと私の画面にやって来ました。私が描いたのではなく彼らが訪れたという出現の仕方に思えました。それまでの私の美意識に無かったそれは第三の価値観でもありました。その価値が泡のように消えるのか磨かれるのか、制作の中で乗り越えるしかないと・・梢の彼方の青空を眺めます。出射 茂

 


image

小林 久子 個展

Solo Exhibition: hisako kobayashi

10月20日(火)〜30日(金)


fromOct 20th (Tue.) to 30th (Fri.)

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.

小林久子はニューヨークに渡って20年以上になります。四半世紀に及ぶ制作活動の中で、近年もっとも関心を呼ぶのは、“精神の波紋の軌跡”です。恐れずに言えば、ニューヨークという大都会で埋没しそうな自分自身の存在の確認こそ、制作上の必然の証明とも言えます。

 

「描くことは私の感情の動きの過程であるとともに、対立する感情が引き起こす困難な道筋でもあります。音楽が私たちの生活を元気づけたり混乱させる不合理な衝動を時として包み込んでくれるように、詩的なプロセスが自然界の混乱を秩序だてることを望んでいます。部分から全体を作る。それが私の求めるものです。このようにして、私の絵画は表面的には抽象がに見えたとしても、私の心の中の現実を反映しているのです」、と。


 

image

横井山 泰 展

「出花」
会期:2009年10月7日(水)〜10月17日(土)

 

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.

10月の企画展 横井山 泰「出花」作品展を開催いたします。


横井山 泰は1976年静岡県の恵まれた牧歌的環境に生まれました。多摩美術大学大学院を優秀な成績で修了して以来、ほぼ7年間、着実に制作の内容を
深めています。初期に見られた人物描写は、ネーデルランド地方のブリューゲル風の群像描写が数多くありましたが、ひとりひとりを個性豊かに表現した力量はすでに異才を放つものがありました。爾来、横井山泰の一貫した人間観察は西洋から日本に及び、日本人の持つ人相のアイデンティティとも云うべき現代絵巻物に変身を遂げていきます。外国人の彼の支援者のひとりは、「おもしろさがこみあげてくる笑いは、私が精神的に日本人になったからだろうか、、、」と述べています。岡本太郎美術館では、横井山泰は、いにしえの百人の日本人を彼流に描いて見せました。登場人物は、「不日の豊年」百人一首シリーズで藤原定家をはじめ、清少納言までのひとたちです。その一方で、緑の怪物のような彼自身、めそめそする娘をどこぞへ連れ去ろうとする男の彼自身、あげくは、“わたしの気持ち”と称するもののけなど、小さな不思議な日本のむかしへとくすぐるように誘ってくれます。
いつか口に含んだ梅干しの種のように、心にほのかに残る感触がいつまでも続きます。

ぜひ、皆様のご来廊を心からお待ち申し上げます。

2009年 9月 吉日
NICHE GALLERY


image

 

仙石裕美 個展

6月15日(火)〜20日(金)


from June 16th (Tue.) to 20th (Fri.)

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。

仙石裕美は1982年、埼玉に生まれました。武蔵野美術大学大学院中退後、パリ国立美術学院に三年間学びました。新しい環境の学内は、ビデオアート、インスタレーションが主流でした。その中で、日本で培ったとはいえ、キャンバスの上での制作は想像以上の意志力が必要だったと考えられます。そして、周囲のカテゴリーからの影響は三年間の留学経験の中に、今日の仙石裕美の作風として色濃く現出しています。尖鋭的具象画をキャンバス上で追求すること。今日的オプティミスティックな生活感覚を徹底した描写力で指し示すこと。そして、なによりも、彼女の持つアイロニーの物語性が作品の中に漂っています。

1982. 1   埼玉県蕨市出身

2004. 4   武蔵野美術大学大学院 油絵コース 

2005. 10  Ecole Nationale Superieure des Beaux-Arts(パリ国立美術学院) 

2007.10〜9 パリ国立美術学院 ポスト−ディプロム(post-diplome)

プログラム 在籍

 

個展

2008.8 NICHE GALLERY

2009.6 NICHE GALLERY

 

主なグループ展

2004. 4    Realism展 (NICHE GALLERY)

2006.1    武蔵野美術大学大学院終了制作展 (鷹の台キャンパス)

2008.2    Exposition de Hiromi SENGOKU (Paris Brulerie de Jourdin )

2008.8 「追跡する百人」展 (NICHE GALLERY)


 

image

坂口 竜太 個展
NEW PAINTING

Solo Exhibition: ryuta sakaguchi

会期:2009年5月5日(火)〜5月16日(土)
from May 5th (Tue.) to May 16th (Sat.)

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

日曜日は休廊いたします。
Close on Sunday.


西村 冨彌 作品展

Solo Exhibition: tomiya nishimura

会期:3月31日(火)〜4月8日(水)
from March 31th (Tue.) to April 8th (Wed.)

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 to 18:30

4月5日(日曜日)は休廊いたします。
Close on April 5th (Sun.)

記憶が年齢とともに変化するのは当然としても、遠い追憶も忘れることが多くなりました。五感に蘇る匂いや触感や自然の葉音が、乏しくなった視感覚をくすぐります。 瞬時、悲しみは感情の尖端にありますが、笑い(歓喜)もまた肉体の高揚を誘います。ならば「沈黙」は、人間のどこに位置するのでしょうか。「沈黙」に制作を守り続けたく思います。近年もまた凡作の山を乗り越えて、その山の向こうにどのような絵画が現出するのか、不安を持って、制作の旅を続けたく考えています。  西村冨彌

 

近年の主な活動と発表予定

2007年
「笑う草、涙する犬」
FYR GALLERY (フローレンス、イタリア)
NICHE GALLERY (銀座、東京)
IKARUS GALLERY  (ソフィア、ブルガリア)
8人展 上野の森美術館ギャラリー (東京)
アート上海出品 (上海)

2008年
8人展 上野の森美術館ギャラリー (東京)
アート上海出品 (上海) 

2009年 
8人展 上野の森美術館ギャラリー (東京)
みなとみらいYOKOHAMA, The Second (横浜市民ギャラリー)
3 Person Show PG Gallery (イスタンブール、トルコ)
日中友好グループ展 (上海、中国)

2010年
National Artists’ Club (ニューヨーク、アメリカ)


今井 麗 作品展

Solo Exhibition: ulala imai

会期:3月10日(火)〜3月18日(水)
from March 10th (Tue.) to 18th (Wed.)

開廊時間:11:00〜18:30
from 11:00 tp 18:30

15日(日曜日)は休廊いたします。
Close on March 15th (Sun.)

今井麗は、1982年東京に生まれました。美術系大学大学院を優秀な成績で修了し、 生来の豊かな感性を生かして日々制作に励んでいます。新しい2010年世代のNEW ARTの可能性を駆け抜けていく、これからのアーティストの一人であります。 今井麗のテーマは、日常空間の断片日記であり、そこから想い起こされる過去、未来 への肯定的で(あるいはドライな)イリュージョンの表現にあります。子供の頃から の玩具、家族の猫、どこかで見たような自分、陽のあたる室内の一隅と、明瞭なまで に感傷と自己愛を払拭して描き分けています。 独立美術協会の重鎮、今井信吾先生を父に持ち、その同人、後輩に愛された、芸術的 影響も容易に想像できますが、一方で、無邪気さの奥にひそむ天性の造形意識と、耳 の不自由な彼女が、努力し、五感のひとつを失うことによって克服してきた美的視界 がなによりも制作の原点とし“クール”にきらきらと輝いています。 若い感受性の今井麗に求められる「根気」と「強運」の風は、彼女の帆の張り方次第 で、いかようにも変化するでありましょう。制作の持続こそ「力」だと思います。